市政をひらく安中市民の会・市民オンブズマン群馬

1995年に群馬県安中市で起きた51億円詐欺横領事件に敢然と取組む市民団体と保守王国群馬県のオンブズマン組織の活動記録

大同有害スラグ問題を斬る!・・・スラグ撤去について前橋市監査委員にオンブズと市職員らが陳述(前半)

2016-08-19 23:09:00 | スラグ不法投棄問題
■当会事務局長は、2016年7月8日、前橋市長に対して、前橋市内にも存置されたままになっている有毒スラグの撤去と措置命令を求める住民監査請求を前橋市監査委員に提出していますが、これに関連して、8月2日(火)午前9時半から前橋市役所6階の入札室でオンブズマン側から前橋市監査委員に対する陳述と監査委員との質疑応答が1時間に亘り行われました。また、同日午前11時から市側担当職員(課長クラス)3名による陳述及び監査委員からの質疑応答が12分にわたり行われました。


陳述会場内の様子。





 初めに、当会の事務局長による陳述が行われました。前橋市の監査委員は、請求人から向かって左から、小林岩男監査委員(2015年3月26日就任、前橋市議会議員)、横山勝彦監査委員(2016年3月29日就任、前橋市議会議員)、赤川常己監査委員(2013年4月1日就任、元前橋市消防局長、田子一夫監査委員(2013年10月1日就任、税理士)の各氏です。

 司会は前橋市監査委員事務局長の湯浅真一氏で、冒頭に次の注意事項として「はじめに陳述の進行方法と注意事項について5点ほど説明させていただく」と説明がありました。5点というのは、次の通りです。

●1点目 陳述される請求人はその場で名前を述べてから陳述を開始すること
●2点目 陳述時間については、通知した通り、監査委員からの質問時間を含めて概ね1時間とすること
●3点目 陳述は請求書に記載されている請求の要旨の内容の補充するために開催するものであり、今回の請求の要旨の範囲を超えて為された陳述は採用されないので、陳述の内容が関係のないものに及ぶことの無いように注意すること。また本日は陳述の場で有、したがって監査委員への質問の場ではないこと。
●4点目 陳述の録音等は禁止とするが、監査委員事務局では本日の陳述内容を記録するため録音をとること
●5点目 本日までに新たに提出された証拠書類については各監査委員の手元に配布してあること

■そして9時35分ごろから当会の陳述を行いました。

**********PDF ⇒ 20160802or4.pdf
                         平成28年8月2日
前橋市監査委員殿
     件名:前橋市職員措置請求書に係る証拠の提出及び陳述
                    陳述人 鈴木庸 代理人
 表件について、平成28年7月11日付で請求人が提出した前橋市職員措置請求書について、7月14日付で前橋市監査委員から受理通知を確かに受領しました。あわせて貴殿から、証拠の提出及び陳述についてと題する通知文をいただいたので、通知内容に基づき、本日平成28年8月2日(火)午前9時30分から前橋市役所6階入札室において、意見の陳述を行います。なお、陳述は以下の意見書を読み上げるとともに、証拠として写真の掲載してある本紙を貴殿宛に提出することといたしますので、よろしくご査収の程お願い申し上げます。

            意 見 書

 大同スラグ問題については、おおむね住民監査請求書に記載しましたが、あらためてここに順をおって説明します。
 前橋市は2016年3月7日(月)日付のホームページで鉄鋼スラグを含む材料を使用した市発注工事調査結果を公表しています。
http://www.city.maebashi.gunma.jp/jigyousya/353/364/001/p014897.html

 この内容のあらましとして、前橋市は次のように公表しています。

「前橋市では、 鉄鋼スラグを含む再生砕石を使用した市発注工事の有無を確認するため、大同特殊鋼(株)渋川工場に対し聞き取り調査を行なってまいりました。」
「聞き取り調査の結果、新たに6工事に使用していることがわかりました。」
「該当する工事では、全て環境基準に対する品質規格証明書を確認することができました。」


 続く調査結果においては、次の通り示しています。

「昨年11月17日に公表しました富士見地区内の8路線以外に鉄鋼スラグを含む再生砕石を使用した市発注工事の有無を確認するため、大同特殊鋼(株)渋川工場から出荷記録等の聞き取り調査を行なってまいりました。
(1) 6工事について、出荷記録がありました。(別紙1、2のとおり)
別紙1 工事一覧(PDF形式:33KB)
別紙2 位置図(PDF形式:1,579KB)
(2) 出荷記録のあった6工事について、設計書や工事関係書類を確認したところ、鉄鋼スラグを含む再生砕石を使用していることがわかりました。該当する全ての工事で環境基準に対する品質規格証明書を確認することができました。」


