■アカハラ事件とそれに続く寮生連続不審死事件に翻弄されている群馬高専ですが、従前の予告通り、市民オンブズマン群馬では、7月15日(金)午後4時半から代表と事務局長の2名で群馬高専を訪れ、学校側から総務課の桜井課長と六本木課長補佐のお二人と45分にわたる協議を行いました。残念ながら今回も西尾校長は当会との協議について「トラブルを避けるため」として、出席してもらえませんでした。
↑7月15日午後4時22分ごろの群馬高専。↑
午後4時20分ごろ群馬高専の校門を入り、来客用の駐車場に車を停めて、正面玄関から事務棟に入りました。今回は、先週の学校側の脅しの張り紙効果のためか、ロビーには学生が10人ほど歓談しているのみでしたが、一方学校側の職員の監視や出迎えもなく、スムースに2階の総務課を訪れることができました。
もっとも、正面玄関まで歩く間に、事務棟の2階の窓のカーテン越しに、総務課の職員がこちらを見ていたのはわかりました。
4時30分に支障なく総務課のドアを開けて面談のための来訪を告げると、桜井課長と六本木課長補佐が、今や遅しの風情で、すでに椅子から腰を浮かしているところでした。
↑群馬高専2階配置図。会議室Bは左上に見える。↑
↑学生相談室かと思ったら「学習相談室」だった。↑
■今回も桜井課長と六本木課長補佐の2名が当方の対応をしました。会議は先週と同じ会議室Bで、会議時間は約45分でした。口頭で、当会が昨日送ってあったFAXによる質問に対して、桜井課長から概ね次の説明がありました。
↑学生ホールに掲示されている平成28年度授業時間割(前期)。↑
① 平成27年度のすべての学期の時間割(担当教職員氏名含む)⇒【桜井課長からの回答】学校のHPに掲載中。H28年度も掲載してある。
② 寮および寮生の管理に関わる次の規則集
群馬高専学寮規則、群馬高専寮生会規約、群馬高専寮生準則、校務分掌一覧
⇒【回答】現在、オンブズマンからの法人文書開示請求について機構で対応している。その中で対応することになる。
③ 教育的休寮措置など、学生へのペナルティーにかかる制度とその適用条件 ⇒【回答】現在説明しているとおり。上記の学寮規則の開示手続にも関連する。
④ 7月8日に貴学内の教室等に張り出されたという張り紙の目的 ⇒【回答】書いてある内容のとおり。
⑤ 寮の運営体制(なお、寮のパブリックスペースの視察を希望)⇒【回答】寮生のプライバシー保護の観点から、寮の建物内のパブリックスペースを含めて外部者は一切立入不許可としている。建物外でも、寮の建物ある敷地内は立入禁止。寮と寮との間の舗装歩道も外部者は立ち入れない。駐車場から事務棟、学習棟などへの外来者の移動は既定のルート以外、使えないことになっている。
上記の通り、今回の訪問では、当会として、寮に関する件を主体に協議をするつもりでした。
とくに疑問に思っていた件について、冒頭から桜井課長と六本木課長補佐に質問しました。
当会から、「寮関係者からのヒヤリングによると、2年ほど前までの時点では休寮あけの寮生に対しては、朝9時から(実際には寮事務員が出勤する8時半には)部屋のキーを渡していたらしいが、なぜ今年1月の寮生死亡事件の場合には午後5時までキーを渡さなかったのか?」と質問しました。それに対して、今年4月に他の高専から赴任したばかりの桜井課長はともかく、古参の六本木課長補佐も、寮のことになるとさっぱりわからない様子で、当会の上記の質問に対しても、顔を見合わせるだけでした。
「寮の規則では明記されていないようだが、やはり内部の決まりが何かあるのではないか?調べてほしい」と要求したところ、桜井課長が六本木課長に、しらべるように促しました。そして数分ほどして戻ってきた六本木課長補佐から「まちがいなく午前9時にキーは渡していることが分かった」と確認結果の説明がありました。
このため、いったいなぜ1月の時点で、午後5時という遅い時間まで寮の部屋のキーを寮生に渡さなかったのか、その理由を追及したところ、学校側は「引き続き調べる」ということでその場は了承しました。
この他、寮の規則や運営状況について、学校側(といっても西尾校長ではなく総務課長と課長補佐)にいろいろ質問しましたが、寮の実態についてはあまり把握していない様子でした。それでも、飲酒の問題については、成人と非成人が入り混じっている状況もあり、指導が難しいこと、ゲーム禁止については、いわゆるゲーム機はともかく、スマホ内内蔵のアプリなどを使ったゲームまでは指導が難しいことなど、通り一遍の話題については、総務課らしい一般的な回答がありました。
