傲慢な医師が型破りな神父との交流を通して人生を見つめ直していく姿を描いたイタリア製コメディドラマ。腕利きだが傲慢な心臓外科医トンマーゾは、医大に通う息子アンドレアに後を継がせようと期待していたが、アンドレアが突然「神父になりたい」と言い出したことから大騒ぎに。息子が誰かに洗脳されたと決めつけたトンマーゾは、アンドレアが慕う神父のもとへと向かうが……。主人公トンマーゾ役を「赤いアモーレ」のマルコ・ジャリーニ、神父役を「トランスポーター2」のアレッサンドロ・ガスマンがそれぞれ演じた。2015年・第28回東京国際映画祭コンペティション部門に出品され、観客賞を受賞した。(映画.comより)
おもしろい映画に遭遇しました。これも都会の単館上映だったのですが、平日の昼間に行った自分も自分なのですが、9割方年配の方で驚きました。タイトルがそれっぽいのかなぁ。こんな陽気なイタリア映画が年配者に人気があるのが意外です。まぁ年配の方は映画もお安いですしね、鑑賞環境は整ってますよね。
さて、あらすじは上にある通りとして、本当に陽気な物語です。しかしながら、名医の父親が、怪しげな(?)神父に近づくため「恵まれない人」のふりをするところがあって、そこが日本では受け入れづらいかも、とは思いますが。象徴的に障害者を登場させたりするので。
それでも、基本は「性善説」のお話です。父親も傲慢とはいえ、根は優しい人だし、息子も少しか弱い感じだけれど孝行息子だし。夫にないがしろにされ続けた妻が、息子の告白を機に、本来の活動的な女性に変身する様はおかしいほど象徴的でした。でも、それだけ家庭がはっちゃけてしまっても、心臓外科医は元の穏やかな家庭に戻そうと必死になるところがおかしかったです。あれだけ傲慢だったのに、急に妻に優しくなったり(笑)。
これだけ笑えるお話なのに、終盤は意外な展開を見せます。結局どうなったのか・・・観客の判断に任されているのかもしれません。人生は常に予想外のことが起きます。「これで大丈夫」って、収まることはないのです。それでも生きていくしかないのが、人間なのですが。
お勧めです。
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