■ついに安中市まで有毒物質を基準以上含有する産業廃棄物が、身近な道路や駐車場や空き地に知らないうちに投棄されていたとしたら、皆さんはどう思われますか?知らぬが仏といいますが、とりわけ幼児や子どもさん、そして若い世代にとっては知らずに済まされてよいはずがありません。ということで、いったいどこにどれくらいの有毒スラグがまき散らされているのか、当会でも粘り強く調査を続けていますが、行政はもとより、肝心の排出者が情報開示に極めて消極的なため、住民の不安は一層募ります。せめて、住民訴訟を通じて、行政を目覚めさせようと、当会では東吾妻町の萩生地区の圃場整備事業にかかる農道への有毒スラグ不法投棄の真相と、責任の所在を明らかにすることで、再発防止の一助としたいと考えております。その観点から、7月8日(金)午前10時30分から前橋地裁2回の21号法廷で開催予定の第5回口頭弁論に向けて、本日午後、被告群馬県が6月23日付で出してきた被告第5準備書面に対する反論をまとめた原告準備書面(9)を提出しました。内容は次の通りです。
*****原告準備書面(9)*****PDF ⇒ i9j2016.7.4r1.pdf
事件番号 平成27年(行ウ)第7号 住民訴訟事件
原告 小 川 賢 外1名
被告 群馬県知事 大澤正明
平成28年7月4日
前橋地方裁判所民事2部合議係 御中
原告準備書面(9)
原告 小 川 賢 ㊞
原告 鈴 木 庸 ㊞
平成28年6月23日付の被告第5準備書面の「第2 原告らの平成28年4月15日付け原告準備書面(6)に対する反論」について、原告として次のとおり再反論する。なお、反論個所をゴシック太字体で表す。
被告第5準備書面でも全般にわたって、被告は,ステージコンストラクション工法について、縷々言い訳をするが、原告らはこれ以上、同じことを繰り返し被告に説明する時間がもったいないので、あえて仔細には触れないでおくことにする。
1 「1 第1に関する【原告の反論】について」の項について
(1)第2段落について
被告は「ア」の項で、「原告らは,『本件農道整備工事契約に使用されたのは,無許可の大同特殊鋼,大同エコメット,佐藤建設工業が製造・出荷していた混合スラグ再生砕石なる代物は,廃棄物処理法で定めた資格のある中間処理業者が製造したものではないから,廃棄物処理法に違反している』と主張する(2頁)。原告らの上記主張は,混合スラグ再生砕石自体が廃棄物処理法に違反しているという趣旨に読めるが,廃棄物処理法違反の有無は大同特殊鋼ら事業者について問題となるものである。」と主張する。
また、被告は「イ」の項で、「原告らは,『そのような違法な資材が,本来使用されてはならない敷砂利として使用されたことは,廃棄物処理法の目的に定めた“廃棄物の適正な分別,保管,収集,運搬,再生,処分等の処理をし,並びに生活環境を清潔にすることにより,生活環境の保全及び公衆衛生の向上を図ることを目的とする”に違反している。』と主張する(2頁)。しかし,原告らが指摘するのは廃棄物処理法1条であるが,これは廃棄物処理法の目的を定めた一般的な規定であり,本件農道整備工事において混合スラグ再生砕石を用いたことは同条には違反しない。」と主張する。
これらに対して原告らは次の通り反論する。
大同特殊鋼が有害スラグ混合砕石を製造していた東吾妻町の中央橋混合所については、平成26年4月22日付で、群馬県廃棄物・リサイクル課の根岸課長名の「廃棄物処理に関する指示書」による指示を、大同特殊鋼、大同エコメット、群馬丸田運輸の大同特殊鋼グループ3社で受けている(甲4・甲5・甲6)。
その指示書には「鉱さいであるスラグの再生処理の受託を中止すること。」とスラグが「鉱さい」という廃棄物であることを認定し、再生処理の受託を中止し、廃棄物の違法処理だったと指摘している。
そして、それを物語るように、中央橋混合所には、大同エコメット板倉所長の名前で「鉱さい」という種類の産業廃棄物保管場所を示す次の看板もかけられていた。
すなわち、群馬県廃棄物・リサイクル課も大同特殊鋼グループ自らも、こぞって鉄鋼スラグを「鉱さい」=「産業廃棄物」と認めているのである。
平成27年9月7日に、群馬県は、大同特殊鋼・大同エコメット・佐藤建設工業を廃棄物処理法委違反で刑事告発したが、その際、群馬県環境部局は大同特殊鋼由来のスラグを廃棄物と認定し、違法に処理されたスラグ混合砕石は、土壌と接する方法で使用すると直下の土壌を汚染する恐れがあると述べている。
東吾妻町萩生地区の本件農道整備工事に使用されたスラグ混合砕石は、「廃棄物処理法施行令第2条の4 第5項 ホ」及び「環境省令・環境庁告示第46号」(甲48号証)に従い、特別管理産業廃棄物として遮断型最終処分場に埋設処分する以外は不適法な処分つまり不法投棄の状態にあることを、とりわけ厳格な遵法精神が求められる公僕である被告は十分に認識しなければならない。
廃棄物処理法第16条は、「何人も、みだりに廃棄物を捨ててはならない。」と定めている。「みだりに」とは法律用語ではなく「訳もなく」とか「正当な理由なく」を意味するとする記述をよく見かける。このことから見ても、「廃棄物処理法施行令第2条の4 第5項 ホ」の規定に定めたルールに従わず「みだりに廃棄物を捨ててはならない」という解釈されるのではないか。