 更に今後の対応として次のように述べられています。

「国、県及び渋川市で構成される「鉄鋼スラグに関する連絡会議」の対応方針を確認の上、環境部局の助言を受けながら適切な対応を図ってまいります。」

 このように、前橋市は、本来であれば廃棄物処理法などの関連法令をもとに、方針を打ち出すはずですが、今回はなぜか、法的に何の権限もなく、また専門知識も持たない、いわゆる国・県・渋川市から構成される任意の第三者組織にすぎない「鉄鋼スラグに関する連絡会議」が出した鉄鋼スラグを含む材料の「対応方針(案)」を拠り所としています。ところが、この「対応方針」には未だに「(案)」がくっついており、前橋市は、こうした外部の自治体関係者らによる任意組織が、法律的な根拠もなくいい加減に打ち出した決めごとを金科玉条のごとく受け入れて、その方針案にそって対応していくことを表明しているのです。群馬県をリードしなければならない我らが県都前橋市が、このような他力本願の及び腰でよいわけがありません。

 また上記「別紙1 工事一覧」に示されている前橋市内の6工事のほかにも、国が前橋市内で建設を進める上武道路にも大量の有害スラグが投棄されています。次の5枚の写真をご覧ください。


上の写真1の説明:
上武道路・上武小神明信号の東側に投棄された有害スラグの様子です。この道路は国土交通省が建設しましたが、前橋市の地域住民を、有害スラグの埃(ほこり)や土壌汚染で苦しめているのです。



上の写真2の説明:
上武小神明信号の東側に投棄された有害スラグを近寄って撮影した様子です。有害スラグ100%の状態であることが分かります。群馬県警から前橋地検に書類送検された大同特殊鋼グループと佐藤建設工業は、有害スラグを天然石と混ぜて毒を薄めたと装って道路工事などに不法に投棄していましたが、上武道路では盛り土に有害スラグ100%を投棄しています。盛り土とは土そのものなので、廃棄物処理法はもとより土壌汚染対策法に完全に違反し、土壌が汚染されてしまった状態にあります。土壌が汚染されていることは生活環境保全上、重大な支障が生じている事を意味し、ただちに支障を除去しなければならないはずですが、なぜか国は動こうとしていません。



上の写真3の説明:
同じく上武小神明から上武鳥取信号の中間地点にある上武道路の側道と農道との合流地点ですが、食の安全が最優先に配慮されるべき農道に有害スラグが敷設されています。




↑上の写真4と5の説明:
上武道路・上武鳥取信号東側の歩道の様子。手すり下のコンクリートが破壊され10cm程度隆起し、通学中の児童や歩行中のお年寄りが躓いて、転倒の危険が指摘されているが、なぜか未だに放置されたままとなっています。大同特殊鋼は、排出したスラグに蒸気を使ったエージングという堆積膨張を防止するための処置をしているとしていますが、こうした酷い膨張による様子を示す証拠を見せつけられると、エージングの効果は甚だ疑問といわざるを得ません。大同特殊鋼由来のスラグはその中に有毒物質を含んでいて、物性面から見ても問題のある廃棄物ですので、到底、建設資材には使用できるとは思えません。↑

■大同特殊鋼由来のスラグは、「鉱さい」と呼ばれる産業廃棄物であり、不法投棄されていれば撤去すべきものであることは言うまでもありません。しかも、その危険物質を含有する性状から、「特別管理産業廃棄物」として処理しなければならないものであります。したがって、道路や学校、公園、ソーラー発電所等に不法に投棄されたスラグは、直ちに撤去する必要があるのです。以下、順次、その理由を説明してまいります。

◎群馬県廃棄物リサイクル課は大同特殊鋼由来のスラグを廃棄物と認定しています。
http://www.pref.gunma.jp/houdou/e1700084.html

