日本の魔法少女アニメにあこがれる少女とその家族がたどる、思いがけない運命を描いたスペイン映画。独創的なストーリーや全編を貫くブラックユーモアが話題を集め、スペインのサン・セバスチャン国際映画祭でグランプリと観客賞を受賞するなど、高い評価を獲得した。監督はこれが長編映画デビュー作となる新鋭カルロス・ベルムト。白血病で余命わずかな少女アリシアは、日本のアニメ「魔法少女ユキコ」の大ファン。ユキコのコスチュームを着て踊りたいというアリシアの夢をかなえるため、失業中の父ルイスは高額なコスチュームを手に入れようと決意する。しかし、そんなルイスの行動が、心に闇を抱えた女性バルバラやワケありな元教師ダミアンらを巻き込み、事態は思わぬ方向へと転じていく。(映画.comより)
おおぉぉ!噂には聞いてたけど、本当に怖い映画だった。もちろん、主人公は薄幸の美少女。日本の少女アニメが好きで、今日も「魔法少女ユキコ」のテーマソングに合わせて踊ってる。でも白血病のため余命はわずか。母親もなく、父親は失業中。でも父親の愛情は全身で享受していて、お父さんには感謝もしているし、大好き。憧れのユキコのコスチュームも一度は着てみたいけれど、でも死ぬほど欲しているわけでもない。お父さんと一緒にいられれば幸せ・・・そんな少女が主人公の物語が、どこをどうしてこんな悲劇に発展するのか。多分にスペイン独自の文化もあるのかなぁ、とも思ったりもします。いや、わからないですけどね。日本にもそれ相応のアンダーグラウンドな世界はあるだろうし、性的倒錯だってあるだろうから。
それにしても、新進気鋭の若手監督カルロス・ベルムトの日本文化に対する造形の深さと言ったら!なんなんですか、この人(笑)。私、娘もいますし、生粋の日本人ですけど、これほどの少女漫画の知識はないです。長山洋子のデビュー曲「春はSAーRA SAーRA」なんて知らなかったですし、「美少女戦士セーラームーン」から「魔法少女まどか☆マギカ」までを網羅した上で、江戸川乱歩の「黒蜥蜴」と同タイトルの美輪明宏さんの映画までを加味した内容。1968年の美輪さんの映画へのオマージュと言われても、もはやついて行けません(笑)。すごすぎる!
監督のインタビューを読んだのですが、「日本の男性はみんなアイドルが好きですよね?でも、固定的なイメージの一方で攻撃的なアイドルがいるかもしれないじゃないですか。無邪気で決して攻撃してこない少女が攻撃する、はたまた攻撃される対象になる・・・。」と述べた上で、「私は、日本のアーティストで言うと、ちあきなおみさんに、そのような二面性を感じました。」だって!!みんな、どう思う?!
ともかく!薄幸のかわいらしい少女が出てくることや、ミステリアスな女性が出てくることに間違いはないのですが、なんとも予想外な映画です。個人的にはアルゼンチン映画「瞳の奥の秘密」を想起しました。話は全然違うのですが。お話はどこをどう取ってもネタバレになると思うので書きづらいのですが、女の私が一つ言えることは、「本人が認識するかどうかは別として、根っから魔性の女ってやっぱり存在するのね」ということと、「それに一生を掻き回される、そしてそれを不幸だとは思わないたぐいの男が、やっぱり一定数存在する」ということね。それによりすべてを失うようなことがあっても、やっぱり思いしらないと言う・・・。
多分不幸になるとは思うけど、「魔性の女」に生まれてみたかった(笑)。普通に生まれてもどうせ幸せになれないのなら、せめて。
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