田舎に住んでる映画ヲタク

「映画大好き」の女性です。一人で見ることも多いけれど、たくさんの映画ファンと意見交換できればいいなぁと思っています。

ファントム・スレッド(Phantom Thread)

2018年08月13日 16時42分25秒 | 日記

ソース画像を表示

ソース画像を表示ソース画像を表示

「ゼア・ウィル・ビー・ブラッド」のポール・トーマス・アンダーソン監督とダニエル・デイ=ルイスが2度目のタッグを組み、1950年代のロンドンを舞台に、有名デザイナーと若いウェイトレスとの究極の愛が描かれる。「マイ・レフトフット」「ゼア・ウィル・ビー・ブラッド」「リンカーン」で3度のアカデミー主演男優賞を受賞している名優デイ=ルイスが主人公レイノルズ・ウッドコックを演じ、今作をもって俳優業から引退することを表明している。1950年代のロンドンで活躍するオートクチュールの仕立て屋レイノルズ・ウッドコックは、英国ファッション界の中心的存在として社交界から脚光を浴びていた。ウェイトレスのアルマとの運命的な出会いを果たしたレイノルズは、アルマをミューズとしてファッションの世界へと迎え入れる。しかし、アルマの存在がレイノルズの整然とした完璧な生活に変化をもたらしていく。第90回アカデミー賞で作品賞ほか6部門にノミネートされ、衣装デザイン賞を受賞した。(映画.comより)

 

 

 

 

 ポール・トーマス・アンダーソン監督、非凡ですね~。主演のダニエル・デイ・ルイスも、もちろんですが、非凡な人どうしが組むとこんなふうな物語が紡げるのですね。成功した気難しいデザイナー、ダニエルは女性に興味はあるようなんですが、いつも「自分が一番」で長続きしません。彼には、実の姉がマネージャーとして長年寄り添っていますが、もちろんこの姉も仕事のできるキャリアな姉。見かけもそこそこ美しい。すごいですよね。それでなくてもこの男、気難しくて何を考えているのかよくわからない上、仕事に対するこだわりもハンパないのに、こんなところに一緒に住もうとする若い女性の気持ちがわかりません(笑)。「なんとかなる」とでも思うんだろうか、あるいは「私は彼を御すことができる」と本気で思うのか、よくわからないけれど、とにかくすぐにうまくいかなくなって女性は憤慨して出てゆくことになります。いつものことなので、姉も「今度の女の始末はどうするの」と普通~に朝食の席で聞いてたりします。

 そんな彼ですが、ある朝あるカフェであるウエイトレスに目を留めます。もちろん、若くて魅力的な女性なのですが、美人とかセクシーとか小悪魔とかいうのではなく、姉曰く”体形が彼の理想だった”のだそうです。そしてそれゆえ、彼は彼女をモデルに理想の洋服を作ることに精魂を傾けます。才能があり著名な彼は、セレブな顧客も持っていますが、ともかく喜々として彼女をモデルに創作を続けるのです。しかし、彼女は普通のウエイトレス。当然ですが、普通の男女の生活を望みます。例えば、記念日に二人だけで食事がしたいとか。そして当然ですが非凡な彼は、なんでそんなことをしなきゃいけないのか理解できません。どうしていつも通りに姉がいないのか、どうしていつも通りに食事ができないのか。烈火のように怒ります。今までの女性ならまずここでビビり、その後自分にしか興味がない彼に愛想を尽かす、という展開でした。でも、彼女は違ったのです。私のような凡人は「そこまでするか」と思うような積極性・貪欲さで、姉をもねじ伏せ、やがてこの二人でないとあり得なかった「愛の境地」にたどり着くのです。いや、でも、あるかも。こういう形の愛も、アリだとは思います。要は本人たちが良ければいいのですから。

 すごい映画ですねぇ。さすがです。でも、ダニエル・デイ・ルイスがこれで引退しちゃうのが残念です。なにもここで引退しなくても・・・。ダニエル、こだわりのデザイナーがとてもハマっていました。相手の女性、私は知らなかったのですがヴィッキー・クリープス、ルクセンブルクの新星だそうです。どちらかというと、地味な感じを受けましたが、これからが楽しみですね。

異世界(?)にどっぷりと漬かりたい方は、どうぞ。

コメント    この記事についてブログを書く
  • Twitterでシェアする
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする
« ガザの美容室(Degrade) | トップ | レディ・バード(Lady Bird) »
最新の画像もっと見る

コメントを投稿

日記」カテゴリの最新記事