市政をひらく安中市民の会・市民オンブズマン群馬

1995年に群馬県安中市で起きた51億円詐欺横領事件に敢然と取組む市民団体と保守王国群馬県のオンブズマン組織の活動記録

安中市の0.5%が中国資本に渡る日刊ゴルフ場跡地メガソーラー計画の融資元確認のため県知事に審査請求

2016-08-23 23:11:00 | 安中市内の大規模開発計画
■日本の南にある尖閣諸島では、無法国家の中国による公船の我が国への領海侵犯が頻発しています。とくに8月に入り、これまでに6日、延べ23隻の公船が領海侵入を犯しています。しかも、中国ではさらに大型の排水量9000トンクラスの公船を既に建造しており、台風が接近しても、尖閣諸島周辺に恒常的に停泊できる体制を着々ととろうとしているのです。
※国交省:中国公船による尖閣諸島接近(接続水域入域・領海侵入)状況 -H28年8月- ( 8/22現在)
http://www.kaiho.mlit.go.jp/mission/senkaku/data_h28_08.pdf

ソーラーパネルの海に囲まれて浮かぶ島の形の筆者所有の山林。さながら東シナ海に浮かぶ尖閣諸島のようだ。しかしここは首都圏の水源林地帯なのである。

 こうした動きは日本本土から離れた離島だけに限られるものではありません。今や、北海道の広大な土地が中国資本によって買い漁られている実態も明らかになっているのです。そして、首都圏の群馬県安中市の丘陵地帯が、メガソーラー開発事業計画の名のもとに、今まさに中国資本の手に落ちようとしています。

 こうした動きに対して、当会は国土安全保障上の観点から、これまで国や県、安中市に対して警鐘を鳴らしてきました。日本の国家安全を司る国家安全保障会議(NSC)の議長である安倍晋三・内閣総理大臣や、中谷防衛大臣にも直訴状を書留で送りました。しかし、今のところ、目立った動きは見られません。

 そうこうしているうちに、8月3日にはとうとう安中市長名で、安中市農林課が林地開発許可の最後の段階である安中市の意見書を、群馬県の西部環境森林事務所に提出してしまいました。このまま行けば、行政手続法により、群馬県が安中市の意見書を受領してから70日以内に、首都圏の貴重な水源林地帯137ヘクタールが、中国資本の魔手に渡ることになってしまうのです。

■このような非常事態を憂える当会では、8月10日付で、次の審査請求書を群馬県知事に提出しました。

**********PDF ⇒ risjj.pdf
                             平成28年8月10日
群馬県知事 大澤正明 様 宛て
                      審査請求人  小川 賢    ㊞

                 審査請求書

 次の通り、審査請求をします。
1 審査請求人の氏名及び住所
  氏名   小川 賢
  住所   群馬県安中市野殿980番地

2 審査請求に係る処分の内容
  群馬県知事が審査請求人に対し、平成28年7月1日付け森第407-4号により行った、「現在、安中市岩野谷地区の水源地帯約140ヘクタールで、日刊スポーツによるゴルフ場計画跡地に、事業者である安中ソーラー合同会社がメガソーラー施設設置計画を進めているが、このうち4月26日付け〔原文ママ〕で群馬県に提出された林地開発許可申請に関する次の情報。<最優先で開示を請求するもの>①林地開発許可申請書、④工程表、⑤申請者の信用及び資力に関する書類、⑧地域住民又は市町村の長との協定書、⑨残置森林等の保全に関する協定の締結について、⑩残置森林等の保全に関する協定書、⑬隣接土地所有者の同意書」の公文書部分開示決定

