「ディーバ」のジャン=ジャック・ベネックス監督が、1組のカップルがたどる衝撃的な愛の行方を鮮烈な映像で描き、本国フランスのみならず世界中に熱狂的ファンを生み出した名作ラブストーリー。海辺のバンガローで暮らす35歳の青年ゾルグは、セクシーな美少女ベティと出会い、瞬く間に恋に落ちる。一緒に暮らしはじめた2人は激しい愛欲の日々を送るが、情熱的すぎるベティの愛情表現は次第にエスカレートしていき……。1986年・第59回アカデミー賞では外国語映画賞にノミネート。2012年、日本初公開から25年を記念して監督自身の監修によるデジタル・リマスター版がリバイバル公開。(映画.comより)
録画鑑賞の作品、溜まっているのでひとつづつこなしてゆきます。 さて、この作品は、当時とても話題になっていたのに、結局見れなかったもの。でも、ベアトリル・ダルは大好きで、彼女の他の映画はいくつか見てました。あの頃、ジャン=ユーグ・アングラードも大好きだったなぁ。結構たくさんの映画に出てたと思うのです。最近見ないけど、どうしているのかなぁ。もう、悠々自適かな。
私、実はこっそりベアトリルに憧れてました、若い頃から。何をやっても平凡な私と違い、天性の危なさ・妖艶さ・美しさで男たちを翻弄。自分を作ることなくエキセントリックで、それ故自分を追い込むことはあっても、それすら才能。「こんな風に生まれてきたかった」と、強い憧れを抱いたものでした。「彼女たちの関係」なんかは都会で一館上映(しかも50席くらいのミニシアターだった。今はもうない)だったのをわざわざ行きました。「ガーゴイル」は録画して家で見たけれど、特殊な映画でしたね。たしかヴィンセント・ギャロと大きな黒人さんが共演してました。とにかく、好きです。
この映画はR18なんですね。なるほど、冒頭から濃厚なセックスシーンです。しかもたびたび入る。ふいに出会ったこの二人、最初から理性的な恋ではなかったのですね、お互いをむさぼります。しかし、人は生きている限り生活費が必要です。なにかと働こうとするジャンに、気まぐれなベアトリルは癇癪を起こします。やることなすこと普通じゃないベアトリルは、とうとう自分たちの愛の巣に放火。ふたりはパリの知人を頼って逃げます。何にでも案外順応するジャンは、そこでも仕事を得て働き始めます。しかし、彼に作家の才能を見て取ったベアトリルは収まりません。やっぱり荒れるのです。
こんな二人の愛情の攻防が物語となります。破滅型と言ってしまえばそうかもしれません。男の人によっては、こんなエキセントリックな女はごめんだ、という方もいらっしゃるでしょう。でも、彼女は彼女で真剣なのです。そして、そんなある意味純粋な彼女を、彼はやっぱり愛しているのだと思います。
二人は、行き着くところまで行き着いてしまいます。いや、どちらかというと”普通っぽかった”彼の人生は始まるのかもしれません。しかし、常識人には考えられないこの二人の愛情は、やっぱり憧れではあるのです。こんな、激情にまかせた人生も、送ってみたかった。才能ないけど。
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