 その理由として、群馬県の同課は次の通り説明しています。
「(7)ふっ素の土壌環境基準等が設定されて以降、大同特殊鋼(株)渋川工場から製鋼過程の副産物として排出された鉄鋼スラグは、土壌と接する方法で使用した場合、ふっ素による土壌汚染の可能性があり、また、平成14年4月から平成26年1月までの間、関係者の間で逆有償取引等が行われていたことなどから、当該スラグは、その物の性状、排出の状況、通常の取扱い形態、取引価値の有無及び占有者の意思等を総合的に勘案し、廃棄物と認定される。」

 しかも、「土壌と接する方法で使用した場合、ふっ素による土壌汚染の可能性があり」と指摘し、その有毒性に触れています。土壌が汚染されることは、生活環境保全上支障があることを意味するからです。

 群馬県廃棄物リサイクル課が大同特殊鋼由来のスラグの有毒性に触れていることから、「特別管理産業廃棄物」としての基準値(鉱さいの環境基準値)が問題となってきます。

◎廃棄物処理法を簡単に見ていくと、まず目的を示し、考えを整理しています。

(目的)
第一条  この法律は、廃棄物の排出を抑制し、及び廃棄物の適正な分別、保管、収集、運搬、再生、処分等の処理をし、並びに生活環境を清潔にすることにより、生活環境の保全及び公衆衛生の向上を図ることを目的とする
というように、生活環境の保全を目的にしている。

■次に、特別管理産業廃棄物の基準を考えるにあたり、定義を見てみましょう。

(定義)
第二条
5  この法律において「特別管理産業廃棄物」とは、産業廃棄物のうち、爆発性、毒性、感染性その他の人の健康又は生活環境に係る被害を生ずるおそれがある性状を有するものとして政令で定めるものをいう。


 このように、生活環境に係る被害すなわち生活環境の保全を目的として政令で定める基準値が「特別管理産業廃棄物」を定義しているのだな、と、読んで理解することができます。土壌汚染は生活環境にとって重大な支障となることは言うまでもないからです。

■では具体的に、廃棄物処理法施行令では特別管理産業廃棄物をどのように定義しているのでしょうか?

●まず、大同特殊鋼由来のスラグは、群馬県が廃棄物と認定しました。これは前にも述べたとおり、廃棄物処理法施行令第2条第1項8号 の「鉱さい」に分類されます。この、「鉱さい」には、特別管理産業廃棄物が規定されています。

廃棄物処理法施行令第2条の4(特別管理産業廃棄物)
第5項
ホ 第二条第八号に掲げる廃棄物(事業活動に伴つて生じたものに限る。以下「鉱さい」という。)(環境省令で定める基準に適合しないものに限る。)及び当該鉱さいを処分するために処理したもの(環境省令で定める基準に適合しないものに限る。)


 この環境省令として次の二つが挙げられます

① 環境庁告示第46号.
( 改正平成5環告19・平成6環告5・平成6環告25・平成7環告19・平成10環告21・平成13環告16・平成20環告46・平成22環告37・平成26環告44.)⇒末尾資料3参照

② 環境省告示第105号(平成十八年七月二十七日)⇒末尾資料4参照


 これらのどちらも、

ふっ素 検液1Lにつき0.8mg以下であること。

と定められています。

●次に、具体的に環境省令を見ると、環境基準値の明示に関して、次の記載があります。

環境庁告示第46号は、環境基本法(平成5年法律第91号)第16条第1項による土壌の汚染に係る環境上の条件につき、人の健康を保護し、及び生活環境を保全するうえで維持することが望ましい基準(以下「環境基準」という。)並びにその達成期間等は、次のとおりとする。

 上記の通り、別表で土壌環境基準値を示しています。

 「生活環境を保全する上で維持することが望ましい基準」であるので、産業廃棄物処理法の目的(第1条)や特別管理産業廃棄物の定義(第2条)により、廃棄物の性状を判断するにあたっては、この環境省令は遵守すべき法令であることは明らかです。

●また、環境省告示第105号は、石綿含有産業廃棄物を溶融したことにより生じた産業廃棄物(鉱さい)の安定型産業廃棄物の環境基準が示されています。

 これは石綿含有産業廃棄物由来の鉱さいについての環境基準ですが、大同特殊鋼渋川工場から排出される「鉱さい」にも適用されるのは明らかです。⇒末尾資料5 を参照ください

 国土交通省等により、大同特殊鋼由来のスラグが分析調査されましたが、多数の調査箇所でフッ素基準値の0.8mg/Lを超える状態が確認されています。群馬県廃棄物リサイクル課も「土壌と接する方法で使用した場合、ふっ素による土壌汚染の可能性があり」と指摘しています。

