
*紀伊半島の実態
紀伊半島は鏃(矢じり)のような形をしていて、ほぼ日本の中心に位置し、日本で最大の半島である。
地図を見た感じでの紀伊半島の左右(西東)の起点は、くびれからして大阪と名古屋といっていい。学術上の定義はさておき、これは私の勝手な見解であるが。
紀伊半島の突端である潮岬に行くため、この紀伊半島を一周しようと思いたったのだが、距離はどのくらいなのだろう。目途として、ちょうどいい具合に半島の海岸線を鉄道が走っている。
「JR時刻表」(2024年7月号)をもとに、私が辿る大阪から名古屋までの鉄道の距離を計算してみた。
・天王寺駅→(阪和線)61.3㎞・和歌山駅→(紀勢本線)159.1km・串本駅→(紀勢本線)41.6km・新宮駅→(紀勢本線)180.2km・亀山駅→(関西本線)59.9km・名古屋駅。
メインの「紀勢本線」は、和歌山駅から紀伊半島をぐるりと周り三重・亀山駅までで、距離(和歌山駅~和歌山市駅間は入れない)は380.9km。
半島の根元である大阪から紀伊半島を一周して反対側の名古屋に至る、大阪・天王寺駅から名古屋駅までの総距離は計502.1kmである。
新幹線の東京駅から名古屋駅間が366kmだから、紀勢本線はそれより長いということである。
大阪から紀伊半島を一周して名古屋に至る距離は、新幹線の東京から京都までの距離が513kmであるから、ほぼ東京~京都間である。
大阪・天王寺駅からほぼ真っすぐ西に向かう関西本線(大和路線)で、奈良経由で名古屋駅に至る距離は171.4km。
紀勢本線で紀伊半島を周ると、ほぼ直線で横断する距離の約3倍を走るということである。
ちなみに、新幹線による新大阪駅から京都を経て名古屋駅へ至る距離は186.6kmである。
*紀勢本線の不思議
大阪から潮岬の串本方面に行く路線の、「JR時刻表」を見ていたときのことである。
先に書いたように、天王寺駅から和歌山駅までは「阪和線」で、和歌山駅から紀伊半島の突端串本を周り反対側の三重の亀山までは「紀勢線」である。
JR時刻表によると、天王寺駅から和歌山駅に向かう阪和線は「下り」となっている(京都・—関西空港・和歌山(阪和線・関西空港線・下り)の頁)。ところが、和歌山駅から先の別の頁にある紀勢線は「上り」となっている。
阪和線と紀勢線は連続して繋がっている。私が天王寺駅から乗った「くろしお11号」も、新宮駅まで連続で走る。つまり、天王寺からの「上り」の列車が、和歌山駅から「下り」の列車になるということである。
これは、ちと奇妙だ。
*「上り」と「下り」の規定
首都である東京へ向かう方向が「上り」で、首都・東京から遠ざかる方向が「下り」というのは知られている通りである。このことは、鉄道のみならず道路もそうである。
いや、鉄道が敷かれる前からそうであった。であるから、明治になり首都が東京に移る遷都以前の江戸時代には、東海道は京都方面が「上り」で東京(江戸)方面が「下り」だった。
関西の「上方落語」というのは、かつてのこの時代の名残である。
鉄道の路線で、東京に向かっているかどうかあいまいな路線もある。この場合、どう扱っているのだろうか。
鉄道は建設される場合、国に届出上、その路線の「起点」「終点」が定められる。例えば、東海道本線の場合は東京駅が起点で神戸駅が終点である。
つまり、起点に向かう方向を「上り」、起点から遠ざかる方向を「下り」と呼ぶ。
起点は、慣例として東京駅に近い方となった。
阪和線は、起点は天王寺駅で終点は和歌山駅である。であるから、大阪・天王寺から和歌山方面が「下り」である。
紀勢本線の起点は亀山駅で終点は和歌山駅である。したがって、和歌山駅から三重・亀山駅へ向かうのが「上り」である。
であるから、天王寺から和歌山を過ぎる列車は「下り」から「上り」に変貌することになる。
紀勢本線で少し複雑なのは、和歌山駅から新宮駅(和歌山県)まではJR西日本、新宮駅から亀山駅(三重県)まではJR東海の管轄ということである。
時刻表を見ると、和歌山から串本・亀山方面に向かう列車は、普通列車は御坊駅か紀伊田辺駅止まりで、特急でも新宮駅が終点である。起点から終点の亀山~和歌山間を連続して走る列車はない。
この紀勢線の変則的な形をとる列車を、JR西日本では列車運転の実情に合わせる形で、和歌山→新宮方面が「下り」、新宮→和歌山方面が「上り」としている。
列車番号も、和歌山→新宮方面が「下り」の奇数番号、新宮→和歌山方面が「上り」の偶数番号になっている(列車番号は時刻表にも掲載されている)。
紀勢本線はちょっとややこしいが、そんなところが胸をくすぐる路線ともいえる。
