「グラディエーター」のオスカー俳優ラッセル・クロウが、あおり運転の常習犯を演じたスリラー。寝坊してあわてて息子を学校へ送りながら職場へと向かう美容師のレイチェル。車を運転する彼女は信号待ちで止まるが、信号が青になっても前の車は一向に発進しようとしない。クラクションを鳴らしても動じないため、レイチェルは車を追い越すが、つけてきた男から「運転マナーがなっていない」と注意されてしまう。謝罪を求める男を拒絶し、息子を無事に学校に送り届けたレイチェルだったが、ガソリンスタンドの売店でさっきの男に尾けられていることに気づく。レイチェルは店員から男があおり運転の常習犯であることを警告され……。素性不明の恐怖のあおり運転常習犯をクロウが怪演。被害者となるレイチェルを、「移動都市 モータル・エンジン」「否定と肯定」などに出演したカレン・ピストリアスが演じた。監督は「レッド・バレッツ」「幸せでおカネが買えるワケ」のデリック・ボルテ。(映画.comより)
<2021年6月1日 劇場鑑賞>
今はやりの「なんにもしてないのにアオラれて怖い」って感じの映画かと思ってたら、さにあらず。ラッセル・クロウはパンパンに太って最初から狂気じみてるし、クラクションを鳴らした女性も問題だらけ。離婚専門の弁護士も、なんだかうさんくさいし、ラッセル・クロウの狂気はあり得ないほど暴走してさすがにリアリティに欠けるし、あんまり怖いとも思わなかった。
冒頭、彼(ラッセル・クロウ)は、元妻の家に押し入り、刃物で刺したうえに(妻だけではない。男がいたのかも)ガソリンをまいて放火します。後に派手に爆発。でも、彼は自分の車に乗っているにも関わらず、普通に公道を運転して自由です。
片や離婚訴訟中の女性。自分から起こしたのか、起こされたのかは説明がないけれど、ともかく息子もいるのに疲れ切った生活。ソファーで寝てしまう、連日のように寝坊をする、息子はまた遅刻、自分も腕利きの美容師だったのに顧客まで失いました。大変だからか、離婚弁護士にやや依存しているような感じも。早く言うと好意を持っているというか。弁護士もよくしたもので、女好きがするんですね。仕事だから仕方がないとは言え、優しくて。
のちにわかるのですが、ラッセル・クロウも不器用とは言え真面目に働いて来たのに、突然の解雇に遭った、とか、抗議したら年金もなしになったとか、それが原因かどうかは知らんけど奥さんに離婚された、どうやら奥さんは離婚弁護士とねんごろだった、とか、いろいろとざっと説明されます。彼も散々な目に遭ったのですね。それで、むりやり奥さんに会おうとすると”接近禁止命令”が出るしね、どんどん悪者になるわけです。家まで取られたのに。アメリカの離婚って、男に不利なのかもしれませんね。
そんな二人が、クラクションを巡ってけんかになるわけです。信号が青になっても発進しなかったラッセル・クロウも悪い。でも、彼女も大変なんだと知って「君もいろいろと大変な時期だったのに、考え事をしていた俺も悪かった。でも、注意のクラクションは最初はもっと優しく(プップと)鳴らすんだ。俺も謝るから君も謝ってくれ」と提案もするのです。私なら、ここで一も二もなく謝罪します。「わかりました。私も、最初は優しく鳴らすべきでした。以後、気をつけます」ってね。
しかし彼女ははねつけます。少年が「ママ、謝ってしまいなよ」って必死で言ってるにも関わらず「私は悪いことなんか、何もしてないわ」ってね。
残念でしたね。ここから怖~い「アオリ」が始まるのです。でも、狂気のラッセルは彼女を行きずりで助けた男を轢き殺し、彼女のニヤついた離婚弁護士を刺し殺し、非道の限りをつくします。こんな男が今まで野放しに?この辺で「設定がちょっとおかしいよな」と思い始めました。とても普通に生活できていたとは思えないレベルの異常さだったからです。却って怖くなかったですね、あり得なさ過ぎて。
しかし、ラッセルは本当にあんなに太ったのかなぁ。メイク?メイクであって欲しいです。かつてメグ・ライアンを落とした色男だったのですから。
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