■2015年1月、市民オンブズマン群馬の例会で、建築基準法の定めを無視して、高崎市がデタラメ放題の違法行為を行っているという情報と報告が、高崎市在住の当会会員である情報提供者から寄せられました。同会員は現在、同市を相手取って係争中ですが、その裁判資料の中で、市側が陳述した内容から、二枚舌が浮き彫りになったのです。
前回の平成28年6月21日のブログ記事に引き続き、高崎市のデタラメ建築確認裁判について、同会員から報告がありました。前回の記事は次のブログを参照ください。
○2016年6月21日:
高崎市役所の農地法手続きにおける二重基準体質による“騙し”行政の実態↓
http://pink.ap.teacup.com/ogawaken/2035.html#readmore
■平成28年7月12日、前橋地方裁判所、高崎支部民事B係に於いて、公判前準備手続(実質公判です)が開かれました。次に示すのはその内容「原告の求釈明」についてのものです。
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Ⅰ,原告の求釈明。
被告高崎市側から、平成28年7月12日に行われる公判に向けての準備書面の提出が、平成28年6月28日にありました。
※2016.6.28被告高崎市準備書面3 PDF ⇒nhs3s1.pdf
原告の当会会員は、この公判に先立ち、被告らに、平成28年5月16日付で「求釈明」を求めていました。
※2016.5.16原告求釈明申立書 PDF ⇒nh201605161.pdf
それは、原告から、被告I夫妻・(株)A方に提出されたものでしたが、裁判官から、公判前準備手続きに於いて、指示が出されて被告高崎市(建設部建築指導課)が、「一部答弁する」事になったものです。
ところが、もう一方の被告I夫妻・(株)A方からも、原告の求釈明の残り部分に対して、被告I夫妻・(株)A方からも、何らかの答弁が出る筈なのですが、何故かそれについて何もありません。
答えるべきそれらの事項について、列挙してみると、
1、被告●●●(外2) は、準備書面(4)、2、において、以下のとおり主張している。
「売買契約書では、土地の地番として724番1と724番4が表示されているところ、特記事項記載の通り、被告●●両名が買い受けたのは、
●●●番●の●●●㎡の内348.88㎡ (予定地番●●●番●)と、1.8㎡ (予定地番●●●番●)であり、1.8㎡予定地番●●●番●は、建築基準法の接送要件を満たすため購入したものである」
ここで「1.8㎡予定地番●●●番●は、建築基準法の接送要件を満たすため購入したものである」ということの趣旨を、明らかにされたい。
つまり、被告●●夫妻が●●●番●に建物を建築するに際し、●●●番●の土地を購入することによって、何故接道要件を満たすことになるのか。
2、乙A8号証(土地売買契約書)では、特記事項欄に「尚、1.8㎡予定地番724番1は建築基準法の接道要件を満たすものであり、②724番4と合筆する可能性があります。」との記載があるが、この趣旨を明らかにされたい。
3、乙A8号証では、同じく特記事項欄に「本契約の売買対象面積は別紙添付資料求積図に基づく●●●番●の741㎡の内の348.88㎡予定地番●●●番● 、1.8㎡予定地番●●●番●の実測売買とし売主の責任と負担に負担において本物件引渡しまでに分筆登記を完了させるものとする。」との記載がある。
そこで本件売買契約書添付の資料求積図の提出を求める。
4、被告●●●(外2)は、●●●番●、●の土地を訴外●●・●●●●●●●●から購入するに際し、接道要件については、どのような説明を受けた上で土地を購入することを決めたのか。
5、被告●●●(外2)は、乙A8号証の売買契約書を、建築確認申請に際し、添付資料として被告高崎市に提出したのか否か。
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これで被告I夫妻方、被告(株)A方からの、答弁書及び証拠提出等がなされない事は、二度目です。
被告I夫妻方、被告(株)A方は、「都合が悪くて答えられない」、若しくは「答えるとボロが出る」、つまりダンマリしか出来ないのです。つまり、被告の非を認めている事になります。
裁判官の心証は、一般的に当然に悪いでしょう。図々しいにも程があります。裁判所、裁判官の権威をどの様に考えているのでしょうか。全く理解できません。
■次に示すのは「被告高崎市の二枚舌答弁」についてのものです。
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Ⅱ,被告高崎市の二枚舌答弁。
さて、被告高崎市への、原告質問の趣旨は、「どうして当該地の入り口付近部分の約1㎡の土地を購入すれば、被告I夫妻の接道要件を満たすのか?」と言う単純なものでした。
単純ですが、単純なだけにウソの答弁は難しいのです。
それに対しての被告高崎市の答弁は、全く本末転倒をしていて、前提条件である、当該共有地(他人の土地と同じ扱いです)の権利関係を無視して、「結果的に満たしているからいいんだ」、再び「添付図書は不要」とする暴論を吐きました。
「建築確認申請の時は、提出不要」と再確認されました。
この詳細は、次の「被告高崎市準備書面 3」および、それに反論する「原告準備書面3」+「証拠説明書+甲第8~12号証」をご覧下さい。
※2016.6.28被告高崎市準備書面3 PDF ⇒ nhs3s1.pdf
※2016.7.11原告準備書面3 PDF ⇒ nhr.pdf
※証拠説明書(甲8~12号証)+甲8~12号証 PDF ⇒
nhb812s.pdf