紀伊半島は鏃(矢じり)のような形をしていて、ほぼ日本の中心に位置し、日本で最大の半島である。
地図を見た感じでの紀伊半島の左右(西東)の起点は、くびれからして大阪と名古屋といっていい。学術上の定義はさておき、これは私の勝手な見解であるが。
紀伊半島の突端である潮岬に行くため、この紀伊半島を一周しようと思いたったのだが、距離はどのくらいなのだろう。目途として、ちょうどいい具合に半島の海岸線を鉄道が走っている。
「JR時刻表」(2024年7月号)をもとに、私が辿る大阪から名古屋までの鉄道の距離を計算してみた。
・天王寺駅→(阪和線)61.3㎞・和歌山駅→(紀勢本線)159.1km・串本駅→(紀勢本線)41.6km・新宮駅→(紀勢本線)180.2km・亀山駅→(関西本線)59.9km・名古屋駅。
メインの「紀勢本線」は、和歌山駅から紀伊半島をぐるりと周り三重・亀山駅までで、距離(和歌山駅~和歌山市駅間は入れない)は380.9km。
半島の根元である大阪から紀伊半島を一周して反対側の名古屋に至る、大阪・天王寺駅から名古屋駅までの総距離は計502.1kmである。
新幹線の東京駅から名古屋駅間が366kmだから、紀勢本線はそれより長いということである。
大阪から紀伊半島を一周して名古屋に至る距離は、新幹線の東京から京都までの距離が513kmであるから、ほぼ東京~京都間である。
大阪・天王寺駅からほぼ真っすぐ西に向かう関西本線(大和路線)で、奈良経由で名古屋駅に至る距離は171.4km。
紀勢本線で紀伊半島を周ると、ほぼ直線で横断する距離の約3倍を走るということである。
ちなみに、新幹線による新大阪駅から京都を経て名古屋駅へ至る距離は186.6kmである。
*紀勢本線の不思議
大阪から潮岬の串本方面に行く路線の、「JR時刻表」を見ていたときのことである。
先に書いたように、天王寺駅から和歌山駅までは「阪和線」で、和歌山駅から紀伊半島の突端串本を周り反対側の三重の亀山までは「紀勢線」である。
JR時刻表によると、天王寺駅から和歌山駅に向かう阪和線は「下り」となっている(京都・—関西空港・和歌山(阪和線・関西空港線・下り)の頁)。ところが、和歌山駅から先の別の頁にある紀勢線は「上り」となっている。
阪和線と紀勢線は連続して繋がっている。私が天王寺駅から乗った「くろしお11号」も、新宮駅まで連続で走る。つまり、天王寺からの「上り」の列車が、和歌山駅から「下り」の列車になるということである。
これは、ちと奇妙だ。
*「上り」と「下り」の規定
首都である東京へ向かう方向が「上り」で、首都・東京から遠ざかる方向が「下り」というのは知られている通りである。このことは、鉄道のみならず道路もそうである。
いや、鉄道が敷かれる前からそうであった。であるから、明治になり首都が東京に移る遷都以前の江戸時代には、東海道は京都方面が「上り」で東京(江戸)方面が「下り」だった。
関西の「上方落語」というのは、かつてのこの時代の名残である。
鉄道の路線で、東京に向かっているかどうかあいまいな路線もある。この場合、どう扱っているのだろうか。
鉄道は建設される場合、国に届出上、その路線の「起点」「終点」が定められる。例えば、東海道本線の場合は東京駅が起点で神戸駅が終点である。
つまり、起点に向かう方向を「上り」、起点から遠ざかる方向を「下り」と呼ぶ。
起点は、慣例として東京駅に近い方となった。
阪和線は、起点は天王寺駅で終点は和歌山駅である。であるから、大阪・天王寺から和歌山方面が「下り」である。
紀勢本線の起点は亀山駅で終点は和歌山駅である。したがって、和歌山駅から三重・亀山駅へ向かうのが「上り」である。
であるから、天王寺から和歌山を過ぎる列車は「下り」から「上り」に変貌することになる。
紀勢本線で少し複雑なのは、和歌山駅から新宮駅(和歌山県)まではJR西日本、新宮駅から亀山駅(三重県)まではJR東海の管轄ということである。
時刻表を見ると、和歌山から串本・亀山方面に向かう列車は、普通列車は御坊駅か紀伊田辺駅止まりで、特急でも新宮駅が終点である。起点から終点の亀山~和歌山間を連続して走る列車はない。
この紀勢線の変則的な形をとる列車を、JR西日本では列車運転の実情に合わせる形で、和歌山→新宮方面が「下り」、新宮→和歌山方面が「上り」としている。
列車番号も、和歌山→新宮方面が「下り」の奇数番号、新宮→和歌山方面が「上り」の偶数番号になっている(列車番号は時刻表にも掲載されている)。
紀勢本線はちょっとややこしいが、そんなところが胸をくすぐる路線ともいえる。
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