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田舎に住んでる映画ヲタク

「映画大好き」の女性です。一人で見ることも多いけれど、たくさんの映画ファンと意見交換できればいいなぁと思っています。

ロープ 戦場の生命線(A Perfect Day)

2018年03月01日 15時17分16秒 | 日記

85 A Perfect Day

 紛争地帯で人々を救うため奔走する国際援助活動家たちの戦いを、「トラフィック」のベニチオ・デル・トロ、「ショーシャンクの空に」のティム・ロビンス、「オブリビオン」のオルガ・キュリレンコ、「ゼロの未来」のメラニー・ティエリーら実力派キャスト共演で描いたスペイン製ヒューマンドラマ。1995年、停戦直後のバルカン半島。ある村で井戸に死体が投げ込まれて生活用水が汚染され、国際活動家「国境なき水と衛生管理団」のマンブルゥらが現地に派遣される。しかし死体を引き上げている最中にロープが切れてしまい、代わりのロープを探しに行くことに。1本のロープを求め、武装集団や地雷の恐怖にさらされる危険地帯へと足を踏み入れるマンブルゥたち。やがて不良にいじめられていた少年ニコラと一緒に彼が住んでいた家を訪れたマンブルゥたちは、そこで驚くべき事実に直面する。第30回ゴヤ賞で最優秀脚色賞を受賞。(映画.comより)

 

 

 

 「a perfect day」とはよくつけた題名ですね。映画を最後まで見るとおもしろいほど納得できます。この映画、題材は本当にいいと思います。役者さんたちも素晴らしい。ドキュメンタリー調になっているのもgood!ただ、ベネチオ・デル・トロが女ったらしという設定で、オルガ・キュレンコみたいな美人が絡んで駆け引きするのが余計だったと思います。それでなくても見応えある戦場での”戦士ではない人たち”の活躍と困惑をうまく描いているのだから、この”好いた腫れた”は、いらなかったと思いますね。

つい昨日まで、何の問題もなく暮らしていた人たちが、突然仲違いをして争う・・・それはまるで「ホテル・ルワンダ」のよう。でも、この映画ではその戦争(内紛)のバックグラウンドは描かれません。ただ、生活用水に困っている人を助けるための(多分)NGO、ボランティアなのかお金が出るのか、その細かいことはわからないけれど、ともかく戦争などの環境悪化により生活が困難になっている人々を助けるグループのお話です。リーダーはベネチオ・デル・トロとティム・ロビンス。彼らはそれなりに経験も積み、現地の人たちの宗教的な価値観など、欧米人には到底理解できない理屈にもそれなりに慣れています。そんななか、現地の人々の生活用水を確保しようと、井戸に投げ込まれた死体をつり上げたのですが、ロープが切れてしまい死体は再び井戸の中へ。さぁ、どうする?というお話です。

彼らはロープが欲しかっただけなのです。それなのに、外国人にロープは売らないと言い張る年寄り店長や、水を高値で売りつける便乗業者の登場、年長の子にいじめられていた子供の救出(しかし彼はサッカーボールを取りに行く、と言い張って譲らない)、ロープとサッカーボールを求めて寄ったその少年の家で見た目を背ける現実、張り巡らされた地雷など、ありとあらゆる物事に、平和ボケしている私たちは動揺するばかりです。こんなことがどうして起きるのか。「ホテル・ルワンダ」のように、欧米が後ろで糸を引いているのか。手荒なことは何も描かれません。ただ、そういう現実がある、ということを羅列するだけです。

目の付け所は、今書いた通りとてもよかったし、名作になり得たと思いますね。ただ、ここにユーモアのつもりか、ベネチオとオルガ・キュレンコとの不倫話を絡ませたりするんですね。これが絶対に余計だったと思います。映画自体は短くコンパクトに収まっていて、見やすい時間です。それだけになお、この男女のすったもんだが余計な気がしてなりません。しかしながら、DVDで見るには名作です。オススメします。

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