また廃棄物処理法は第3条で「事業者は、その事業活動に伴つて生じた廃棄物を自らの責任において適正に処理しなければならない。」と事業者の責務を定めている。本件農道整備工事において有害スラグ混合砕石が使用されていることを、原告らが指摘したのだから、被告はその指摘に謙虚に耳を傾け、大同特殊鋼に対して「適正に処理」させなければならないところ、それを怠り舗装で蓋をしてしまった。こんなことが許されるわけがない。
(3)第3段落について
被告はこの項で、「本件農道整備工事に用いた混合スラグ再生砕石の製造・販売過程に廃棄物処理法違反があるかは,現在,捜査が継続中と思料されるので,認否しない。」と主張するが、同じく群馬県廃棄部・リサイクル課が平成27年9月7日に、大同特殊鋼・大同エコメット・佐藤建設工業を、混合スラグ再生砕石の製造・販売過程で違反があったとして廃棄物処理法違反容疑で県警に告発したのだから、被告がこの期に及んでいまさら「認否しない」と主張することはできない。
被告は、「なお,仮に大同特殊鋼らに廃棄物処理法違反の事実があったとしても,当該スラグの性状等を知らされずに購入した建設業者等に違法性はないところ(甲31・2(8)参照),被告の担当課が大同特殊鋼らに廃棄物処理法違反の疑義があることを把握して最初に立入り調査を実施したのは平成26年1月27日であり(甲31・1(1)),他方,本件農道整備工事はそれに先立つ平成25年6月28日には既に完了していたのであるから(甲20参照),本件農道整備工事を施工した南波建設株式会社は,本件農道整備工事に使用した混合スラグ再生砕石の性状等を知らされていなかったものと認められ,本件農道整備工事に廃棄物処理法違反の事実はない。」と、なおも弱弱しく意味不明の主張を繰り返す。
これに対して原告らは次の通り反論する。
被告は、本件農道整備工事に混合スラグ再生砕石が敷砂利として不正に使用されていることを承知していたのだから、平成22年10月15日付監理課通達(甲9)に規定されている混合スラグ再生砕石の施工方法に則った正しい施工方法に合致させるには、敷砂利として使われた混合スラグ再生砕石を直ちに撤去するよう処置すべきところ、それを懈怠した。
しかも、そればかりではなく、この混合スラグ再生砕石の不正使用について、原告らが指摘したほか、県会議員からも指摘があったのに、それらを無視してきたことが問題なのである。被告は自らの不作為を覆い隠すために、本件農道舗装工事により不正施工現場に蓋をしてしまったのであるから、当然、それに投入した血税に相当する費用を、自らの負担で償わなくてはならないのである。
(3)第4段落について
被告はこの項で「否認する。本件農道整備工事に用いられた混合スラグ再生砕石は,環境基準に抵触していない(乙14・25頁)。」と主張する。
ならば、原告・被告立ち合いの元、支道27号を分析調査してみようではないか。もちろん、費用は原因者である大同特殊鋼に負担させればよい。
2 第2に関する【原告の反論】について
(1)第1段落について
被告は「ア」の項で、「原告らは,『被告の環境森林部廃棄物リサイクル課は,平成27年9月7日に,スラグ混合再生砕石あるいはスラグ混合再生路盤材なるシロモノは,産業廃棄物と認めており,被告がそのようなものを敷砂利として本件農道整備工事で使用したこと自体,違法であ』ると主張する。しかし,先述のとおり,本件農道整備工事は平成25年6月28日に完了しており,大同特殊鋼らに対して最初に立入り検査が実施されたのは平成26年1月27日であって,本件農道整備工事を施工した南波建設株式会社は混合スラグ再生砕石の性状等を知らされていなかったものと認められるから,本件農道整備工事に違法はない(甲31・2(8)参照)。」と主張する。
これに対して原告らは前項同様、次の通り反論する。
被告が自ら作成した監理課通達(甲9)は平成22年10月15日に発出されている。被告は、本件農道整備工事に混合スラグ再生砕石が敷砂利として不正に使用されていることを承知していたのだから、平成22年10月15日付監理課通達(甲9)に則って正しく対応すべきであったのに、それを懈怠した。いまさら、ステージコンストラクション工法などを持ち出して、自らルールに違反した行為を糊塗しようとすることは、言語道断であり、公務員としてあるまじきことである。
また、被告は「イ」の項で、「原告らは,『当然,本件舗装工事に先立ち,原因者である犬同特殊鋼等に撤去を命じて,撤去が確認された後に,本件舗装工事の予算計画を立案すべきであった。』と主張する。しかし,被告が平成26年4月ころに実施した分析試験(試料採取日は同2日)において,本件農道整備工事に用いられた混合スラグ再生砕石は環境基準に適合していることが確認されており(乙14・25頁),大同特殊鋼等に撤去を求める理由がない。」と、再び同じことを主張する。
これに対して原告らはこれまで同様、次の通り反論する。
平成26年1月27日の被告による大同特殊鋼等への立ち入り検査の直後、被告は大同特鋼に鉄鋼スラグの出荷停止を指導し、それに基づき、平成26年4月22日付で大同特殊鋼等に「廃棄物処理に関する指示書」(甲4・甲5・甲6)が発出されており、被告は平成26年1月末の時点で、既に有害スラグ混合砕石が違法処理された廃棄物であることを知りうる立場であった、また原告らも平成26年3月から7月にかけて、被告の農政部農村整備課をはじめ、群馬県県土整備部や環境森林部森林保全課に対して、混合スラグ再生砕石の使用の問題性について、親切に指摘した経緯がある。にもかかわらず、違法施工現場を舗装で蓋をしてしまっただから、平成23年7月23日に発生した死者40人を出したとされる中国の高速鉄道事故の現場で、事故車両を乗客もろとも高架下の現場に埋め込んだ事件をほうふつとさせる。法治国家である我が国の公務員は、そのような破廉恥な行動をするわけはないと信じていたが、今回の被告の対応は、そうした納税者県民に対する背信行為である。