 廃棄物処理法施行令第2条の4第5項ホ 及びこの2つの環境省令により、大同特殊鋼由来のスラグは、生活環境に係る被害を生ずるおそれがある性状を有するものとして「特別管理産業廃棄物」として分類されなければなりません。

■それでは、大同特殊鋼グループの違反行為というものは、無許可で有害スラグを細かく破砕した=つまり中間処理をしたこと、そして佐藤建設工業の違反行為は、許可の範囲を超えて有害スラグを収集運搬したことが、それぞれ違反行為として問われているのでしょうか?

 大同特殊鋼由来のスラグは「特別管理産業廃棄物」であるので、たとえ、破砕という中間処理をしても、遮断型最終処分場に埋設処分しなければなりません(廃棄物処理法施行令第6条)。道路や公園、学校、ソーラー発電所等に埋設された状態は完全に廃棄物処理法で定めたルールに違反しているのです。

 廃棄物処理法第16条は「何人も、みだりに廃棄物を捨ててはならない」と不法投棄を禁止していますが、この「みだりに」とは法律用語ではなく、「訳もなく」とか「正当な理由なく」とする記述をよく見かけるので、廃棄物処理法で定めたルールに従わずに「みだりに廃棄物を捨ててはならない」のであり、大同特殊鋼由来のスラグが道路等に埋設された状況は、法令で禁止された不法投棄に該当するものであります。

 大同特殊鋼は不法投棄を目的として特別管理産業廃棄物を細かく砕き、佐藤建設工業に不法投棄を指示しました。佐藤建設工業は不法投棄の実行犯です。どちらも違法行為者なのです。当然、不法投棄の状況を原状復旧するための費用は原因者である違法行為者に負担させなくてはなりません。

■廃棄物処理法では第19条の5 で不法投棄の場合に措置命令を規定しています。

(前略)・・・産業廃棄物処理基準又は産業廃棄物保管基準(特別管理産業廃棄物にあつては、特別管理産業廃棄物処理基準又は特別管理産業廃棄物保管基準)に適合しない産業廃棄物の保管、収集、運搬又は処分が行われた場合において、生活環境の保全上支障が生じ、又は生ずるおそれがあると認められるときは、都道府県知事(第十九条の三第三号に掲げる場合及び当該保管、収集、運搬又は処分を行つた者が当該産業廃棄物を輸入した者(その者の委託により収集、運搬又は処分を行つた者を含む。)である場合にあつては、環境大臣又は都道府県知事。次条及び第十九条の八において同じ。)は、必要な限度において、次に掲げる者(次条及び第十九条の八において「処分者等」という。)に対し、期限を定めて、その支障の除去等の措置を講ずべきことを命ずることができる。

 上記の規定から、青字の部分だけ抜き出してみましょう。

産業廃棄物処理基準に適合しない産業廃棄物の保管、収集、運搬又は処分が行われた場合において、生活環境の保全上支障が生じ、又は生ずるおそれがあると認められるときは、都道府県知事は、その支障の除去等の措置を講ずべきことを命ずることができる。

 以上のように読むことができます。

 この場合、「命ずることができる」とは、命じても命じなくてもどちらも選択することができるという意味ではなく、群馬県知事には「命じる」権限があることを意味しています。権限の裏側には責任を伴うため、必然的に、都道府県知事は産業廃棄物処理基準に適合しない処分が行われた場合に措置命令を出さなければなりません。

 措置命令は都道府県知事の権限に属する事務であるが(廃棄物処理法19条の5第1項、19条の8第2項)、前橋市長は法令(廃棄物処理法24条の2第1項、同法施行令27条、地方自治法252条の22第1項及び同項の中核市の指定に関する政令)により、上記事務をすることができるとされています。

 前橋市長は直ちに躊躇なく措置命令を出さなければなりません。なぜなら、こうしてダラダラしている間にも有害スラグの砂ホコリが、今日もまた住民を襲い続け、土壌汚染が進行しているのですから。

 前橋市長が出すべき措置命令。それは、廃棄物処理法に基づく有害スラグの撤去命令であり、撤去後、地下の土壌の分析調査を行い、汚染土壌の撤去等、土壌汚染対策法所定の必要な措置も命令しなければならないことは言うまでもありません。