桜井課長は、4月にここに来る前には、別の高専に赴任していた様子で、自殺する学生の割合が高専の場合、比較的多いという傾向も含めて、飲酒などの問題は、どの高専でも共通しているという見解を示しました。
■約45分間の協議を終えて、総務課の前の廊下を歩いて行くと、校長室の前を通りがかりました。なにやら、衝立でよく見えませんでしたが、半開きのドア越しに、部屋の中で声がするので、立ち止まってきくとどうやら誰かが誰かと話をしている様子でした。
↑突入寸前の校長室。↑
前回、校長は「トラブルを避ける」という名目で学内から“脱出”していたことから、今回も、当会が学校に来ることは校長も十分承知していたでしょうから、まさか校長室にはいるはずがないだろう、と思い、一旦、下に降りる階段まできました。
しかし、もし校長が在室しているとすれば、我々に対しては対応しないと言っておきながら、前回は学校内から立ち去ったという校長が、今回はなぜ平然と校長室で通常通り執務をすることができるのか、これはきちんと校長の有無を確認し、在室していた場合には、校長と面会しておく必要があると考えて、再び校長室の方に向かいました。すると、廊下の向こうから総務課の課長と課長補佐の両名が書類を携えて校長室にやってくるところでした。
おそらく本日のオンブズマンとの協議の結果を校長に報告しようというつもりのようです。
そこで当会は、半開きの入口ドアから「オンブズマンですが、お目にかかります」と名乗るや否や、後ろで声をあげかかっていた総務課長らを尻目に校長室に先に入りました。すると、以前、2月初めに3件目の寮生不審死事件の後の、保護者説明会で会場から排除された時に見た人物の姿がそこにありました。間違いなく西尾校長です。
西尾校長は驚いた様子を見せましたが、あまり取り乱しては、ちょうどなにかを打ち合わせていた学校職員と思しき人物の手前、都合がわるいのか、あるいは覚悟を決めたのか、挨拶に応じました。
当会から西尾校長に、「これからこの問題については徹底追及するので、ぜひ協力願いたい」と申し入れて、退室しましたが、オンブズマンの要請を無視し、アカハラと寮生死亡事件についての説明責任をはたさないまま、こうして平然といられることに、西尾校長が自らの保身によほどの自信を持っている様子がうかがえました。
そしてその後、事務棟の玄関を出ると、そとで待機していたマスコミの記者に今回の協議のあらましを報告しました。
■こうして当会は、2回目の高専訪問を終えて引き揚げました。ところが、なんとその日の夜8時すぎに、六本木課長補佐から当会の事務局長に電話があり「入寮時間は確かに9時だったのだが、昨年の夏休み、すなわち7月から17時に変更されたそうなので、間違ったことを伝えてしまった。訂正させてほしい」という電話がありました。
我々との面談時には、「ぜったいに9時に間違いない」と言っていたのに、この遅い時間にわざわざ午後7時が正しかった、と連絡してきたところを見ると、可能性としては校長への報告で、なにか指示があり、それに基づき、躊躇した挙句、夜遅く電話をしてきたものと想像せざるをえません。このことについては、さらに調査が必要と思われます。
■ところで、学校側との協議の最後に、総務課の二人から次の報告がありました。
それによると、機構から7月15日付でオンブズマンからの法人文書開示請求に対する通知を出した、という連絡が群馬高専にあったのだそうです。
六本木課長補佐の話では、「今日付けで本部(全国高専機構のこと)が(通知を)出したと言っている。郵送でうち(群馬高専)に一旦送られてくる。だから、(連休明けの)19日にこちらに開示決定通知が届くと思う。そのあと、開示情報の通知書というものを我々(総務課)で一緒に入れ替えて。その日のうちに窓口を通して、オンブズマンあてに発送手続きをとる。それに基づいて、どういうふうな開示を希望するのか、という通知書をこちらに出してもらえれば、出してもらった日から3日後以降というかたちにはなるが、今回の開示の手続が完了することになる」そうです。
つまり、7月19日に機構からの通知が群馬高専に届くだろうから、オンブズマンに対して群馬高専が機構からの開示に係る通知と一緒に、開示日時などについての通知を一緒に同封したものを即日送るので、それが付いたら開示希望日を連絡してもらい、7月の最終週にでも開示が可能になる見込みのようです。
■決して予断は許されませんが、以前のように存否を明らかにしないままの全面不開示といった異常な事態は回避されるかもしれません。しかし、油断は禁物です。いかに具体的な情報まで開示に踏み込めるか、今や全国的にその動向が注目される中、群馬高専と機構の開示に対する判断の行方を見守りたいと思います。