(2)第3段落について
被告はこの項で、「原告らの主張は,大同特殊鋼らの廃棄物処理法違反を指摘するものであるが,これは捜査が継続中と思料されるので,認否しない。なお,仮に大同特殊鋼らに廃棄物処理法違反の事実があったとしても,そのことが本件舗装工事の適法性に影響するわけではない。」と主張する。
被告が繰り返しこうした主張をするところをみると、本当に我が国の地方公務員は中国並み、あるいはそれ以下のレベルかと思わざるを得ないので、反論するのも憚られる。以下、同様なので、被告の低次元の主張に対しては敢えていちいち反論する気も起きない。
(3)第4段落について
被告は「イ」の項で、「原告らは,『・・・危険な環境汚染物質が存在するのを認識した時点で,速やかに原因者に撤去させるべきところ,あろうことは,真逆の行為,すなわち,撤去させずに上に蓋をして,恒久的に環境汚染物質の存在を固定化してしまった』と主張する。しかし,被告は本件農道整備工事に大同特殊鋼から排出された鉄鋼スラグが使用されていることが判明したことを受けて,平成26年4月ころに分析試験を実施(試料採取日は同月22日)して,本件農道整備工事に用いられた混合スラグ再生砕石が環境基準に適合していることを確認している(乙14・25頁)。」と主張する。
これ以上被告の見苦しい言い逃れを聞く忍耐を持ち合わせていないので、原告から提案することをお許しいただきたい。平成26年4月22日付で、「廃棄物処理に関する指示書」(甲4・5・6)が被告から大同特殊鋼等に発出されていることもあり、改めて原告被告立ち合いの元で、支道27号の分析試験を実施してみようではないか。
3 第3に関する【原告の反論】について
(3)3項(1)に関する【原告の反論】について
被告はこの項で、「原告らは,『産業廃棄物を敷砂利に使ったこと,その敷砂利を撤去せずに,上に舗装で蓋を掛けた事実は,否定しようとしても否定することはできない。』と主張する。しかし,混合スラグ再生砕石は,あくまでもステージコンストラクション工法における下層路盤材として使用されたものである。また,被告が平成26年4月ころに実施した分析試験(試料採取日は同月22日)において本件農道整備工事に用いられた混合スラグ再生砕石が環境基準に適合していることが確認されているので(乙14・25頁),撤去する理由もない。」と繰り返し弱弱しく主張する。
原告から反論というより再度提案したい。改めて原告・被告双方立ち合いの元で、支道27号の分析試験を実施してみようではないか。
(4)3項個に関する【原告の反論】について
被告はこの項で、「原告らは,『・・・それならば,なおさら本件舗装工事に先立ち,原因者の大同特殊鋼等に対して,有害物質入りの資材の撤去を優先的に実行させるはずだ。』と主張する。しかし,先述のとおり,被告が平成26年4月ころに実施した分析試験(試料採取日は同月22日)において本件農道整備工事に用いられた混合スラグ再生砕石が環境基準に適合していることが確認されているので(乙14・25頁),大同特殊鋼らに撤去を求める法的根拠もない。」と主張する。
被告の繰り言を聴いていちいち反論するより、原告は提案する。改めて原告被告立ち合いの元で、支道27号の分析試験を実施してみようではないか。
(4)3項(2)に関する【原告の反論】について
被告は「イ」の項で、「酒井県議会議員の上申書(甲43・1頁)には,「・・・また砕石は転圧されておらず敷き均された状態であることから,敷砂利工という砕石舗装が終了した現場であると考えている。」と記載されているが,砕石舗装で終了というわけではなく,転圧は第2段階で行う。本件農道整備工事は,ステージコンストラクションの第1段階として施工されたのである。」と主張する。
原告から改めて反論として指摘したい。掘削を伴わない砕石敷設は敷砂利工である。
(6)3項(3)イに関する【原告の反論】について
被告は「ア」の項で、「原告らは,設計図書の標記が『敷砂利』となっていることを捉えて,ステージコンストラクションエ法が予定されているのであれば『‥・南波建設が当該工事を施工する前に,敷砂利工から下層路盤工に設計変更すればよかったのではないか?』と主張する。しかし,ステージコンストラクション工法が予定されている農道の第1段階の工事においては,設計図書には『敷砂利』と標記されるのが通常であり,このような標記がなされていても,実態としては下層路盤工であることに変わりはない。」と主張する。
原告から改めて指摘しておきたい。「敷砂利」と設計図書に標記されていれば、あくまで「敷砂利」であったと考えるほかない。「敷砂利」と標記されていれば、そこに混合スラグ再生砕石を使うこと自体、監理課通達(甲9)に違反していると考えざるを得ない。
