市政をひらく安中市民の会・市民オンブズマン群馬

1995年に群馬県安中市で起きた51億円詐欺横領事件に敢然と取組む市民団体と保守王国群馬県のオンブズマン組織の活動記録

大同有害スラグ問題を斬る!・・・長野原町でも危険スラグ!

2016-03-13 23:43:00 | スラグ不法投棄問題

■連日、スラグ報道が続いています。これまでも、国土交通省・八ッ場ダム工事に関連して危険スラグが不法投棄されている事案は、当会のブログで何回も取り上げていますが、長野原町の発注する工事でも危険スラグが不法投棄されている報道がありました。早速見ていきましょう。

xo.pdf

**********2016年3月11日朝日新聞 群馬版
www.asahi.com/area/gunma/articles/MTW20160311100580001.html
八ツ場移転先、基準超すスラグ 長野原町発注工事も /群馬県
 大同特殊鋼(本社・名古屋市)から出た有害物質を含む鉄鋼スラグが県内で使われていた問題で、八ツ場ダムの移転代替地(長野原町川原湯地区)の水道配水管工事でも使われ、環境基準を超えるフッ素が検出されたことがわかった。町発注の工事で、砕石に含まれていたという。町は春以降に撤去することを決めた。
 上下水道課によると、今回発覚したのは、町が2012年度に契約した工事。現場は八ツ場ダムの移転代替地を結ぶ「県道川原畑大戸線」で、川原湯地区の歩道下約250メートルにわたっている。環境基準の約3倍のフッ素が検出され、町は撤去を決めた。
 アスファルトをはがし、配水管周辺の砕石を取り除く。工事中は歩道を使えないが、水道水に影響は無いという。費用は大同側が全額負担する方向だ。
 町の調査で、長野原浄化センター(長野原地区)の建設工事でも基礎部分の地中で同様のスラグの使用がわかった。基準値を下回っており、表面がアスファルトで舗装されているため、撤去はしない方針だ。
 八ツ場ダム周辺では、他にも国土交通省が発注した工事でスラグが使われ、移転代替地や道路などで基準値を超えるフッ素や六価クロムが検出されたとして、撤去作業が進められている。(仲田一平)
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■長野原町も前橋市と同様、スラグマネーに支配された渋川市と異なりスラグの撤去を優先して検討することから、対策をスタートさせています。我々住民目線で考えれば、まずは「撤去」が最優先なのです。

 新聞報道によると、『現場は八ツ場ダムの移転代替地を結ぶ「県道川原畑大戸線」で、川原湯地区の歩道』となっています。当会でも八ッ場大橋近くの凸凹した歩道を調査し皆様にご報告しています。場所は異なるかもしれませんが、ちょっと振り返ってみましょう。↓
○2016年1月14日:大同有害スラグ問題を斬る!・・・新春特別企画「八ッ場ダム周辺調査」(その4)
http://pink.ap.teacup.com/ogawaken/1857.html


川原湯地区の八ッ場大橋近くの歩道です。造ったばかりなのに、危険スラグの濃度が濃いのか、歩道が全体にわたり凸凹ガサガサしています。


プックリと歩道の一部が隆起して、噴火したように亀裂がバックリ入ってます。代替地では、作ったばかりなのに、道路や歩道のあちこちがヒビだらけです。このままでは将来、町の予算で補修することになってしまうのではないでしょうか?そのとき国土交通省に相談に行っても金は一円たりとも出てこない事でしょう。

■「撤去」の文字に明るいニュースが続くのかと思いきや、新聞報道の後半では残念な長野原町の対応が記事になっています。

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「町の調査で、長野原浄化センター(長野原地区)の建設工事でも基礎部分の地中で同様のスラグの使用がわかった。基準値を下回っており、表面がアスファルトで舗装されているため、撤去はしない方針だ。」
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 どのような調査が行われたのでしょうか?長野原町のホームページを覗いて見ましょう。

<長野原町の状況説明>↓
http://www1.town.naganohara.gunma.jp/www/contents/1456703094705/index.html


■なんと長野原町は、長野原浄化センター建設工事にかかる不法投棄危険スラグについて、「試験結果報告書により基準値以内のものを使用していることを確認済」という判断を下しています。この期に及んでもなお、長野原町は、大同・佐藤ブラック極悪連合が作成した偽装再生砕石の試験表を“額面通りチェックした”として、インチキデータを「信用して」いるのです。

 2016年9月に、群馬県廃棄物リサイクル課は、危険スラグについて、「無許可で不法投棄された廃棄物」だと認定しています。正規の再生砕石ではないシロモノであることは明らかです。にもかかわらず、このブラック試験表を、長野原町が未だに信用していることに衝撃を受けてしまいます。

 長野原町は、危険スラグに神経をやられたせいなのかどうか、いずれにしても、「どうかしている」のではないでしょうか?

