ロープや安全装置を一切使わずに山や絶壁を登る「フリーソロ」と呼ばれるクライミングスタイルで世界的に知られるクライマー、アレックス・オノルドの緊迫感あふれるクライミングに密着したドキュメンタリー。ナショナル・ジオグラフィック誌の表紙を飾るなど、世界で著名なクライマーの1人として活躍するアレックス・オノルドには、1つの夢があった。それは、世界屈指の危険な断崖絶壁であり、これまで誰もフリーソロで登りきった者はいない、米カリフォルニア州ヨセミテ国立公園にそびえる巨岩エル・キャピタンに挑むこと。この前人未到のフリーソロのために幾度の失敗と練習を重ねてきたオノルドは、2017年6月3日、ついにエル・キャピタンへの挑戦を開始する。オノルドが登攀する様子を臨場感あふれるカメラワークで収め、第91回アカデミー賞で長編ドキュメンタリー賞を受賞。監督は、山岳ドキュメンタリー「MERU メルー」も高い評価を得たエリザベス・チャイ・バサルヘリィ&ジミー・チン。(映画.comより)
こんな珍しい映画が都会と公開時期を違わずやってたら、見るしかないでしょう(笑)。上映時間も短かったし、登山のドキュメンタリーということで、字幕でも見れるかとチビ息子を伴い鑑賞。映画は冒頭からすごいアングルでのクライミング場面。いきなりビビったチビ息子が「ぼく、高所恐怖症なんよ~」と弱音を吐くくらいでした。いや、高所恐怖症が何たるかはあんまり理解してないとは思いますけどね(こんな言葉をよく知っていたなぁとは思う)。
しかしながら、映画全体は起伏に富まない作りでした。掴みはバッチリだっただけに、少し残念かなぁ。個人的には、主人公の彼女の出番が多すぎると思いました。ドキュメンタリーなんだから、プロの登山家がどういう感じで日々を送っているのかとか、どんなチャンスがあってどんな考え方なのかとか、まぁ要するに「プロの世界」を垣間見たかったわけです。もちろん、そういう描写もあったし、またパートナーや家族も大変なんだろうと思いますが、彼女がどれだけ懐深く彼を許しているか、とか、普通の女の子が喜ぶようなことも本当は大好きで喜ぶとか、どれだけ彼に尽くしているかとか、わりとどうでもいいことが延々と描かれることにうんざりしました。こういうことに必死になる男なんて最初から変人ってわかってるんだから、それを許してるんだってアピールする必要ないと思う。彼女のシーンを削ったら映画は半分になるんじゃないかな(笑)。シャープでよかったかもしれん。
それにしても危険です。本当に一瞬のミスで落ちて死んでしまった仲間も何人も描かれます。まぁそのスリルが生きてる感覚なんだろうけれど、こういうスポーツは引き際も難しいですね。「しまった!」と思って落ちた時は死ぬわけですから。あんまり凡人には縁のない世界だと思いました。当たり前か・・・。オノルド君、無事でいてくださいね。
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