デビュー作「BRICK ブリック」で注目を集めたハリウッド期待の新鋭ライアン・ジョンソンが豪華キャストで撮り上げたクライム・コメディ。出演はエイドリアン・ブロディ、マーク・ラファロ、レイチェル・ワイズ、菊地凛子。子どもの頃から詐欺を繰り返してきた兄弟、ブルームとスティーブン。そんな2人に、現在はバンバンというちょっと不思議な日本人女性も加わっていた。ところが、弟のブルームは足を洗うことを決意、モンテネグロで静かな生活を送ることに。しかし、兄のスティーブンにあっけなく見つかり、これが最後と、大きな仕事を持ちかけられる。今度のターゲットは莫大な遺産を相続し、大きな屋敷にたった一人で暮らしている世間知らずのお嬢様ペネロぺ。さっそく彼女に近づいていくブルームだったが…。(allcinemaより)
日本未公開の2008年の映画。娘が借りて来たのでついでに鑑賞。彼女は最近、エイドリアン・ブロディにハマっているようです。
さて、キャストだけ見るとなんで未公開かと思うくらいに豪華。マーク・ラファロが兄、エイドリアンが弟です。幼いころから親はなく、里親の元を転々とさせられた兄弟。次第に知恵がある兄がブレイン役、見かけが優しい弟が実行役と、二人して人を騙して生きてゆくすべを身につけてゆきます。やがて成長した二人は詐欺のプロに見込まれ、彼のもとで本当のプロへと成長してゆきます。この師匠(?)役が今は亡きマクシミリアン・シェル。最後の作品だったのでしょうか。
幼いころから環境に恵まれず、こうとしか生きようのなかった兄弟が哀れです。でも、まだ二人いて良かったのかもしれません。お互いが心の支えだったのでしょう。
そういえば、彼らが盗み出そうとした絵画を管理する美術館の学芸員の役でロビー・コルトレーンが出てました。このおやじがまたうさんくさいのです。それらしいフランス語を操ってね。そしてちゃんと裏で彼らと繋がっていて、自分の取り分は確保してとんづら。したたかなもんです。
富豪の一人娘(両親は亡くなって天涯孤独)にレイチェル・ワイズ。彼女があんまりあっさり彼らの手に落ちるので、私は「彼女が一番の詐欺師に違いない」と思っていました。大富豪なのに運転手も付かずに、ヘタクソな運転でしょっちゅう高級車を壊してるし。大体、これだけの大富豪なのに女一人なら、とっくにもっと悪い連中が取り囲んでいるでしょ?本気で独りでいるなんて、きっとこの女はすご腕なんだ、と思っていました。
しかしまぁ、びっくりするような展開もなく、大がかりな詐欺を試みながらも、兄弟のしんみりした話を主題として映画は進んでゆきます。ここで”爆破のプロ”と称して、マーク・ラファロが菊地凛子を連れてます。でも凛子は、確かに爆破もやりますが、どちらかというとエキセントリックなおしゃれを次々披露するために存在しています。
絶対に真似できないような奇抜なおしゃれが、また似合うんですね。この辺は完全にレイチェル・ワイズを喰ってます。舞台は主にプラハ。おしゃれな街並みです。
でも、詐欺に明け暮れる生活なんて、いつか行き詰まるのです。やがては驚きの展開。でもなぁ・・・どうなんだろ。含みを持たせてるといううがった見方ができなくもない。監督は、最初から続編を考えていたのでしょうか?そこはわかりません。
でも、役者陣がとっても魅力的な映画でした。
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