↑群馬高専正門。↑
↑道路に面した群馬高専の校名表示板。↑
【市民オンブズマン群馬事務局からの報告】
↑7月15日午後4時22分ごろの群馬高専。↑
午後4時20分ごろ群馬高専の校門を入り、来客用の駐車場に車を停めて、正面玄関から事務棟に入りました。今回は、先週の学校側の脅しの張り紙効果のためか、ロビーには学生が10人ほど歓談しているのみでしたが、一方学校側の職員の監視や出迎えもなく、スムースに2階の総務課を訪れることができました。
もっとも、正面玄関まで歩く間に、事務棟の2階の窓のカーテン越しに、総務課の職員がこちらを見ていたのはわかりました。
4時30分に支障なく総務課のドアを開けて面談のための来訪を告げると、桜井課長と六本木課長補佐が、今や遅しの風情で、すでに椅子から腰を浮かしているところでした。
↑群馬高専2階配置図。会議室Bは左上に見える。↑
↑学生相談室かと思ったら「学習相談室」だった。↑
■今回も桜井課長と六本木課長補佐の2名が当方の対応をしました。会議は先週と同じ会議室Bで、会議時間は約45分でした。口頭で、当会が昨日送ってあったFAXによる質問に対して、桜井課長から概ね次の説明がありました。
↑学生ホールに掲示されている平成28年度授業時間割(前期)。↑
① 平成27年度のすべての学期の時間割(担当教職員氏名含む)⇒【桜井課長からの回答】学校のHPに掲載中。H28年度も掲載してある。
② 寮および寮生の管理に関わる次の規則集
群馬高専学寮規則、群馬高専寮生会規約、群馬高専寮生準則、校務分掌一覧
⇒【回答】現在、オンブズマンからの法人文書開示請求について機構で対応している。その中で対応することになる。
③ 教育的休寮措置など、学生へのペナルティーにかかる制度とその適用条件 ⇒【回答】現在説明しているとおり。上記の学寮規則の開示手続にも関連する。
④ 7月8日に貴学内の教室等に張り出されたという張り紙の目的 ⇒【回答】書いてある内容のとおり。
⑤ 寮の運営体制(なお、寮のパブリックスペースの視察を希望)⇒【回答】寮生のプライバシー保護の観点から、寮の建物内のパブリックスペースを含めて外部者は一切立入不許可としている。建物外でも、寮の建物ある敷地内は立入禁止。寮と寮との間の舗装歩道も外部者は立ち入れない。駐車場から事務棟、学習棟などへの外来者の移動は既定のルート以外、使えないことになっている。
上記の通り、今回の訪問では、当会として、寮に関する件を主体に協議をするつもりでした。
とくに疑問に思っていた件について、冒頭から桜井課長と六本木課長補佐に質問しました。
当会から、「寮関係者からのヒヤリングによると、2年ほど前までの時点では休寮あけの寮生に対しては、朝9時から(実際には寮事務員が出勤する8時半には)部屋のキーを渡していたらしいが、なぜ今年1月の寮生死亡事件の場合には午後5時までキーを渡さなかったのか?」と質問しました。それに対して、今年4月に他の高専から赴任したばかりの桜井課長はともかく、古参の六本木課長補佐も、寮のことになるとさっぱりわからない様子で、当会の上記の質問に対しても、顔を見合わせるだけでした。
「寮の規則では明記されていないようだが、やはり内部の決まりが何かあるのではないか?調べてほしい」と要求したところ、桜井課長が六本木課長に、しらべるように促しました。そして数分ほどして戻ってきた六本木課長補佐から「まちがいなく午前9時にキーは渡していることが分かった」と確認結果の説明がありました。
このため、いったいなぜ1月の時点で、午後5時という遅い時間まで寮の部屋のキーを寮生に渡さなかったのか、その理由を追及したところ、学校側は「引き続き調べる」ということでその場は了承しました。
この他、寮の規則や運営状況について、学校側(といっても西尾校長ではなく総務課長と課長補佐)にいろいろ質問しましたが、寮の実態についてはあまり把握していない様子でした。それでも、飲酒の問題については、成人と非成人が入り混じっている状況もあり、指導が難しいこと、ゲーム禁止については、いわゆるゲーム機はともかく、スマホ内内蔵のアプリなどを使ったゲームまでは指導が難しいことなど、通り一遍の話題については、総務課らしい一般的な回答がありました。
桜井課長は、4月にここに来る前には、別の高専に赴任していた様子で、自殺する学生の割合が高専の場合、比較的多いという傾向も含めて、飲酒などの問題は、どの高専でも共通しているという見解を示しました。