被告は「イ」の項で、「酒井県議会議員の上記要請は,本件農道整備工事において用いられた混合スラグ再生砕石は敷砂利工であると断定した上でのものであったが,混合スラグ再生砕石は下層路盤工として用いられたものであるから,前提が異なっている。第2段階の舗装工事を施工することにより,外観上も下層路盤となり,また,被告が平成26年4月ころに実施した分析試験(試料採取日は同月22日)において環境基準に適合していることも確認されているから(乙14・25頁),撤去する理由がない。」と主張する。
原告から再再度指摘しておきたい。役所である被告が「敷砂利」と標記した以上、敷砂利である。被告も、酒井県議会議員に「敷砂利」と説明したのではないか。
(7)3項(4)に関する【原告の反論】について
被告は「ア」の項で、「原告らは,『鉄鋼スラグを不法投棄されている路線』と主張する。しかし,廃棄物の不法投棄(廃棄物処理法16条)とは,処理基準違反行為の程度が著しい場合や,軽度の処理基準違反であっても公共性・密集性の高い地域において行われる場合等,廃棄物の性状,数量,地理的条件,行為の態様等の事情を勘案して判断するものであり,社会通念上許容されない処分行為が対象になるものと解されており(乙13・356頁),本件舗装工事はこれに当たらない。」と主張する。
また、被告は「イ」の項で、「原告らは,『有害スラグが敷砂利に施工されている』と主張する。しかし,被告が平成26年4月ころに実施した分析試験(試料採取日は同月22日)において,本件農道整備工事で用いられた混合スラグ再生砕石は環境基準に適合していることが確認されており(乙14・25頁),環境基準に抵触する混合スラグ再生砕石が使用されているわけではない。」と主張する。
被告の反論のレベルが低すぎて追いつけないが、一般常識として、食の安全・安心が最大の要素である農業地帯に、基準値を超える有毒物質を含む鉄鋼スラグが搬入されること自体、不法投棄以外の何物でもないはず。
またここでも原告は提案したい。改めて原告被告立ち合いの元で、支道27号の分析試験を実施してみようではないか。以下同様。
以 上
*****証拠説明書*****PDF ⇒ 8160704.pdf
事件番号 平成27年(行ウ)第7号 住民訴訟事件
原告 小 川 賢 外1名
被告 群馬県知事 大澤正明
平成28年7月4日
前橋地方裁判所民事2部合議係 御中
証 拠 説 明 書
原告 小 川 賢 ㊞
原告 鈴 木 庸 ㊞
号証/表目・原本・写しの別/作成年月日/作成者/立証趣旨
◆甲48/環境省令・環境庁告示第46号(抜粋)・写し/平成3年8月23日/ 環境庁(現・環境省)/環境基準を超過したスラグは、「廃棄物処理法施行令第2条の4 第5項 ホ」及び「環境省令・環境庁告示第46号」により「特別管理産業廃棄物」に指定されるため、遮断型最終処分場に埋設処分しなければならないこと。
*****甲第48号証*****PDF ⇒ b4846r1.pdf
廃棄物の処理及び清掃に関する法律施行令
(特別管理産業廃棄物)
第2条の4
第5項
ホ 第二条第八号 に掲げる廃棄物(事業活動に伴つて生じたものに限る。以下「鉱さい」という。)(環境省令で定める基準に適合しないものに限る。)及び当該鉱さいを処分するために処理したもの(環境省令で定める基準に適合しないものに限る。)
で規定されている環境省令
平成3年8月23日
環境庁告示第46号
http://www.env.go.jp/kijun/dojou.html
改正平成5環告19・平成6環告5・平成6環告25・平成7環告19・平成10環告21・平成13環告16・平成20環告46・平成22環告37・平成26環告44.
公害対策基本法(昭和42年法律第132号)第9条の規定に基づく土壌の汚染に係る環境基準について次のとおり告示する。
環境基本法(平成5年法律第91号)第16条第1項による土壌の汚染に係る環境上の条件につき、人の健康を保護し、及び生活環境を保全するうえで維持することが望ましい基準(以下「環境基準」という。)並びにその達成期間等は、次のとおりとする。
第1 環境基準
1 環境基準は、別表の項目の欄に掲げる項目ごとに、同表の環境上の条件の欄に掲げるとおりとする。
2 1の環境基準は、別表の項目の欄に掲げる項目ごとに、当該項目に係る土壌の汚染の状況を的確に把握することができると認められる場所において、同表の測定方法の欄に掲げる方法により測定した場合における測定値によるものとする。
3 1の環境基準は、汚染がもっぱら自然的原因によることが明らかであると認められる場所及び原材料の堆積場、廃棄物の埋立地その他の別表の項目の欄に掲げる項目に係る物質の利用又は処分を目的として現にこれらを集積している施設に係る土壌については、適用しない。
土壌環境基準 別表(抜粋)
ふっ素 検液1Lにつき0.8mg以下であること。
規格34.1若しくは34.4に定める方法又は規格34.1c)(注(6)第3文を除く。)に定める方法(懸濁物質及びイオンクロマトグラフ法で妨害となる物質が共存しない場合にあっては、これを省略することができる。)及び昭和46年12月環境庁告示第59号付表6に掲げる方法
*****送付書・受領書*****
PDF ⇒ tei9j2016.7.4.pdf
**********
■群馬県廃棄物・リサイクル課が大同スラグは廃棄物であり、法令に照らしても違法に処理されていたことで、原因者である大同・佐藤のブラック連合を告発してからすでに10カ月が経過しようとしていますが、群馬県がいまだに往生際の悪い主張をし続けているのを見ていると、この事件に関係する部署の職員らは、いったいどの目線で公務に従事しているのか極めて疑義を抱かざるを得ません。