3 審査請求に係る処分があったことを知った年月日
  平成28年7月2日

4 審査請求の趣旨
(1) 上記2の処分のうち、「④工程表」中、連絡先(林地開発許可申請書作成の責任者)の住所・氏名が黒塗りされている。この理由について、知事は、「申請者の取引内容に関する事項で内部管理情報であり、公にすると、取引先から信用を失うなど、申請者の競争上の地位その他正当な利益を害するおそれがあるため」としているが、資本金1円の安中ソーラー合同会社の代表社員であるグレート・ディスカバリー・ホールディング・エルエルシー(GDH)社はタックスヘイブンで知られる米国デラウェア州ウィルミントン市で設立登記をしているペーパー会社であり、開発事業者の得体は非常に怪しいので、きちんと実体のある組織なのかどうかを見極めることは、この事業が信用のおける開発事業者によって実施されることが担保されているかを確認するために必須である。
(2) 上記2の処分のうち、「⑤申請者の信用及び資力に関する書類」に関連して、「安中ソーラーに関する事業スキーム図(詳細)」中、各業務委託契約等の相手方企業名が黒塗りされている。この理由について、知事は、「開発事業における取引関係を記述した文書で、当該取引先の情報は、内部管理情報であり、公にすると、取引先から信用を失うなど、申請者の競争上の地位その他正当な利益を害する恐れがあるため」としているが、資本金1円の安中ソーラー合同会社の代表社員であるGDH社はタックスヘイブンで知られる米国デラウェア州ウィルミントン市で設立登記をしているペーパー会社であり、開発事業者の得体は非常に怪しいので、きちんと事業スキームを見極めることは、この事業が信用のおける開発事業者によって実施されることが担保されているかを確認するために必須である。
(3) 上記2の処分のうち、「⑤申請者の信用資力に関する書類」に関連して、「融資意向表明書」中、金融機関名、当該金融機関印影及び融資限度額が黒塗りされている。この理由について、知事は、「申請書の金融機関との取引関係に関する情報を含む文書であり、取引金融機関名及び融資限度額は、開発事業に関する通常一般に入手できない情報であり、公にすることで、当該申請書の競争上の地位その他正当な利益を害するおそれがあるため」としているが、資本金1円の安中ソーラー合同会社の代表社員であるGDH社はタックスヘイブンで知られる米国デラウェア州ウィルミントン市で設立登記をしているペーパー会社であり、開発事業者の得体は非常に怪しいので、きちんと融資が履行なされるのかどうかを見極めることは、この事業が信用のおける開発事業者によって実施されることが担保されているかを確認するために必須である。
(4) 上記2の処分には、森林法で定めた申請書類である「申請者の信用資力に関する書類」として、20年間のキャッシュフロー表が含まれていない。これが不存在なのか、不開示なのかは請求人として判断できない。もし不存在であるとすれば、森林法で定めた「申請者の信用資力に関する書類」として、事業者に提出を求めていないことが想定されるが、資本金1円の安中ソーラー合同会社の代表社員であるGDH社はタックスヘイブンで知られる米国デラウェア州ウィルミントン市で設立登記をしているペーパー会社であり、開発事業者の得体は非常に怪しいので、きちんとこの事業のキャッシュフローを提出させてそれを見極めることは、この事業が信用のおける開発事業者によって実施されることが担保されているかを確認するために必須である。

5 審査請求の理由
(1) 本件の開発事業者の安中ソーラー合同会社は、実体のない合同会社で、しかも代表社員(=親会社)は海外の米国デラウェア州ウィルミントン市で設立登記された合同会社であり、職務執行者2名のうち、一人は東京都赤坂溜池にある合同会社の税理士法人赤坂国際会計事務所の代表社員の山崎亮雄で、もう一人は香港の九龍地区にある高層マンションを住所としているやはり合同会社のアジア・パシフィック・ランド・リミテッド(APL)社である。
(2) このAPL社は、今年5月10日から公開されている国際調査報道ジャーナリスト連合(ICIJ)のホームページに掲載されている。
<Entity: ASIA PACIFIC LAND LIMITED>
incorporated: 31-JAN-1994
https://offshoreleaks.icij.org/nodes/123454
(3) 一方、APL社のHPには「アジア・パシフィック・ランドは、不動産投資・アセットマネジメントおよび開発を手掛けるプライベートカンパニー。1994年に設立、現在は東京・上海・香港・台北にて事業展開を行う。」という記載がある。
http://www.asialand.com/jp/
(4) そして、役員リストとして次の人物名が掲載されている。
<APLグループ 創業者>
ウィリアム・D・ショーンフェルド(William D.Schoenfeld)最高経営責任者
リチャード・J・ライトネック(Richard J.Reitknecht)エグゼクティブ・ヴァイス・プレジデント
<APLグループ 経営陣>
ウィリアム・スカリー(William Scully)マネージング・ディレクター、米国投資
サイモン マクドナルド(Simon McDonald)アセットマネジメント統括責任者
ナイジェル・オリバーフロスト(Nigel Oliver-Frost)マネージング・ディレクター ソーシング及びアセットマネジメント
ナンシー・ファーガソン(Nancy Ferguson)チーフ・オペレーティング・オフィサー (COO)
シャウ・ウェイ・リュウ(Sheau Hui Liew)チーフ・ファイナンシャル・オフィサー (CFO)
マーク・ルビンスティン(Marc Rubinstein)ゼネラルカウンセル(法務責任者)
(5) この最高経営責任者のウィリアム・D・ショーンフェルド (William D. Schoenfeld)のプロフィールを見ると、次のように記されている。
APLの創業者であり、同社最高経営責任者を務めるショーンフェルド氏は、アジアおよび北米地域における不動産投資で20年以上の経験を有し、バブル崩壊後の1997年、日本における最初の外資系不動産投資会社の一つとしてAPLを統率。APL設立前は、1990年から1993年まで、当時バンク・オブ・アメリカ社の子会社であったBA(アジア)リミテッドのヴァイスプレジデントとして主にアジアにおける不動産事業を統括。 1989年から1990年までジョーンズ・ラング・ウートン社(1999年にラサール・パートナーズ社と合併、現ジョーンズ・ラング・ラサール社)の投資サービス部門のヴァイスプレジデントとして、同社米国支店にて不動産投資家に物件取得、資金調達、デット及びエクィティ・ストラクチャリングに関する助言業務に従事。1988年から1989年まで日本の大手不動産建設・開発会社である長谷工コーポレーション(東京)に勤務。ウィリアムズ大学卒業(哲学士)。日本語と中国語に堪能、広東語にも精通。中国本土において、主に子供の教育と環境、貧困の改善を主目的とする多数の慈善団体を設立。
(6) そしてAPL社の経営陣のひとりとしてリュー・シャオ・フィ(Liew Sheau Hui)という人物の名前がある。安中ソーラー合同会社の親会社ともいうべきGDH社がタックスヘイブンの米国デラウェア州にあり、実際にGDH社の後ろ盾になっているAPL社については、パナマ文書の情報によれば、その住所は次のとおりとなっている。
ASIA PACIFIC LAND LIMITED
Address
Portcullis TrustNet Chambers P.O.Box 3444 Road Town, Tortola BRITISH VIRGIN ISLANDS
Incorporation date: 31-JAN-1994
(7) つまりAPL社は、タックヘイブンで知られる英領バージン諸島で1994年1月31日に設立されたとなっている。このように、安中ソーラー合同会社の実態は、国際脱税組織によるペーパー会社であることがわかる。しかも、実質的な事業主として、香港在住の中国人が関与していることは明確である。
(8) 安中ソーラー合同会社が大規模開発を使用としている場所は、水源涵養機能を持つ里山地帯である。したがって、群馬県水源地域保全条例の摘要がなされるべきだと考えているが、群馬県の土地・水対策室は、審査請求人がいくら申し入れても知らん顔であった。さらに、この開発地域に存在する数ヘクタールにも及ぶ公有地が、こうした中国人主導の国際脱税組織が関与する事業主にタダで払い下げられてしまう恐れも出てきている。
(9) この開発地域は日本固有の固体燃料ロケット工場に隣接しており国防上も問題である。
(10) 最近の報道を見ても、尖閣諸島の我が国領海に中国船籍の各種船舶が大手を振って連日侵入しており、その犯罪行為は日に日にエスカレートしている。安中ソーラー合同会社の開発事業地は、南海の尖閣諸島ではなく首都圏の上流域に位置しており、その面積は安中市全体の0.5%に及ぶ137ヘクタールである。国民の安全・安心のみならず国土の保全や国家安全保障の観点から、事業者の資力や信用にかかる情報は速やかにされなければならない。

