田舎に住んでる映画ヲタク

「映画大好き」の女性です。一人で見ることも多いけれど、たくさんの映画ファンと意見交換できればいいなぁと思っています。

ガタカ(Gattaca)

2015年12月29日 16時00分45秒 | 日記

 キャッチ・コピーすら泣かせる、SFドラマの最高傑作。遺伝子工学が発展した近未来。社会は遺伝子の優劣においてのみ人間の才能を判断していた。そのため、新生児は受精段階において遺伝子操作を行われ、遺伝子的に優秀な人材のみに選別されていた。そんな中、遺伝子操作をされることなく生まれてきたヴィンセントは、出生時に約30年の寿命と診断され、生まれた時から将来の見込みがない子供として育つ。やがて、ヴィンセントに遺伝子操作を受けた優秀な弟ができる。しかし、兄でありながら遺伝子の優れた弟には何をしてもかなわず、希望の無い生活を余儀なくされた。見せ付けられる差。やがて、ヴィンセントは宇宙飛行士を夢見るようになるが、その夢も劣性の遺伝子のため尽く断ち切られていった。しかし、そんな環境においても夢を追い続けたヴィンセントは、ある日、ずっと勝てなかった弟との度胸比べに勝ち、家を捨てて一人旅立つ。職を転々しながら下級クラスの生活を送った末、宇宙飛行士の施設“ガタカ”の清掃業についたヴィンセントは、ある日、闇業者の手配により、事故のため身障者となった元エリートに偽装し、“ガタカ”にエリート社員として潜り込む。しかし、そんなある日、ヴィンセントの正体を疑っていた上司が殺害され……。(allcinemaより)

 

 

 

 今頃すみません。こんな名作を今まで鑑賞して来なかった自分はバカだと、本気で思いました。本当によくできている!1997年の映画ですものね、当時見ればどれほどの衝撃だったかと思います。

お話の筋は上にある通り。普通に生まれたイーサン・ホークが出生時に「寿命は30年」などと宣言され、熟慮の末、両親は次の子は完璧なデザイナーズ・ベイビーとして作ります。この辺の親の気持ちはわからんでもない。自分でもそう選択するかも。

で、もちろん、なにをやっても弟の方が優れている。体も大きいし、立派。でも、弟も悲しそう。当然ですよね。二人とも両親に愛されている。兄さんだっていい人だし、自分の方が優れているのは最初から当たり前だし。こんななら、思いっきり不幸な生い立ちの方が生きやすかったかもしれない。

しかしながら、人一倍ハングリーな精神の持ち主だったイーサンは、「不適格者」として清掃員の仕事に甘んじながらも、夢の実現を虎視眈々と狙っています。そして!「信じるものは救われる」あるいは「念じ続ければ夢は必ずかなう」・・・オリンピック選手ではありませんが、まさにチャンスは巡り来るのです。

それはもちろん、闇ルートを介してではあるので、犯罪です。バレると人生は終わりです。でも、彼には失うものもありません。毎日証拠を残さないように完璧に体をこする、落とした体毛はすべて焼却処分する、毎日、入れ替わった優秀な人物の尿・血液を持ち歩く・・・想像を絶するような手間とリスクを負いながらも、「宇宙飛行士になる」という夢を追い続けます。

この「入れ替わった優秀な人物」がジュード・ロウです。人一倍優秀な遺伝子を持ちながら、人生に挫折し不自由な体になってしまった男。やはり、ヒトは複雑なのですね。彼は自分のプロフィールを提供する代わりに生活の保障をもらいます。

イーサンも、元々才能があったのでしょうね。ジュードと入れ替わっても、「ガタカ」では優秀な成績を収め、誰も彼が「不適格者」であるなんて疑いません。そして、宇宙飛行士への階段を着実に登ってゆくのです。

そして二人して逆境を乗り越え、ついに夢の実現!のラストシーンの衝撃は忘れられません。なんてことでしょう。なんてことでしょう。でも・・・よく考えるとこうなるしかなかったのかも。

アンドリュー・ニコル監督というと、私なんぞは真っ先「シモーヌ」を思い浮かべるのですが(だって職権乱用で美人主演女優と結婚したし・笑)、こんな毛色の違う作品も撮ってたのですね。よく考えると「ロード・オブ・ウォー」も見たのでした。そっかぁ・・・。見逃した最新作「ドローン・オブ・ウォー」も見なきゃですね。

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