被告の群馬県からは、原告住民らが前回、4月22日の第4回口頭弁論当日に提出した準備書面(7)について、まだ反論が出されていません。さて、裁判長は来る7月8日(金)10時30分からの第5回口頭弁論では、どのような訴訟指揮をするか、関心のある向きは、ぜひ前橋地裁2階21号法廷の傍聴席にお越しください。
【市民オンブズマン群馬事務局からの報告】
*****原告準備書面(9)*****PDF ⇒ i9j2016.7.4r1.pdf
事件番号 平成27年(行ウ)第7号 住民訴訟事件
原告 小 川 賢 外1名
被告 群馬県知事 大澤正明
平成28年7月4日
前橋地方裁判所民事2部合議係 御中
原告準備書面(9)
原告 小 川 賢 ㊞
原告 鈴 木 庸 ㊞
平成28年6月23日付の被告第5準備書面の「第2 原告らの平成28年4月15日付け原告準備書面(6)に対する反論」について、原告として次のとおり再反論する。なお、反論個所をゴシック太字体で表す。
被告第5準備書面でも全般にわたって、被告は,ステージコンストラクション工法について、縷々言い訳をするが、原告らはこれ以上、同じことを繰り返し被告に説明する時間がもったいないので、あえて仔細には触れないでおくことにする。
1 「1 第1に関する【原告の反論】について」の項について
(1)第2段落について
被告は「ア」の項で、「原告らは,『本件農道整備工事契約に使用されたのは,無許可の大同特殊鋼,大同エコメット,佐藤建設工業が製造・出荷していた混合スラグ再生砕石なる代物は,廃棄物処理法で定めた資格のある中間処理業者が製造したものではないから,廃棄物処理法に違反している』と主張する(2頁)。原告らの上記主張は,混合スラグ再生砕石自体が廃棄物処理法に違反しているという趣旨に読めるが,廃棄物処理法違反の有無は大同特殊鋼ら事業者について問題となるものである。」と主張する。
また、被告は「イ」の項で、「原告らは,『そのような違法な資材が,本来使用されてはならない敷砂利として使用されたことは,廃棄物処理法の目的に定めた“廃棄物の適正な分別,保管,収集,運搬,再生,処分等の処理をし,並びに生活環境を清潔にすることにより,生活環境の保全及び公衆衛生の向上を図ることを目的とする”に違反している。』と主張する(2頁)。しかし,原告らが指摘するのは廃棄物処理法1条であるが,これは廃棄物処理法の目的を定めた一般的な規定であり,本件農道整備工事において混合スラグ再生砕石を用いたことは同条には違反しない。」と主張する。
これらに対して原告らは次の通り反論する。
大同特殊鋼が有害スラグ混合砕石を製造していた東吾妻町の中央橋混合所については、平成26年4月22日付で、群馬県廃棄物・リサイクル課の根岸課長名の「廃棄物処理に関する指示書」による指示を、大同特殊鋼、大同エコメット、群馬丸田運輸の大同特殊鋼グループ3社で受けている(甲4・甲5・甲6)。
その指示書には「鉱さいであるスラグの再生処理の受託を中止すること。」とスラグが「鉱さい」という廃棄物であることを認定し、再生処理の受託を中止し、廃棄物の違法処理だったと指摘している。
そして、それを物語るように、中央橋混合所には、大同エコメット板倉所長の名前で「鉱さい」という種類の産業廃棄物保管場所を示す次の看板もかけられていた。
すなわち、群馬県廃棄物・リサイクル課も大同特殊鋼グループ自らも、こぞって鉄鋼スラグを「鉱さい」=「産業廃棄物」と認めているのである。
平成27年9月7日に、群馬県は、大同特殊鋼・大同エコメット・佐藤建設工業を廃棄物処理法委違反で刑事告発したが、その際、群馬県環境部局は大同特殊鋼由来のスラグを廃棄物と認定し、違法に処理されたスラグ混合砕石は、土壌と接する方法で使用すると直下の土壌を汚染する恐れがあると述べている。
東吾妻町萩生地区の本件農道整備工事に使用されたスラグ混合砕石は、「廃棄物処理法施行令第2条の4 第5項 ホ」及び「環境省令・環境庁告示第46号」(甲48号証)に従い、特別管理産業廃棄物として遮断型最終処分場に埋設処分する以外は不適法な処分つまり不法投棄の状態にあることを、とりわけ厳格な遵法精神が求められる公僕である被告は十分に認識しなければならない。
廃棄物処理法第16条は、「何人も、みだりに廃棄物を捨ててはならない。」と定めている。「みだりに」とは法律用語ではなく「訳もなく」とか「正当な理由なく」を意味するとする記述をよく見かける。このことから見ても、「廃棄物処理法施行令第2条の4 第5項 ホ」の規定に定めたルールに従わず「みだりに廃棄物を捨ててはならない」という解釈されるのではないか。
また廃棄物処理法は第3条で「事業者は、その事業活動に伴つて生じた廃棄物を自らの責任において適正に処理しなければならない。」と事業者の責務を定めている。本件農道整備工事において有害スラグ混合砕石が使用されていることを、原告らが指摘したのだから、被告はその指摘に謙虚に耳を傾け、大同特殊鋼に対して「適正に処理」させなければならないところ、それを怠り舗装で蓋をしてしまった。こんなことが許されるわけがない。
(3)第3段落について
