写真エッセイ&工房「木馬」

日々の身近な出来事や想いを短いエッセイにのせて、 瀬戸内の岩国から…… 
  茅野 友

新春登山

2020年01月06日 | スポーツ・山登り・釣り・遊び

 ゆっくりと起きた朝、正月の間の不摂生がたたったせいだろうか、少し体が重く感じる。これではいけないと思い、久しぶりに標高200mの城山に登ってみることにした。奥さんに声をかけると「私も登るわ」と、もう支度をし始める。

 車で登山口のある紅葉谷公園に向かって家を出る。10時15分に登り始めた。最後に登ったのはいつだったろうか。思い出せないくらい遠ざかっている。10年も前、同級生の友人が、25分あれば頂上まで登ることが出来るという話を聞いていた。

 その直後、私は1人で挑戦したことがあった。少し無理をして一気に登った結果、同じく25分で登ることが出来た。そんなことを話しながらストックを突いてゆっくりと登っていった。

 気温は7度と肌寒い。ゆっくり上るせいか汗ばむこともなく、疲れることもない。途中、小学生の団体と出合い、大きな声であいさつを交わしたせいか、元気をもらって足取りも軽く感じる。思っていたよりも順調に頂上に着いた。

 そっと腕時計を見ると、10時50分を差している。所要時間は35分であった。10年前の25分には遠く及ばなかったが、少し足の具合の悪い奥さんに歩調を合わせて登ったのだからこのくらいでよかろう。この年にも拘わらず足腰に少し自信がもてた。

 岩国城の中に入り天守閣の最上階から岩国の市街地を眼下に眺める。四国までは見えなかったが絶景を久しぶりに満喫した。「下りはロープウェイにしようか」というと、「運動しに来たのだから歩いておりましょう」と、きっぱりいう奥さんと来た道を下った。

 上り下りで合計3.6km歩いたせいであろう、車に乗ったとき腹の虫が鳴り始めた。錦城橋の袂にあるうどん屋さんで「大名うどん」をいただいた。腰のあるおいしい天ぷらうどんであった。折角の腹ごなしの山登りだったけれど、食欲には勝てない年の初めとなった。