田舎に住んでる映画ヲタク

「映画大好き」の女性です。一人で見ることも多いけれど、たくさんの映画ファンと意見交換できればいいなぁと思っています。

フロリダ・プロジェクト 真夏の魔法(The Florida Project)

2021年06月18日 16時21分41秒 | 日記

子供の日常はパーティーだ/『The Florida Project』 - SUPERBAD-ASS

The Florida Project' is probably the best movie you'll see this year - Los  Angeles Times

The Florida Project (2017) directed by Sean Baker • Reviews, film + cast •  Letterboxd

 全編iPhoneで撮影した映画「タンジェリン」で高く評価されたショーン・ベイカー監督が、カラフルな風景の広がるフロリダの安モーテルを舞台に、貧困層の人々の日常を6歳の少女の視点から描いた人間ドラマ。定住する家を失った6歳の少女ムーニーと母親ヘイリーは、フロリダ・ディズニーワールドのすぐ側にあるモーテル「マジック・キャッスル」でその日暮らしの生活を送っている。周囲の大人たちは厳しい現実に苦しんでいたが、ムーニーは同じくモーテルで暮らす子どもたちとともに冒険に満ちた日々を過ごし、管理人ボビーはそんな子どもたちを厳しくも温かく見守っていた。そんなムーニーの日常が、ある出来事をきっかけに大きく変わりはじめる。主人公ムーニー役にはフロリダ出身の子役ブルックリン・キンバリー・プリンス、母親ヘイリー役にはベイカー監督自らがInstagramで発掘した新人ブリア・ビネイトを抜擢。管理人ボビー役をウィレム・デフォーが好演し、第90回アカデミー助演男優賞にノミネートされた。(映画.comより)

 

 

<2019年7月27日 録画鑑賞>

 シリアスな映画でした。安モーテルに住んでいる若い母親と女の子。自分のせいではないだろうけれど、お金も教養もない母親のなんとも下品で乱暴なこと。仕方がないけれど子供も同様に下品。同じような境遇の同じような年頃の子供たちとつるんで遊んでいるんだけれど、微妙に違ったり。で、平均女の子のほうがしっかりしているから、口も立つ。「うわ」と思うシーンもあったけれど、でも、この子はいろんなことに対して能力があるんだろうね、頭が良くて。育ちは本人のせいではないし。モーテルの管理人がウィレム・デフォー。上手に優しく、いい味を出してました。

 私は知らなかったけれど、映画ではお世辞にもきれいではない安モーテルだったから、そこも作品のテーマに沿うのかと思っていたけれど、違うんだってね。そこはディズニー・ワールドが近くにあるため、観光客を意識したファンタジックなデザインが施されたモーテルで、ごく普通のアパートより高いんだってね。じゃぁなぜ老朽化しているとはいえ、割高なモーテルにその日暮らしの人々が入っているのかというと、日本でもそうだけど、部屋を借りようと思えば入居審査や保証金など、後ろ盾がないと難しい条件が揃っていて、それが難しい人たちはとりあえず短期間の宿泊料を払って、その日その日をやり過ごすことになるからなんだって。だからどんどん負の連鎖に陥ってしまう。だって、いずれ払えなくなってくるのだから。

 驚くことに、この映画は出演している人が本当にそこに住んでいる人だったり(!)、女の子を育てている主人公の女性も女優さんではないらしい。すごすぎる。服飾デザイナーだというこの女性の存在感は、なに?才能ありすぎ。

 だいぶ前に見た「チョコレートドーナツ」でも、社会的弱者の母親とダウン症の少年が描かれていたけれど、女が一人で子供を抱え、教養もなければ、他に生きようがないということは、大方の人はわかってると思う。事実、この映画でも売春しないでバーガー店でウエィトレスをしている友人がいたけど、一生懸命働いてもこのモーテル暮らしから抜け出すことはできてなかったのだから。

 誰にもどうしようもない社会。これは、アメリカだから日本だからとかいうのではなく、起こるべくして起こる格差なのかもしれないけれど。一個人の無力さを感じます。ラストに希望はあったのでしょうか。

 

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