被告はこの項で、「本件農道整備工事に用いた混合スラグ再生砕石の製造・販売過程に廃棄物処理法違反があるかは,現在,捜査が継続中と思料されるので,認否しない。」と主張するが、同じく群馬県廃棄部・リサイクル課が平成27年9月7日に、大同特殊鋼・大同エコメット・佐藤建設工業を、混合スラグ再生砕石の製造・販売過程で違反があったとして廃棄物処理法違反容疑で県警に告発したのだから、被告がこの期に及んでいまさら「認否しない」と主張することはできない。
被告は、「なお,仮に大同特殊鋼らに廃棄物処理法違反の事実があったとしても,当該スラグの性状等を知らされずに購入した建設業者等に違法性はないところ(甲31・2(8)参照),被告の担当課が大同特殊鋼らに廃棄物処理法違反の疑義があることを把握して最初に立入り調査を実施したのは平成26年1月27日であり(甲31・1(1)),他方,本件農道整備工事はそれに先立つ平成25年6月28日には既に完了していたのであるから(甲20参照),本件農道整備工事を施工した南波建設株式会社は,本件農道整備工事に使用した混合スラグ再生砕石の性状等を知らされていなかったものと認められ,本件農道整備工事に廃棄物処理法違反の事実はない。」と、なおも弱弱しく意味不明の主張を繰り返す。
これに対して原告らは次の通り反論する。
被告は、本件農道整備工事に混合スラグ再生砕石が敷砂利として不正に使用されていることを承知していたのだから、平成22年10月15日付監理課通達(甲9)に規定されている混合スラグ再生砕石の施工方法に則った正しい施工方法に合致させるには、敷砂利として使われた混合スラグ再生砕石を直ちに撤去するよう処置すべきところ、それを懈怠した。
しかも、そればかりではなく、この混合スラグ再生砕石の不正使用について、原告らが指摘したほか、県会議員からも指摘があったのに、それらを無視してきたことが問題なのである。被告は自らの不作為を覆い隠すために、本件農道舗装工事により不正施工現場に蓋をしてしまったのであるから、当然、それに投入した血税に相当する費用を、自らの負担で償わなくてはならないのである。
(3)第4段落について
被告はこの項で「否認する。本件農道整備工事に用いられた混合スラグ再生砕石は,環境基準に抵触していない(乙14・25頁)。」と主張する。
ならば、原告・被告立ち合いの元、支道27号を分析調査してみようではないか。もちろん、費用は原因者である大同特殊鋼に負担させればよい。
2 第2に関する【原告の反論】について
(1)第1段落について
被告は「ア」の項で、「原告らは,『被告の環境森林部廃棄物リサイクル課は,平成27年9月7日に,スラグ混合再生砕石あるいはスラグ混合再生路盤材なるシロモノは,産業廃棄物と認めており,被告がそのようなものを敷砂利として本件農道整備工事で使用したこと自体,違法であ』ると主張する。しかし,先述のとおり,本件農道整備工事は平成25年6月28日に完了しており,大同特殊鋼らに対して最初に立入り検査が実施されたのは平成26年1月27日であって,本件農道整備工事を施工した南波建設株式会社は混合スラグ再生砕石の性状等を知らされていなかったものと認められるから,本件農道整備工事に違法はない(甲31・2(8)参照)。」と主張する。
これに対して原告らは前項同様、次の通り反論する。
被告が自ら作成した監理課通達(甲9)は平成22年10月15日に発出されている。被告は、本件農道整備工事に混合スラグ再生砕石が敷砂利として不正に使用されていることを承知していたのだから、平成22年10月15日付監理課通達(甲9)に則って正しく対応すべきであったのに、それを懈怠した。いまさら、ステージコンストラクション工法などを持ち出して、自らルールに違反した行為を糊塗しようとすることは、言語道断であり、公務員としてあるまじきことである。
また、被告は「イ」の項で、「原告らは,『当然,本件舗装工事に先立ち,原因者である犬同特殊鋼等に撤去を命じて,撤去が確認された後に,本件舗装工事の予算計画を立案すべきであった。』と主張する。しかし,被告が平成26年4月ころに実施した分析試験(試料採取日は同2日)において,本件農道整備工事に用いられた混合スラグ再生砕石は環境基準に適合していることが確認されており(乙14・25頁),大同特殊鋼等に撤去を求める理由がない。」と、再び同じことを主張する。
これに対して原告らはこれまで同様、次の通り反論する。
平成26年1月27日の被告による大同特殊鋼等への立ち入り検査の直後、被告は大同特鋼に鉄鋼スラグの出荷停止を指導し、それに基づき、平成26年4月22日付で大同特殊鋼等に「廃棄物処理に関する指示書」(甲4・甲5・甲6)が発出されており、被告は平成26年1月末の時点で、既に有害スラグ混合砕石が違法処理された廃棄物であることを知りうる立場であった、また原告らも平成26年3月から7月にかけて、被告の農政部農村整備課をはじめ、群馬県県土整備部や環境森林部森林保全課に対して、混合スラグ再生砕石の使用の問題性について、親切に指摘した経緯がある。にもかかわらず、違法施工現場を舗装で蓋をしてしまっただから、平成23年7月23日に発生した死者40人を出したとされる中国の高速鉄道事故の現場で、事故車両を乗客もろとも高架下の現場に埋め込んだ事件をほうふつとさせる。法治国家である我が国の公務員は、そのような破廉恥な行動をするわけはないと信じていたが、今回の被告の対応は、そうした納税者県民に対する背信行為である。
(2)第3段落について
