かりそめの旅

うるわしき 春をとどめるすべもなし 思えばかりそめの 旅と知るらむ――雲は流れ、季節は変わる。旅は過ぎゆく人生の一こま。

陶器市と風鈴

2008-05-07 11:49:09 | 気まぐれな日々
 ゴールデン・ウィークも終わった。
 僕にとってゴールデン・ウィークといえば、有田の陶器市である。
博多の人は、ドンタクだと言うだろう。長崎は何をやっていたのだろう。観光立県だから、何かをやっていたに違いない。
 この時期、各地でそれぞれお祭りや催しが行われたはずだ。
 今年、ゴールデン・ウィーク期間の陶器市の人出は、110万人と報告された。
 東京は、どうしていたのだろう。何もしなくても、人が多いからいつも祭りのようなものだが。
 ゴールデン・ウィークの東京にいたことがない。佐賀に帰っているか、どこかを旅していた。
 この時期、佐賀に帰ると、決まって有田に通った。
 その度に何やら買ってくるので、もう食器に関しては買う必要はないのである。 だから、近年は、今年は行かないぞと思うのだが、家にいるとやはりむずむずしてくる。まあ、近いんだから、散歩のつもりで、見るだけ、などと自分に言い聞かせ、一度は行くことになる。
 今年も行ってしまった。
 有田駅から上有田駅の間約4キロに、陶磁器の店がずらりと並ぶ。しかし、今年は店先をちらちらと見て、目当ての店でじっくりと品定めする。
 今年も、やはり買ってしまった。
 目当てのものを買ったあと、陶磁器が並ぶ通りを、横目で見ながら歩いていると、チリンチリンと音がした。懐かしい音だ。
 その店は、陶磁器に交じって、風鈴がぶら下げてあった。もちろん、売るための品物で、有田焼の磁器で作ったものだ。
 小さい釣鐘型で可愛いし、音色もいい。うん、これはいい。

 家に帰って、窓の外の軒下に吊るしてみた。
 風が吹くと、チリンと音がする。
 これで今年の夏は、少しはしのげるかもしれない。

 庭は、若葉と雑草であたり一面緑に覆われ、眩しいぐらいだ。
コメント
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