田舎に住んでる映画ヲタク

「映画大好き」の女性です。一人で見ることも多いけれど、たくさんの映画ファンと意見交換できればいいなぁと思っています。

ハクソー・リッジ(Hacksaw Ridge)

2017年07月16日 07時50分32秒 | 日記

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 メル・ギブソンが「アポカリプト」以来10年ぶりにメガホンをとり、第2次世界大戦の沖縄戦で75人の命を救った米軍衛生兵デズモンド・ドスの実話を映画化した戦争ドラマ。人を殺してはならないという宗教的信念を持つデズモンドは、軍隊でもその意志を貫こうとして上官や同僚たちから疎まれ、ついには軍法会議にかけられることに。妻や父に助けられ、武器を持たずに戦場へ行くことを許可された彼は、激戦地・沖縄の断崖絶壁(ハクソー・リッジ)での戦闘に衛生兵として参加。敵兵たちの捨て身の攻撃に味方は一時撤退を余儀なくされるが、負傷した仲間たちが取り残されるのを見たデズモンドは、たったひとりで戦場に留まり、敵味方の分け隔てなく治療を施していく。「沈黙 サイレンス」「アメイジング・スパイダーマン」のアンドリュー・ガーフィールドが主演を務め、「アバター」のサム・ワーシントン、「X-ミッション」のルーク・ブレイシーらが共演。第89回アカデミー賞で作品賞、監督賞、主演男優賞など6部門でノミネートされ、編集賞と録音賞の2部門を受賞した。(映画.comより)

 

 

 

 ちょうど先日「沖縄戦慰霊の日」でしたね。ニュースで一日中流れていたので、「これが”ハクソー・リッジ”のことか」と思って見ていました。映画の宣伝では、それが沖縄戦であることを前面には出さずに、”武器を持たずに兵士を救った男”の話として大々的に流していたそうですが、まぁそれでもなんとなくは耳に入ってきていましたので、私はきちんと認識して臨むことができました。

ハクソー・リッジは沖縄・浦添市の「前田高地」のことです。映画では、本当にその名の通り切り立った断崖で、素人目に「こんなところを上らなあかんのか。他に方法はなかったのか」と思いました。危険すぎる。それが戦争なんだろうけれど。

主人公は野山で育ったアンドリュー・ガーフィールド。その育ちゆえ、運動神経は抜群。ただ、第一次世界大戦で親友たちを失い、自分一人が生き延びたことでPTSDを患って家族に暴力ばかりふるう父との、ある事件により、「絶対に銃は手に取らない」という信念を持っています。また、自分の行き過ぎで弟に怪我をさせ「死んでいたかもしれない」という恐怖を味わったこともあり、敬虔なクリスチャンでもあります(もともと一家はクリスチャン)。そんな彼でも、皆が参戦している中、自分だけは故郷にいられないと軍を志願します。ただ「良心的兵役拒否」という形で。

これは、私にはわかりづらかったですね。軍に志願しておいて、拒否ってなんですか。軍の訓練でも、銃を取らないから、訓練が完了しないんです。走ったり、もぐったりとかはするんですけどね。そしたら、上官も迷惑だし、「臆病者」がいる部隊は軽んじられたりして、みんな迷惑するんですね。本人は「衛生兵に」と言うんですが、衛生兵でも、一通りの訓練は受けなきゃいけないんです、一応軍に所属する軍人なのですから。

それで、「おまえ、もういいから帰れ」とか言われるんです。「俺たちが戦うから、おまえはもう帰れ」ってね。そうですよね、それが合理的だと私も思います。どんな奴でも、自分の部下だったら守らなきゃいけないし、却って足手まといだと思われるのも無理はないんです。

しかしまた、アンドリューの理論もぶれません。「自分は武器は取れない。安息日には休んで祈りたい。でも、衛生兵として、一人でも多くの命は救えるはず。皆が戦っている時代、自分だけ帰れない」。難しいですね。宗教って、信念って、一度持ってしまうと強固ですからね、絶対に変わりません。

結局は信条の自由が認められた形で、彼は戦争に参加することになります。そして、武器を取らずとも、何十人もの兵士を助け出すことになるのです(敵兵も含む)。すごいですね、あんまり関係ないけど「プライベート・ライアン」のアパム曹長を思い出しました。細くて弱っちい感じってことで(笑)。

見るからに切り立った断崖での戦争は、壮絶なものでした。日本軍だって強い。すさまじい場面の連続です。心臓の弱い人はやめておいたほうがいいかも。そういえば、メル・ギブソン監督の作品って「パッション」でも心臓発作を起こして亡くなった高齢の女性がいたと聞きましたね。

それが必要だったかどうかは別問題として、日本人の「ハラキリ」も出てきます。この映画で描かれなかったのは、現地の住民の被害。実に住民の44.6%が巻き込まれて亡くなったと言われています。今回の映画は、戦闘場面に力が入っているので、この辺は全く描かれず。バランスが難しいですね。

とにかく、ありきたりな言葉で締めて申し訳ないけど、やっぱり戦争はいけません。あんなこと、誰が勝者にもなりません。尊い若者の命、誰が奪っていいものですか。悲しすぎます。

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