6 処分庁の教示の有無及び教示の内容
  「この処分について不服があるときは、この処分があったことを知った日の翌日から起算して3月以内に、群馬県知事に対して審査請求をすることができます(処分があったことを知った日の翌日から起算して3月以内であっても、処分の日の翌日から起算して1年を経過すると審査請求をすることができなくなります。)」との教示があった。
                           以上
添付:平成28年7月1日付け森第407-4号「公文書部分開示決定通知書」
PDF ⇒ rytisjj.pdf
**********

■当会の試算によれば、今回のメガソーラー計画では、137ヘクタールの土地の大部分を買収し、ごく一部を賃貸方式で確保するために約20億円、そのうち約80ヘクタールの丘陵地帯の山林をメガソーラー設置のために平らに造成するための費用として、1ヘクタール当たり少なくとも1億円として最低でも約80億円、さらに43メガワットの太陽光発電施設の設置に、約97億円程度は必要と考えられます。また、仮に撤去費用を設置費用の10%とすると、約10億円となります。さらに東電の送電グリッドへの接続のために送電鉄塔数本を立てることから、約3億円が見込まれます。

 すると、以上を合計して約210億円のコストが施設にかかることになります。

 一方、売電により固定買取価格37円/kwhとすると、1メガワットあたり年間で約5千万円の売電利益が上がると想定されるので、43メガワットでは年間約21億5千万円、20年間で約447億円となる勘定です。

 上記の試算が正しいとすれば、20年間で237億円の儲けとなるわけですが、210億円の投資に対して複利計算すると年間約3.7パーセントとなります。

■とりわけ中国資本にとっては、元本が20年間で2倍強になるとはいえ、ガメツイ中国の投資家にとって、本当に魅力のある投資事業なのでしょうか?いくら取り逸れのない日本のFIT制度が使えるとはいえ、かなり疑問に思います。

 そのため当会では、中国資本の狙いは土地そのものの取得にあるのではないか、と見ているのです。仮に、中国資本の裏に中共政府の思惑がちらついているとすれば、このメガソーラー事業の持つ意味は全く別の側面を有することになります。

 いずれにしても、中国資本によるこの事業計画に対して、群馬県がきちんと採算性や融資の妥当性を確認したのかどうか、今回の審査請求に対する群馬県の対応が注目されます。

【ひらく会情報部】

コメント (4)
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