■約45分間の協議を終えて、総務課の前の廊下を歩いて行くと、校長室の前を通りがかりました。なにやら、衝立でよく見えませんでしたが、半開きのドア越しに、部屋の中で声がするので、立ち止まってきくとどうやら誰かが誰かと話をしている様子でした。
↑突入寸前の校長室。↑
前回、校長は「トラブルを避ける」という名目で学内から“脱出”していたことから、今回も、当会が学校に来ることは校長も十分承知していたでしょうから、まさか校長室にはいるはずがないだろう、と思い、一旦、下に降りる階段まできました。
しかし、もし校長が在室しているとすれば、我々に対しては対応しないと言っておきながら、前回は学校内から立ち去ったという校長が、今回はなぜ平然と校長室で通常通り執務をすることができるのか、これはきちんと校長の有無を確認し、在室していた場合には、校長と面会しておく必要があると考えて、再び校長室の方に向かいました。すると、廊下の向こうから総務課の課長と課長補佐の両名が書類を携えて校長室にやってくるところでした。
おそらく本日のオンブズマンとの協議の結果を校長に報告しようというつもりのようです。
そこで当会は、半開きの入口ドアから「オンブズマンですが、お目にかかります」と名乗るや否や、後ろで声をあげかかっていた総務課長らを尻目に校長室に先に入りました。すると、以前、2月初めに3件目の寮生不審死事件の後の、保護者説明会で会場から排除された時に見た人物の姿がそこにありました。間違いなく西尾校長です。
西尾校長は驚いた様子を見せましたが、あまり取り乱しては、ちょうどなにかを打ち合わせていた学校職員と思しき人物の手前、都合がわるいのか、あるいは覚悟を決めたのか、挨拶に応じました。
当会から西尾校長に、「これからこの問題については徹底追及するので、ぜひ協力願いたい」と申し入れて、退室しましたが、オンブズマンの要請を無視し、アカハラと寮生死亡事件についての説明責任をはたさないまま、こうして平然といられることに、西尾校長が自らの保身によほどの自信を持っている様子がうかがえました。
そしてその後、事務棟の玄関を出ると、そとで待機していたマスコミの記者に今回の協議のあらましを報告しました。
■こうして当会は、2回目の高専訪問を終えて引き揚げました。ところが、なんとその日の夜8時すぎに、六本木課長補佐から当会の事務局長に電話があり「入寮時間は確かに9時だったのだが、昨年の夏休み、すなわち7月から17時に変更されたそうなので、間違ったことを伝えてしまった。訂正させてほしい」という電話がありました。
我々との面談時には、「ぜったいに9時に間違いない」と言っていたのに、この遅い時間にわざわざ午後7時が正しかった、と連絡してきたところを見ると、可能性としては校長への報告で、なにか指示があり、それに基づき、躊躇した挙句、夜遅く電話をしてきたものと想像せざるをえません。このことについては、さらに調査が必要と思われます。
■ところで、学校側との協議の最後に、総務課の二人から次の報告がありました。
それによると、機構から7月15日付でオンブズマンからの法人文書開示請求に対する通知を出した、という連絡が群馬高専にあったのだそうです。
六本木課長補佐の話では、「今日付けで本部(全国高専機構のこと)が(通知を)出したと言っている。郵送でうち(群馬高専)に一旦送られてくる。だから、(連休明けの)19日にこちらに開示決定通知が届くと思う。そのあと、開示情報の通知書というものを我々(総務課)で一緒に入れ替えて。その日のうちに窓口を通して、オンブズマンあてに発送手続きをとる。それに基づいて、どういうふうな開示を希望するのか、という通知書をこちらに出してもらえれば、出してもらった日から3日後以降というかたちにはなるが、今回の開示の手続が完了することになる」そうです。
つまり、7月19日に機構からの通知が群馬高専に届くだろうから、オンブズマンに対して群馬高専が機構からの開示に係る通知と一緒に、開示日時などについての通知を一緒に同封したものを即日送るので、それが付いたら開示希望日を連絡してもらい、7月の最終週にでも開示が可能になる見込みのようです。
■決して予断は許されませんが、以前のように存否を明らかにしないままの全面不開示といった異常な事態は回避されるかもしれません。しかし、油断は禁物です。いかに具体的な情報まで開示に踏み込めるか、今や全国的にその動向が注目される中、群馬高専と機構の開示に対する判断の行方を見守りたいと思います。
↑群馬高専正門。↑
↑道路に面した群馬高専の校名表示板。↑
【市民オンブズマン群馬事務局からの報告】