■幸い、私たち県都前橋市は、次のように宣言しています。ここで確認の意味も込めて、復唱したいと思います。はじめは水と緑の健康都市宣言です。

<水と緑の健康都市宣言>
私たちのまち前橋は「水と緑と詩のまち」とうたわれているように、利根川、広瀬川をはじめ美しい流れと緑豊かな自然に恵まれ、多くの詩人たちを育んできました。
私たちは、前橋を誇りとし、健康で快適な都市に発展させ、すばらしいふるさとを次代に引き継ぐため力を合わせていかなければなりません。
このため、私たち前橋市民は、水と緑を守り、文化を大切にし、市民が健康で幸せな生活ができる活力ある都市の建設にまい進することを誓い、前橋を「水と緑の健康都市」とすることを宣言します。平成元年3月27日 前橋市議会

 素晴らしい英訳文もあります。これも復唱してみましょう。
________________________________________
The clear waters of the Tone and Hirose Rivers have blessed Maebashi with an abundance of natural resources and a deep poetic tradition. We are proud of Maebashi’s having developed as a healthy, comfortable and wonderful hometown, and we want to do our best to keep it this way for future generations. Therefore, we hereby declare Maebashi to be "A Healthy City of Water and Greenery."
March 27,1989. Municipal Assembly

 次は環境都市宣言です。

<環境都市宣言>
私たちのまち前橋は、雄大な赤城山を背景に利根川、広瀬川などの美しい流れと緑豊かな自然に恵まれています。
この環境を楽しみ、守り、育て、将来の世代に引き継いでいくことは、私たちに与えられた権利であり、責任でもあります。
私たちは、恵み豊かな環境を守り、より良い環境を築き、人と自然が共生する環境・文化都市を創造するため、次のことを宣言します。
1 環境を汚すことのない、まちづくりを進めます。
1 動物や植物と身近にふれあえるよう、地域の自然を守ります。
1 美しい川の流れや木々の緑などをいかして、住みよいまちをつくります。
1 地球にやさしい環境づくりを、私たちの家庭・地域から始めます。
1 みんなで良い環境を守り、つくる活動に参加します。
平成16年7月29日議決

 これにはまだ英訳文がつけられていないようですので、請求人のつたない英語力で英文にしてみました。

Declaration for Environmental City of Maebashi
Our town Maebashi is blessed with nature of beautiful green and flow, having a great landscape of the Tone River, Hirose River, etc., as well as against the background of majestic Mount Akagi. It is a right and responsibility for us to enjoy, protect, nurture this environment, and pass it on to the future generations.
We will declare the following things, in order to protect this blessings rich environment, build a better environment, and create the environment and cultural city where people and nature are in harmony;
- We proceed with the town development not to pollute the environment.
- We protect the nature of the region, to be able to close in contact with the animals and plants.
- We will make a good living city, by taking advantage of our beautiful rivers and trees of green, etc.
- We start the earth-friendly environmental creation from our homes and regions.
- We participate in activities to protect and make the good environment with everyone.
2004 July 29, voted by the Maebashi City Council

■このように、私たちの県都前橋市は、先人のかたがたにより環境面では極めて先進的な取り組みを行ってきました。私たちの後世の安心・安全のためにも、いまわしい特別管理産業廃棄物の大同有毒スラグは全て撤去しなければなりません。これは今を生きる私たち世代の責務でもあります。

 なお、陳述中に引用した参考資料は、この書面の末尾の別紙に掲載してありますので、参考にしてください。

 ご清聴ありがとうございました。以上で、請求人からの陳述を終えます。

別紙:
参考資料1 鉄鋼スラグを含む材料の対応方針(案)
参考資料2 廃棄物の処理及び清掃に関する法律
参考資料3 大同特殊鋼由来のスラグは鉱さいに分類されます
参考資料4 環境政令・環境庁告示第46号
参考資料5 石綿含有産業廃棄物を溶融したことにより生じた産業廃棄物(鉱さい)の安定型産業廃棄物の環境基準
参考資料6 前橋市HP

別紙 参考資料1
鉄鋼スラグを含む材料の対応方針(案)
http://www.pref.gunma.jp/06/h8000260.html#gidai1

基本方針

1.鉄鋼スラグを含む材料が環境基準値を超過している施工箇所の対策
•管理者において将来にわたり管理できない施工箇所等については撤去を行う。
•前記以外の箇所については、県環境部局の助言を得ながら表面被覆等を行う。