被告はこの項で、「原告らの主張は,大同特殊鋼らの廃棄物処理法違反を指摘するものであるが,これは捜査が継続中と思料されるので,認否しない。なお,仮に大同特殊鋼らに廃棄物処理法違反の事実があったとしても,そのことが本件舗装工事の適法性に影響するわけではない。」と主張する。
被告が繰り返しこうした主張をするところをみると、本当に我が国の地方公務員は中国並み、あるいはそれ以下のレベルかと思わざるを得ないので、反論するのも憚られる。以下、同様なので、被告の低次元の主張に対しては敢えていちいち反論する気も起きない。
(3)第4段落について
被告は「イ」の項で、「原告らは,『・・・危険な環境汚染物質が存在するのを認識した時点で,速やかに原因者に撤去させるべきところ,あろうことは,真逆の行為,すなわち,撤去させずに上に蓋をして,恒久的に環境汚染物質の存在を固定化してしまった』と主張する。しかし,被告は本件農道整備工事に大同特殊鋼から排出された鉄鋼スラグが使用されていることが判明したことを受けて,平成26年4月ころに分析試験を実施(試料採取日は同月22日)して,本件農道整備工事に用いられた混合スラグ再生砕石が環境基準に適合していることを確認している(乙14・25頁)。」と主張する。
これ以上被告の見苦しい言い逃れを聞く忍耐を持ち合わせていないので、原告から提案することをお許しいただきたい。平成26年4月22日付で、「廃棄物処理に関する指示書」(甲4・5・6)が被告から大同特殊鋼等に発出されていることもあり、改めて原告被告立ち合いの元で、支道27号の分析試験を実施してみようではないか。
3 第3に関する【原告の反論】について
(3)3項(1)に関する【原告の反論】について
被告はこの項で、「原告らは,『産業廃棄物を敷砂利に使ったこと,その敷砂利を撤去せずに,上に舗装で蓋を掛けた事実は,否定しようとしても否定することはできない。』と主張する。しかし,混合スラグ再生砕石は,あくまでもステージコンストラクション工法における下層路盤材として使用されたものである。また,被告が平成26年4月ころに実施した分析試験(試料採取日は同月22日)において本件農道整備工事に用いられた混合スラグ再生砕石が環境基準に適合していることが確認されているので(乙14・25頁),撤去する理由もない。」と繰り返し弱弱しく主張する。
原告から反論というより再度提案したい。改めて原告・被告双方立ち合いの元で、支道27号の分析試験を実施してみようではないか。
(4)3項個に関する【原告の反論】について
被告はこの項で、「原告らは,『・・・それならば,なおさら本件舗装工事に先立ち,原因者の大同特殊鋼等に対して,有害物質入りの資材の撤去を優先的に実行させるはずだ。』と主張する。しかし,先述のとおり,被告が平成26年4月ころに実施した分析試験(試料採取日は同月22日)において本件農道整備工事に用いられた混合スラグ再生砕石が環境基準に適合していることが確認されているので(乙14・25頁),大同特殊鋼らに撤去を求める法的根拠もない。」と主張する。
被告の繰り言を聴いていちいち反論するより、原告は提案する。改めて原告被告立ち合いの元で、支道27号の分析試験を実施してみようではないか。
(4)3項(2)に関する【原告の反論】について
被告は「イ」の項で、「酒井県議会議員の上申書(甲43・1頁)には,「・・・また砕石は転圧されておらず敷き均された状態であることから,敷砂利工という砕石舗装が終了した現場であると考えている。」と記載されているが,砕石舗装で終了というわけではなく,転圧は第2段階で行う。本件農道整備工事は,ステージコンストラクションの第1段階として施工されたのである。」と主張する。
原告から改めて反論として指摘したい。掘削を伴わない砕石敷設は敷砂利工である。
(6)3項(3)イに関する【原告の反論】について
被告は「ア」の項で、「原告らは,設計図書の標記が『敷砂利』となっていることを捉えて,ステージコンストラクションエ法が予定されているのであれば『‥・南波建設が当該工事を施工する前に,敷砂利工から下層路盤工に設計変更すればよかったのではないか?』と主張する。しかし,ステージコンストラクション工法が予定されている農道の第1段階の工事においては,設計図書には『敷砂利』と標記されるのが通常であり,このような標記がなされていても,実態としては下層路盤工であることに変わりはない。」と主張する。
原告から改めて指摘しておきたい。「敷砂利」と設計図書に標記されていれば、あくまで「敷砂利」であったと考えるほかない。「敷砂利」と標記されていれば、そこに混合スラグ再生砕石を使うこと自体、監理課通達(甲9)に違反していると考えざるを得ない。
被告は「イ」の項で、「酒井県議会議員の上記要請は,本件農道整備工事において用いられた混合スラグ再生砕石は敷砂利工であると断定した上でのものであったが,混合スラグ再生砕石は下層路盤工として用いられたものであるから,前提が異なっている。第2段階の舗装工事を施工することにより,外観上も下層路盤となり,また,被告が平成26年4月ころに実施した分析試験(試料採取日は同月22日)において環境基準に適合していることも確認されているから(乙14・25頁),撤去する理由がない。」と主張する。
原告から再再度指摘しておきたい。役所である被告が「敷砂利」と標記した以上、敷砂利である。被告も、酒井県議会議員に「敷砂利」と説明したのではないか。