 天然石と混合することで環境基準値を脱法しようと偽装された危険スラグ混合のインチキ再生砕石の試験表ですから、実際に危険スラグを一粒ずつ拾い出して分析調査すれば、環境基準値をあっさりと超過してしまうことは、群馬県内の多くの分析調査で実証済みです。

■この件について、大同特殊鋼もいち早くお詫びをホームページに掲載しています。

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www.daido.co.jp/event/160301.html
2016年 3月 1日
大同特殊鋼株式会社
群馬県長野原町による「鉄鋼スラグを含む砕石を使用した工事箇所について」の件
3月1日(火)、群馬県長野原町のホームページにて、当社より排出された鉄鋼スラグを含む砕石について、長野原町が事業主体である工事について使用調査を行った結果、2件の工事において使用が判明した旨が公表されました。関係者の皆様に多大なご迷惑をお掛けし誠に申し訳なくお詫び申し上げます。群馬県及び長野原町と協議の上、誠意を持って対応する所存でございます。
以 上
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 大同特殊鋼は長野原町と協議の際に、スラグが不法投棄された水道工事については、住民運動さえ起こしかねない大騒ぎになるのが怖いので、話し合いに応ずる姿勢を見せました。しかし、その他のスラグ不法投棄場所については、偽装再生砕石のブラック試験表を盾に、勉強不足な長野原町を煙に巻いて、撤去しなくても済むように抵抗したのではないでしょうか?

 長野原町は、まんまと大同の術中にはまり、せっかくの協議の場だったのに、大同に危険スラグを全面撤去させることに失敗してしまったのです。かたや大同特殊鋼は、“してやったり!”とばかりに、ほくそ笑んでいることでしょう。

 大同側としては、「とにかく協議に持ち込み産業廃棄物処理費用を安く済ませたい」のが本音です。住民の安全・安心のため、長野原町は毅然とした態度で、大同に対して命令する立場にあることを自覚して欲しいものです。

■産業廃棄物処理法では、(事業者の責務) を定めています。

「第三条  事業者は、その事業活動に伴って生じた廃棄物を自らの責任において適正に処理しなければならない。」

 群馬県は大同特殊鋼から排出された危険スラグを産業廃棄物に認定しました。大同特殊鋼はその事業活動に伴って生じた廃棄物を、自らの責任において適正に処理しなければなりません。無許可で天然石に混合して群馬県中に不法投棄された危険スラグについて、適正に処理されているなどと思う者は、誰もいないことでしょう。

 大同特殊鋼は、ホームページにお詫びを掲載するだけでなく、コンプライアンス(法律遵守)に従い、自らの責任において、危険スラグを過去に遡って撤去しなければならないのです。

 また、群馬県や長野原町は、大同特殊鋼に危険スラグを全面撤去するよう指導監督しなければならないのです。指導に従わないのであれば、躊躇することなく、違法産業廃棄物・撤去の措置命令を出していかなければなりません。さもないと、群馬県の環境は守れないのです。

■この報道の最後の段落で、「撤去作業が進められている」と、国土交通省が発注した工事での対応について言及しています。しかし、国土交通省工事関連で撤去作業が進められているのは極く一部に過ぎないのです。

 さらに、盛り土の中に不法投棄されたスラグに至っては、調査すらされていないのです。

 当会は、こうした実態を見るにつけ、業者に対する行政の及び腰姿勢を厳しく問いただしていきます。

■さて、長野原町発注のこの水道工事や長野原浄化センターの工事をした業者は、砕石に危険スラグが含まれていたことを知らなかったのでしょうか?

 当会が入手した大同有害スラグマニュアルによると、「需要家つまり水道業者にスラグ混合砕石の特性を説明する」という記載が見られます。マニュアルを素直に読めば、工事業者は大同の説明により、危険なスラグが含まれていることを事前に知っていた、ことになってしまうのです。

 たとえ工事業者が「知らない」とシラを斬って返金に応じようとしない場合でも、長野原町は、工事業者に対して、1立方メートルあたり1300円で売られていた危険スラグ単価と長野原町の予算=設計単価の差額を、厳しく取り立てなければなりません。せめて返金させなくてはなりません。

【市民オンブズマン群馬・大同有毒スラグ不法投棄特別調査チーム・この項続く】

※参考資料1前橋市のスラグと大同・佐藤のブラック試験表について
○2015年6月3日:大同有毒スラグを斬る!…不法投棄実行犯を刑事告発せよ!「追及第12弾」前橋市でもスラグ汚染が判明
http://pink.ap.teacup.com/ogawaken/1635.html

※参考資料2(抜粋)
【9月11日】大同特殊鋼(株)渋川工場から排出された鉄鋼スラグに関する廃棄物処理法に基づく調査結果について(廃棄物・リサイクル課)
《大同特殊鋼(株)渋川工場から排出された鉄鋼スラグに関する廃棄物処理法に基づく調査結果について》
http://www.pref.gunma.jp/houdou/e1700084.html
2 調査結果
(7)ふっ素の土壌環境基準等が設定されて以降、大同特殊鋼(株)渋川工場から製鋼過程の副産物として排出された鉄鋼スラグは、土壌と接する方法で使用した場合、ふっ素による土壌汚染の可能性があり、また、平成14年4月から平成26年1月までの間、関係者の間で逆有償取引等が行われていたことなどから、当該スラグは、その物の性状、排出の状況、通常の取扱い形態、取引価値の有無及び占有者の意思等を総合的に勘案し、廃棄物と認定される。
詳しくはこちらを参照ください↓
http://pink.ap.teacup.com/ogawaken/1723.html#readmore