2.鉄鋼スラグを含む材料が環境基準値を満足している施工箇所の対策
•これまでの調査の結果、直ちに撤去等が必要となるところはない。
•環境基準値を満足しているものの、スラグへの経口・接触リスクが高いと考えられる小・中学校等の箇所については、県環境部局の助言を得ながら必要に応じて鉄鋼スラグを含む材料が表面に出ている施工箇所の表面被覆等を行う。

3.鉄鋼スラグを含む材料を存置する場合の対応
•存置する工事の施工箇所については、県環境部局がリスト化し地下水の常時監視等を通じて、引き続き、環境への影響等について監視を行う。
•公共工事事業者としても、存置する施工箇所については、将来、修繕工事や占用工事等で該当箇所を掘削する場合は、県環境部局の助言を得ながら廃棄物処理法等の関係法令への適用状況を踏まえ適切に対応していく。

※ここでいう「鉄鋼スラグ」とは、大同特殊鋼(株)渋川工場から出荷されたもの。

別紙 参考資料2
廃棄物の処理及び清掃に関する法律
(目的)
第一条  この法律は、廃棄物の排出を抑制し、及び廃棄物の適正な分別、保管、収集、運搬、再生、処分等の処理をし、並びに生活環境を清潔にすることにより、生活環境の保全及び公衆衛生の向上を図ることを目的とする。
(定義)
第二条  この法律において「廃棄物」とは、ごみ、粗大ごみ、燃え殻、汚泥、ふん尿、廃油、廃酸、廃アルカリ、動物の死体その他の汚物又は不要物であつて、固形状又は液状のもの(放射性物質及びこれによつて汚染された物を除く。)をいう。
2  この法律において「一般廃棄物」とは、産業廃棄物以外の廃棄物をいう。
3  この法律において「特別管理一般廃棄物」とは、一般廃棄物のうち、爆発性、毒性、感染性その他の人の健康又は生活環境に係る被害を生ずるおそれがある性状を有するものとして政令で定めるものをいう。
4  この法律において「産業廃棄物」とは、次に掲げる廃棄物をいう。
一  事業活動に伴つて生じた廃棄物のうち、燃え殻、汚泥、廃油、廃酸、廃アルカリ、廃プラスチック類その他政令で定める廃棄物
二  輸入された廃棄物(前号に掲げる廃棄物、船舶及び航空機の航行に伴い生ずる廃棄物(政令で定めるものに限る。第十五条の四の五第一項において「航行廃棄物」という。)並びに本邦に入国する者が携帯する廃棄物(政令で定めるものに限る。同項において「携帯廃棄物」という。)を除く。)
5  この法律において「特別管理産業廃棄物」とは、産業廃棄物のうち、爆発性、毒性、感染性その他の人の健康又は生活環境に係る被害を生ずるおそれがある性状を有するものとして政令で定めるものをいう。

別紙 参考資料3
大同特殊鋼由来のスラグは鉱さいに分類されます
廃棄物の処理及び清掃に関する法律施行令
(産業廃棄物)
第二条  法第二条第四項第一号 の政令で定める廃棄物は、次のとおりとする。
一  紙くず(建設業に係るもの(工作物の新築、改築又は除去に伴つて生じたものに限る。)、パルプ、紙又は紙加工品の製造業、新聞業(新聞巻取紙を使用して印刷発行を行うものに限る。)、出版業(印刷出版を行うものに限る。)、製本業及び印刷物加工業に係るもの並びにポリ塩化ビフェニルが塗布され、又は染み込んだものに限る。)
二  木くず(建設業に係るもの(工作物の新築、改築又は除去に伴つて生じたものに限る。)、木材又は木製品の製造業(家具の製造業を含む。)、パルプ製造業、輸入木材の卸売業及び物品賃貸業に係るもの、貨物の流通のために使用したパレット(パレットへの貨物の積付けのために使用したこん包用の木材を含む。)に係るもの並びにポリ塩化ビフェニルが染み込んだものに限る。)
三  繊維くず(建設業に係るもの(工作物の新築、改築又は除去に伴つて生じたものに限る。)、繊維工業(衣服その他の繊維製品製造業を除く。)に係るもの及びポリ塩化ビフェニルが染み込んだものに限る。)
四  食料品製造業、医薬品製造業又は香料製造業において原料として使用した動物又は植物に係る固形状の不要物
四の二  と畜場法 (昭和二十八年法律第百十四号)第三条第二項 に規定すると畜場においてとさつし、又は解体した同条第一項 に規定する獣畜及び食鳥処理の事業の規制及び食鳥検査に関する法律 (平成二年法律第七十号)第二条第六号 に規定する食鳥処理場において食鳥処理をした同条第一号 に規定する食鳥に係る固形状の不要物
五  ゴムくず
六  金属くず
七  ガラスくず、コンクリートくず(工作物の新築、改築又は除去に伴つて生じたものを除く。)及び陶磁器くず

