3月5日、甥の霧島神宮での結婚式、近くのホテルでの披露宴が夕方つつがなく終わった。
会場のホテルをあとにし、霧島神宮駅17時41分発鹿児島中央行き特急「きりしま15号」で、鹿児島中央駅に向かった。
鹿児島中央駅に18時30分に着いた。九州新幹線が通って時間短縮となったので、今日中に佐賀まで帰ることができるようになったとはいえ、このまま佐賀に帰るのも策がない。前から頭の片隅に、薩摩半島を南下して指宿に行こうと思っていた。砂むし温泉で有名な指宿にはまだ行ったことがないのだ。
時刻表を見ると、ちょうど18時48分発の指宿方面行の列車があるので、それに乗った。錦江湾に沿って電車は走っているのだが、もう日も落ちて外の景色を楽しむことは諦めざるをえない。
指宿駅に着いたのは20時近くだった。
駅を降りたら構内は薄暗く、すでに案内所は閉めてあった。もう夜の8時だから無理もない。構内は誰もいなく、駅前に人気(ひとけ)もない。
一人旅の心地よいわびしさが忍びよってくる。この孤独感が生まれるからこそ、そこを抜け出たあとの歓びを感じることができるのだ。
鹿児島中央駅でもらったガイドブックを見て、駅の近くの旅館を探して電話した。2軒目の海に近くの旅館が、夕食は終わりましたが泊まるのはいいですよと言ってくれた。
駅から海に向かって、通りの途中に明かりがともる飲食店をチェックしながら歩いた。何軒か開いていた。
歩いて10分位行った、暗い海に沿った道路の奥まったところにその旅館はぽつねんとあった。鄙びた造りの和式旅館で、入口は普通の民家のようだが、中は意外と奥行きがあるようだ。
部屋に案内された。トイレが外の共同だが、遅い時間に来たのだから贅沢は言えない。それに、温泉かどうか知らないが共同風呂もある。
あとはもう、旨いものを食うしか残された楽しみはない。
旅館に荷物を置いて、旅館の女将さんが勧めてくれた美味しい店に行くことにした。駅から歩いてくる途中でチェックした郷土料理の店だ。
扉を開けると、すぐにカウンターがあり、中にこの店の主と思わせる渋い親父さんと若い板前さんが3人いた。カウンターに座り、郷土料理「さつま味」の、品書きにあるメイン・コースを頼んだ。
きびなご、鶏刺し、さつま揚げ、月見貝、豚骨、さつま汁、山川漬、ご飯、である。
きびなごは、鰯に似た10センチぐらいの小さな細長い魚で、青白い胴体にそって銀色が走る。ちらと見るとトカゲのような色である。小さくて痛みが早いので、産地の九州では珍しくないが、東京あたりではめったに出てこない。
昨日のホテルのバイキングにあったきびなごは味がひなびていたが、ここのは刺身でやはり鮮度が違う。こんな脂ののった鰯のようなきびなごは初めてだ。
鶏刺しは、地鶏の薩摩鶏。
月見貝とは名前が風流だ。丸いホタテガイのようで、肉の7割が貝柱というもの。初めて味わったが、あっさりとしていて美味しい。(写真)
薩摩料理を堪能し、暗い海辺の旅館へ戻った。
会場のホテルをあとにし、霧島神宮駅17時41分発鹿児島中央行き特急「きりしま15号」で、鹿児島中央駅に向かった。
鹿児島中央駅に18時30分に着いた。九州新幹線が通って時間短縮となったので、今日中に佐賀まで帰ることができるようになったとはいえ、このまま佐賀に帰るのも策がない。前から頭の片隅に、薩摩半島を南下して指宿に行こうと思っていた。砂むし温泉で有名な指宿にはまだ行ったことがないのだ。
時刻表を見ると、ちょうど18時48分発の指宿方面行の列車があるので、それに乗った。錦江湾に沿って電車は走っているのだが、もう日も落ちて外の景色を楽しむことは諦めざるをえない。
指宿駅に着いたのは20時近くだった。
駅を降りたら構内は薄暗く、すでに案内所は閉めてあった。もう夜の8時だから無理もない。構内は誰もいなく、駅前に人気(ひとけ)もない。
一人旅の心地よいわびしさが忍びよってくる。この孤独感が生まれるからこそ、そこを抜け出たあとの歓びを感じることができるのだ。
鹿児島中央駅でもらったガイドブックを見て、駅の近くの旅館を探して電話した。2軒目の海に近くの旅館が、夕食は終わりましたが泊まるのはいいですよと言ってくれた。
駅から海に向かって、通りの途中に明かりがともる飲食店をチェックしながら歩いた。何軒か開いていた。
歩いて10分位行った、暗い海に沿った道路の奥まったところにその旅館はぽつねんとあった。鄙びた造りの和式旅館で、入口は普通の民家のようだが、中は意外と奥行きがあるようだ。
部屋に案内された。トイレが外の共同だが、遅い時間に来たのだから贅沢は言えない。それに、温泉かどうか知らないが共同風呂もある。
あとはもう、旨いものを食うしか残された楽しみはない。
旅館に荷物を置いて、旅館の女将さんが勧めてくれた美味しい店に行くことにした。駅から歩いてくる途中でチェックした郷土料理の店だ。
扉を開けると、すぐにカウンターがあり、中にこの店の主と思わせる渋い親父さんと若い板前さんが3人いた。カウンターに座り、郷土料理「さつま味」の、品書きにあるメイン・コースを頼んだ。
きびなご、鶏刺し、さつま揚げ、月見貝、豚骨、さつま汁、山川漬、ご飯、である。
きびなごは、鰯に似た10センチぐらいの小さな細長い魚で、青白い胴体にそって銀色が走る。ちらと見るとトカゲのような色である。小さくて痛みが早いので、産地の九州では珍しくないが、東京あたりではめったに出てこない。
昨日のホテルのバイキングにあったきびなごは味がひなびていたが、ここのは刺身でやはり鮮度が違う。こんな脂ののった鰯のようなきびなごは初めてだ。
鶏刺しは、地鶏の薩摩鶏。
月見貝とは名前が風流だ。丸いホタテガイのようで、肉の7割が貝柱というもの。初めて味わったが、あっさりとしていて美味しい。(写真)
薩摩料理を堪能し、暗い海辺の旅館へ戻った。
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