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被告高崎市の主張の趣旨は、接道要件を満たす、つまり「最小幅員2.0m」を満たしているから問題ないのであり、「今回の入り口付近の約1.0㎡の一部分を自己の土地として購入して、その他の土地部分の所有権は、他人の土地でも何でも関係なく、とにかく最小幅員2.0mを満たしているからいいんだ」とするものです。
つまり、購入したからという理由とは、直接結びつかないのです。何故ならば、最小幅員2.0mを満たす為に、無断で他人の土地を使っているからです。他人の土地であっても同じです。被告高崎市の主張は、「土地所有権は関係ない」とするのですから。
■とすると、直ぐに皆様は、「あれっ?!」っとおかしな事に気が付く筈です。そうです、無断で勝手に他人の土地を拝借して、接道要件を満たしても良い、と被告高崎市が認めている事になります。
即ち、被告高崎市は、違法行為に立脚して、接道要件を満たしている事実を知りながら、「建築しても良い」としているのです。
これは、犯罪事実を知りながら、通報義務を怠る公務員法違反(刑訴法239条第2項)にもなります、いや被告高崎市自ら犯罪行為を幇助・指導して、つまり片棒を担いでいる事になります。
違法行為について、一般的にどうしても、「直接の法令違反」を考えるものですが、本来は広く、特に行政機関が関係する違法行為には、根底として次の違反が常に認められます。なお、国家公務員法については、ここでは割愛します。
◆憲法第14条違反(平等原則)。
◆憲法第15条違反(公務員の本質)。
◆地方公務員法第30条違反(服務の根本基準)。
すべて職員は、全体の奉仕者として公共の利益のために勤務し、且つ、職務の遂行に当つては、全力を挙げてこれに専念しなければならない。
◆地方公務員法第32条違反(法令等及び上司の職務上の命令に従う義務)。
すべて職員は、その職務を遂行するに当つて、法令、条例、地方公共団体の規則及び地方公共団体の機関の定める規程に従い、且つ、上司の職務上の命令に忠実に従わなければならない。
◆地方公務員法第33条違反(信用失墜行為の禁止)。
すべて職員は、その職の信用を傷つけ、又は職員の職全体の不名誉となるような行為をしてはならない。
◆刑事訴訟法第二百三十九条(公務員の告発義務)。
1,何人でも、犯罪があると思料するときは、告発をすることができる。
2,官吏又は公吏は、その職務を行うことにより犯罪があると思料するときは、告発をしなければならない。
ところが、言うに事欠いて、こんな愚かな事を平気で主張しているのです。自分で、違法行為をしてしまってはいけませんね。こんな事が、世間で平然とまかり通って良いのでしょうか。
それはまるで、元小泉首相が、イラク派遣の自衛隊部隊についての国会答弁と全く同じ暴論で、『イラクに派遣する自衛隊部隊が行く処が「安全地帯だ」』と言う「逆転理論と全く同じ」なのです。
呆れて開いた口が塞がりません。
人を愚弄するにも程があります。
■そうすると、高崎市に於いて、接道要件を満たさずに建築出来ず困っている市民でも、この理論により、且つ又被告高崎市が公言して認めているのですから、当然に有効となりますので、隣の赤の他人の土地でも何でもかんでも、勝手に無断で使用して建築確認申請してしまえば良いのです。
このやり方について、違法行為と知りつつも高崎市は拒否できません。バレなければ、なお都合が良いのです。という事は、今までも蔭でこそこそやって来た事にもなります。
話は少し逸れますが、近隣で家が古くなったので、建て替えようとした方がいます。被告高崎市に建築確認申請を提出したところ、この接道要件を満たさずに不受理、となったそうです。このため、自宅の建て替えが出来なくなりました。
でも、今現在、自宅が現に建っており、住んで生活しています。どんなマジックが使われたのでしょうか?
そうです。業者が接道要件をゴマカシテ建てたのです。約50年も経っていれば、もうわかりませんね。こんな事、露見しないだけで、あちこちでやっていたのです。今回、調べたからわかったのです。
■これがまかり通れば、市民の皆様に取って、接道問題が簡単に片付いて本当に良かったと思います。
隣人の土地権利者から苦情、文句、はたまた、訴訟を提起、つまり裁判で訴えられても、何ら心配する事はありません。許認可する高崎市のお墨付きが出た訳ですから、大したものです。
蛇足ですが、前回にも報告しました様に、被告高崎市は「土地の所有権や地目を問わない」と明言していますので、ひと様の「畑や田んぼ」に、無断で勝手に建物を建てても、被告高崎市のお墨付きがあるのですから、違法行為であっても、被告高崎市の責任ともなりますね。
■「あれっ?!」っと、もう一つ変な事に気が付かれた方もいると思います。
被告高崎市は、今まで必ず「添付提出させていた」図書に対して、「要らないんだ」と主張しています。原告の当会会員は、つまり被告高崎市から「提出しろ」と提出させられている側であるのに、わざわざ「提出しなければおかしい」と主張しているのです。
そうです、普段の立場が逆転した主張なのです。
通常であれば、どんな申請時でも、被告高崎市側から、「どうしても提出しろ」、申請者側では、「そんなの、出さなくていいじゃないか」となるものです。
逆転したのは、被告高崎市が、
真っ赤なウソ主張した結果に他なりません。元小泉首相の逆転理論と同じに、全く奇妙な現象ではありませんか。
皆様は、それぞれどのように判断されるのでしょうか?
■思い起こせば「ファームドゥ事件」では、被告市は、自ら内規を持ち出してその有効性を認めさせたのに、今度は都合が悪くなると、その内規を無視する、誠に都合の良い
「卑怯で汚いやり方」です。
当会会員の話では、この裁判も終盤に掛かり、あと三回程度と思われる、とのことです。今回は途中報告ですが、引き続き、当会会員から報告があり次第、裁判の進捗状況をご紹介致します。
当オンブズマン活動に対して、引き続き市民の皆様の、ご理解・ご協力・ご声援を心よりお願い致します。
【市民オンブズマン群馬事務局からの報告】