八  鉱さい

九  工作物の新築、改築又は除去に伴つて生じたコンクリートの破片その他これに類する不要物
十  動物のふん尿(畜産農業に係るものに限る。)
十一  動物の死体(畜産農業に係るものに限る。)
十二  大気汚染防止法 (昭和四十三年法律第九十七号)第二条第二項 に規定するばい煙発生施設、ダイオキシン類対策特別措置法第二条第二項 に規定する特定施設(ダイオキシン類(同条第一項 に規定するダイオキシン類をいう。以下同じ。)を発生し、及び大気中に排出するものに限る。)又は次に掲げる廃棄物の焼却施設において発生するばいじんであつて、集じん施設によつて集められたもの
イ 燃え殻(事業活動に伴つて生じたものに限る。第二条の四第七号及び第十号、第三条第三号ヲ並びに別表第一を除き、以下同じ。)
ロ 汚泥(事業活動に伴つて生じたものに限る。第二条の四第五号ロ(1)、第八号及び第十一号、第三条第二号ホ及び第三号ヘ並びに別表第一を除き、以下同じ。)
ハ 廃油(事業活動に伴つて生じたものに限る。第二十四条第二号ハ及び別表第五を除き、以下同じ。)
ニ 廃酸(事業活動に伴つて生じたものに限る。第二十四条第二号ハを除き、以下同じ。)
ホ 廃アルカリ(事業活動に伴つて生じたものに限る。第二十四条第二号ハを除き、以下同じ。)
ヘ 廃プラスチック類(事業活動に伴つて生じたものに限る。第二条の四第五号ロ(5)を除き、以下同じ。)
ト 前各号に掲げる廃棄物(第一号から第三号まで及び第五号から第九号までに掲げる廃棄物にあつては、事業活動に伴つて生じたものに限る。)
十三  燃え殻、汚泥、廃油、廃酸、廃アルカリ、廃プラスチック類、前各号に掲げる廃棄物(第一号から第三号まで、第五号から第九号まで及び前号に掲げる廃棄物にあつては、事業活動に伴つて生じたものに限る。)又は法第二条第四項第二号 に掲げる廃棄物を処分するために処理したものであつて、これらの廃棄物に該当しないもの

別紙 参考資料4
環境政令・環境庁告示第46号
http://www.env.go.jp/kijun/dojou.html
http://www.env.go.jp/kijun/dt1.html
平成3年8月23日
                              環境庁告示第46号.

 改正平成5環告19・平成6環告5・平成6環告25・平成7環告19・平成10環告21・平成13環告16・平成20環告46・平成22環告37・平成26環告44.

 公害対策基本法(昭和42年法律第132号)第9条の規定に基づく土壌の汚染に係る環境基準について次のとおり告示する。

 環境基本法(平成5年法律第91号)第16条第1項による土壌の汚染に係る環境上の条件につき、人の健康を保護し、及び生活環境を保全するうえで維持することが望ましい基準(以下「環境基準」という。)並びにその達成期間等は、次のとおりとする。

第1 環境基準

1 環境基準は、別表の項目の欄に掲げる項目ごとに、同表の環境上の条件の欄に掲げるとおりとする。
2 1の環境基準は、別表の項目の欄に掲げる項目ごとに、当該項目に係る土壌の汚染の状況を的確に把握することができると認められる場所において、同表の測定方法の欄に掲げる方法により測定した場合における測定値によるものとする。
3 1の環境基準は、汚染がもっぱら自然的原因によることが明らかであると認められる場所及び原材料の堆積場、廃棄物の埋立地その他の別表の項目の欄に掲げる項目に係る物質の利用又は処分を目的として現にこれらを集積している施設に係る土壌については、適用しない。

