不治の病にかかった若い男女の恋を描いた全米ベストセラー小説「さよならを待つふたりのために」(岩波書店刊)を、「ファミリー・ツリー」「ダイバージェント」のシャイリーン・ウッドリー主演で映画化し、全米で大ヒットを記録した青春映画。脚本を「(500)日のサマー」も手がけたスコット・ノイスタッター&マイケル・H・ウェバーが担当。末期のガン患者で酸素ボンベが手放せない少女ヘイゼルは、両親に言われて嫌々ながら参加したガン患者の集会で、片脚を切断して骨肉腫を克服した青年ガスと出会う。ガスは独自の感性をもったヘイゼルに恋をするが、ヘイゼルは相手を傷つけることを恐れて距離を置こうとする。しかし、大好きな作家の話題がきっかけで2人は距離を縮めていき、その作家に会うためオランダへ旅立つ。そして旅の最終日、ガスはヘイゼルに重大な事実を打ち明ける。(映画.comより)
<2017年10月17日録画鑑賞>
若者たちの不治の病の物語、な~んて言うと、色眼鏡で見られそうですが、さにあらず。主人公たちはその辺の大人たちより達観しており、そうかといって皮肉に満ちているわけではなく、そこはかとなくユーモアを湛えながら、前向きに生きてゆこうとする若者たちのみずみずしい物語になっていました。”お涙頂戴もの”では絶対にありません。
主演の一人、シャイリーン・ウッドリーは美人だけど芯の強さを感じさせる女優さんで、彼女が主演なら、見ごたえがある作品なのかな、と思わせますね。相手役のアンセル・エルゴートも「ベイビー・ドライバー」で独特の存在感を出していましたしね、見る前から期待します。
で、二人はがん患者の集会で出会うのですが、お互いにがんであることは最初からわかっているからか、とても自然に発展します。そして、二人が交わす言葉には素敵なものが多いのです(「虹を見たれば雨を我慢すべき」とか「生きていれば傷つくこともあるけど、その相手は選べる」とか。もっとも、私のような年齢になると、傷つく相手は選べないって思うことも多いけどね・笑)。そして、容態の悪化や回復に似た落ち着きを繰り返しながらも、二人はいろんなことにチャレンジし、ついにシャイリーンの憧れの作家に会うことができます。でもここが一番の驚きなんです。相手は高名な作家、こちらはがん患者ですよ!それなのにウィレム・デフォー演じる作家の態度ときたら!凡人な私はこの映画で、ここに一番驚きました。さすが一筋縄ではいかない作品。でも、彼には彼なりの理由が。
ともかく良作です。もちろん、主人公たちが急に回復したりはしませんが、良作を見たいときにはどうぞ。
生きている強さを感じられました。