(7)3項(4)に関する【原告の反論】について
被告は「ア」の項で、「原告らは,『鉄鋼スラグを不法投棄されている路線』と主張する。しかし,廃棄物の不法投棄(廃棄物処理法16条)とは,処理基準違反行為の程度が著しい場合や,軽度の処理基準違反であっても公共性・密集性の高い地域において行われる場合等,廃棄物の性状,数量,地理的条件,行為の態様等の事情を勘案して判断するものであり,社会通念上許容されない処分行為が対象になるものと解されており(乙13・356頁),本件舗装工事はこれに当たらない。」と主張する。
また、被告は「イ」の項で、「原告らは,『有害スラグが敷砂利に施工されている』と主張する。しかし,被告が平成26年4月ころに実施した分析試験(試料採取日は同月22日)において,本件農道整備工事で用いられた混合スラグ再生砕石は環境基準に適合していることが確認されており(乙14・25頁),環境基準に抵触する混合スラグ再生砕石が使用されているわけではない。」と主張する。
被告の反論のレベルが低すぎて追いつけないが、一般常識として、食の安全・安心が最大の要素である農業地帯に、基準値を超える有毒物質を含む鉄鋼スラグが搬入されること自体、不法投棄以外の何物でもないはず。
またここでも原告は提案したい。改めて原告被告立ち合いの元で、支道27号の分析試験を実施してみようではないか。以下同様。
以 上
*****証拠説明書*****PDF ⇒ 8160704.pdf
事件番号 平成27年(行ウ)第7号 住民訴訟事件
原告 小 川 賢 外1名
被告 群馬県知事 大澤正明
平成28年7月4日
前橋地方裁判所民事2部合議係 御中
証 拠 説 明 書
原告 小 川 賢 ㊞
原告 鈴 木 庸 ㊞
号証/表目・原本・写しの別/作成年月日/作成者/立証趣旨
◆甲48/環境省令・環境庁告示第46号(抜粋)・写し/平成3年8月23日/ 環境庁(現・環境省)/環境基準を超過したスラグは、「廃棄物処理法施行令第2条の4 第5項 ホ」及び「環境省令・環境庁告示第46号」により「特別管理産業廃棄物」に指定されるため、遮断型最終処分場に埋設処分しなければならないこと。
*****甲第48号証*****PDF ⇒ b4846r1.pdf
廃棄物の処理及び清掃に関する法律施行令
(特別管理産業廃棄物)
第2条の4
第5項
ホ 第二条第八号 に掲げる廃棄物(事業活動に伴つて生じたものに限る。以下「鉱さい」という。)(環境省令で定める基準に適合しないものに限る。)及び当該鉱さいを処分するために処理したもの(環境省令で定める基準に適合しないものに限る。)
で規定されている環境省令
平成3年8月23日
環境庁告示第46号
http://www.env.go.jp/kijun/dojou.html
改正平成5環告19・平成6環告5・平成6環告25・平成7環告19・平成10環告21・平成13環告16・平成20環告46・平成22環告37・平成26環告44.
公害対策基本法(昭和42年法律第132号)第9条の規定に基づく土壌の汚染に係る環境基準について次のとおり告示する。
環境基本法(平成5年法律第91号)第16条第1項による土壌の汚染に係る環境上の条件につき、人の健康を保護し、及び生活環境を保全するうえで維持することが望ましい基準(以下「環境基準」という。)並びにその達成期間等は、次のとおりとする。
第1 環境基準
1 環境基準は、別表の項目の欄に掲げる項目ごとに、同表の環境上の条件の欄に掲げるとおりとする。
2 1の環境基準は、別表の項目の欄に掲げる項目ごとに、当該項目に係る土壌の汚染の状況を的確に把握することができると認められる場所において、同表の測定方法の欄に掲げる方法により測定した場合における測定値によるものとする。
3 1の環境基準は、汚染がもっぱら自然的原因によることが明らかであると認められる場所及び原材料の堆積場、廃棄物の埋立地その他の別表の項目の欄に掲げる項目に係る物質の利用又は処分を目的として現にこれらを集積している施設に係る土壌については、適用しない。
土壌環境基準 別表(抜粋)
ふっ素 検液1Lにつき0.8mg以下であること。
規格34.1若しくは34.4に定める方法又は規格34.1c)(注(6)第3文を除く。)に定める方法(懸濁物質及びイオンクロマトグラフ法で妨害となる物質が共存しない場合にあっては、これを省略することができる。)及び昭和46年12月環境庁告示第59号付表6に掲げる方法
*****送付書・受領書*****
PDF ⇒ tei9j2016.7.4.pdf
**********
■群馬県廃棄物・リサイクル課が大同スラグは廃棄物であり、法令に照らしても違法に処理されていたことで、原因者である大同・佐藤のブラック連合を告発してからすでに10カ月が経過しようとしていますが、群馬県がいまだに往生際の悪い主張をし続けているのを見ていると、この事件に関係する部署の職員らは、いったいどの目線で公務に従事しているのか極めて疑義を抱かざるを得ません。
被告の群馬県からは、原告住民らが前回、4月22日の第4回口頭弁論当日に提出した準備書面(7)について、まだ反論が出されていません。さて、裁判長は来る7月8日(金)10時30分からの第5回口頭弁論では、どのような訴訟指揮をするか、関心のある向きは、ぜひ前橋地裁2階21号法廷の傍聴席にお越しください。
【市民オンブズマン群馬事務局からの報告】