※参考資料3「環境省から各都道府県サンパイ所管部署長あて通知」
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環廃産発第1303299号
平成25年3月29日
各都道府県・各政令市産業廃棄物行政主管部(局)長 殿
環境省大臣官房廃棄物・リサイクル対策部産業廃棄物課長
       行政処分の指針について(通知)
https://www.google.com/url?q=https://www.env.go.jp/hourei/add/k040.pdf&sa=U&ved=0CBoQFjAIOApqFQoTCJ3Pj8iflMkCFSPapgodv3gNSQ&client=internal-uds-cse&usg=AFQjCNHn8XQ6PWIG5LSQflPDNx5098ua_g
第2 産業廃棄物処理業の事業の停止及び許可の取消し(法第14条の3及び第14条の3の2)
1 趣旨
産業廃棄物処理業の許可制度は、産業廃棄物の処理を業として行うことを一般的に禁止した上で、事業の用に供する施設及び事業を行う者の能力が事業を的確かつ継続的に行うに足りるものとして一定の基準に適合すると認められるときに限って許可することにより、産業廃棄物の適正な処理を確保するものである。したがって、その基準に適合しないおそれがあると判断されるに至った場合には、直ちに事業の停止を命ずるとともに(法第14条の3)、その基準に適合しないと判断されるなど、法が許可を取り消すべき場合として定める要件に該当するに至った場合には、速やかに許可を取り消す等の措置を講ずること(法第14条の3の2)。
なお、産業廃棄物処理業者が不法投棄等の重大かつ明白な違反行為を行っているにもかかわらず、原状回復責任を全うさせること等を理由に許可の取消処分を行わず、事業停止処分等にとどめる事例が見受けられるが、当該運用は、不法投棄等の違反行為を事実上追認するものであり、適正処理を確保するという許可制度の目的及び意義を損ない、産業廃棄物処理に対する国民の不信を増大させるものであるばかりか、違反行為による被害を拡大させかねないものであることから、著しく適正を欠き、かつ、公益を害するものである。したがって、こうした場合には、躊躇(ちゅうちょ)することなく取消処分を行った上で、原状回復については措置命令により対応すること。

〔当会解説〕
 不法投棄などの違反行為を行った産業廃棄物処理業者には、許可を「躊躇(ちゅうちょ)することなく取消処分を行った上で、原状回復については措置命令により対応する」となっています。大同特殊鋼および佐藤建設工業は無許可で不法投棄を重ねてきたのですから、より厳正に対処しなければなりません。この点、役所で構成される鉄鋼スラグに関する連絡会議は、国土交通省と渋川市の横槍により、間違った方向に向かっていると考えざるを得ません。

第8 措置命令(法第19条の5)
1 趣旨
(1) 都道府県知事は、処理基準又は保管基準(以下「処理基準等」という。)に適合しない産業廃棄物の処理が行われた場合において、生活環境の保全上の支障を生じ、又は生ずるおそれがあるときは、必要な限度においてその支障の除去又は発生の防止のために必要な措置を講ずるように命ずることができることから、これらの者による不適正な処分を把握した場合には、速やかに命令を行い、生活環境の保全上の支障の発生を防止し、又は除去されたいこと。なお、この場合において、処理基準等に違反する状態が継続している(不法投棄の場合であれば、廃棄物が投棄されたままの状態が継続している。)以上、いつでも必要に応じ命令を発出することができること。
(2) 法第19条の5は、「命ずることができる」と規定されているところ、同条は生活環境の保全を図るため都道府県知事に与えられた権限を定める趣旨であるから、不適正処理された産業廃棄物の種類、数量、それによる生活環境の保全上の支障の程度、その発生の危険性など客観的事情から都道府県知事による命令の発出が必要であるにも関わらず、合理的な根拠がなく権限の行使を怠っている場合には、違法とされる余地があること。
〔当会解説〕
 ここで重要なのは、知事は必要な措置を「命ずることができる」、と規定されていることです。この意味は、同条は生活環境の保全を図るため都道府県知事に与えられた権限を定める趣旨であるから、国土交通省や渋川市が、知事の命令に影響を与えようと、あれこれスラグ連絡会議等の場で口を挟んだりすることは言語道断であり、自ら間違った方法で行った環境基準調査値を盾に取って、「安全基準値内だから」などと主張し、本来、群馬県知事が発しなければならない措置命令に、国や渋川市が影響を与えることは、「違法とされる余地」があると考えるべきではないのでしょうか?


※参考資料4
大同有毒スラグ問題を斬る!・・・「何人も、みだりに廃棄物を捨ててはならない。」についての考察 
http://pink.ap.teacup.com/ogawaken/1871.html#readmore

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