土壌環境基準 別表

ふっ素 検液1Lにつき0.8mg以下であること。

規格34.1若しくは34.4に定める方法又は規格34.1c)(注(6)第3文を除く。)に定める方法(懸濁物質及びイオンクロマトグラフ法で妨害となる物質が共存しない場合にあっては、これを省略することができる。)及び昭和46年12月環境庁告示第59号付表6に掲げる方法

別紙 参考資料5
石綿含有産業廃棄物を溶融したことにより生じた産業廃棄物(鉱さい)の安定型産業廃棄物の環境基準が示されています。石綿含有産業廃棄物由来の鉱さいについての環境基準ですが、大同特殊鋼渋川工場から排出される「鉱さい」にも適用されるのは明らかです。
http://www.env.go.jp/hourei/add/k023.pdf

 この環境省令以後の、大同特殊鋼渋川工場から排出され、道路や学校に埋設処分されたスラグは遮断型最終処分場以外の場所に投棄した、不法投棄に当たるという事ができます。群馬県中に広く有害スラグをばら撒いた佐藤建設工業は不法投棄の実行犯となることでしょう。

○廃棄物の処理及び清掃に関する法律施行令第六条第一項第三号イ(6)に掲げる安定型 産業廃棄物として環境大臣が指定する産業廃棄物
                     (平成十八年七月二十七日環境省告示第百五号)
 廃棄物の処理及び清掃に関する法律施行令(昭和四十六年政令第三百号)第六条第一項第三号イ(6)の規定に基づき、廃棄物の処理及び清掃に関する法律施行令第六条第一項第三号イ(6)に掲げる安定型産業廃棄物として環境大臣が指定する産業廃棄物を次のように定め、平成十八年十月一日から適用する。
   廃棄物の処理及び清掃に関する法律施行令第六条第一項第三号イ(6)に掲げる安定型産業廃棄物として環境大臣が指定する産業廃棄物
 廃棄物の処理及び清掃に関する法律施行令(昭和四十六年政令第三百号。以下「令」という。)第六条第一項第三号イ(6)に規定する環境大臣が指定する産業廃棄物は、次に掲げる産業廃棄物(鉱さいであるものに限る。)であって、当該産業廃棄物に含まれる別表の第一欄に掲げる物質ごとに同表の第二欄に掲げる基準に適合するものとする。

―省略―
別表 第一欄 第二欄 第三欄

六価クロム 規格六十五・二に定める方法
合物 〇・〇五ミリグラム以下であること。
ふっ素又はその化合物
検液一リットルにつきふっ素〇・八ミ リグラム以下であること。


―後省略―
**********

■陳述の後、赤川監査委員から次の質問が請求人に対して出されました。

「請求書を見さしていただくと、陳述の内容と重複するところもあるかもしれないが、確認の意味で質問させていただく。最後の4ページで、スラグ、このスラグを存置するということは、公有財産を破壊し、住民の生活環境の保全上重大な支障をきたすという記載があるが、具体的にどういうことがあるのか」

 これに対して、請求人からは、公有財産を壊すということは、有毒物質を含んだ大同スラグはエージングが不十分なため、雨水を含んだりすると膨張する。そのため、擁壁の裏込め材として上部国道などで大量に使用されているため、擁壁がずれたり、ひびが入ったり、オーバーハングしたりしており、既に破壊が進んでいること、さらに道路の路盤材で敷きこまれた現場では、舗装面が凸凹になり、いくら補修をしてもスラグの膨張により舗装が破壊されたりしている現場が多数あることを説明しました。

 また、住民の生活環境の保全上重大な支障をきたす点については、保育園や小中学校の駐車場をはじめ、有毒物質を含んだスラグが地表に露出している場合、誇りとして細かいチリになって子ども達の呼吸器官に入り込んだり、直接手で触ると皮膚を損傷させたりする恐れが強いことを説明しました。

 さらに、有毒物質は雨水に溶け出しやすく、有毒スラグから染み出る有毒物質が、周囲の土壌や地下水を汚染する恐れが強いことが挙げられると説明しました。

■陳述時間と質疑応答時間を入れるとおよそ1時間に及びました。このあと、午前11時から前橋市役所の関係職員らによる陳述が行われ、当会の代表が立会人として出席しました。その模様は、このあと続けて報告します。

【市民オンブズマン群馬事務局からの報告・この項続く】

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