写真エッセイ&工房「木馬」

日々の身近な出来事や想いを短いエッセイにのせて、 瀬戸内の岩国から…… 
  茅野 友

梅にメジロ

2018年03月04日 | 季節・自然・植物

 突風が吹き荒れ、ことのほか寒さが厳しかった日の翌日から、一転して4月の中旬のような陽気が2日続いた。ふと、隣の家に植えてある大きな梅の木を見ると、3日見ぬ間に白梅の花が4分咲きくらいに咲いていた。

 今朝、庭に出ていた奥さんが「お父さん、梅にメジロが来て蜜を吸っているわよ」と、玄関で私を誘う。いざ、デジカメをもって急ぎ庭に駆け出た。2羽のメジロが忙しなく枝を飛び回っている。そっとカメラを向けて、望遠を利かして連写した。くちばしを花の真ん中に向けたいい写真が1枚撮れた。

 「梅にウグイス」とは言うけれど、「梅にメジロ」とは言わない。子供のころ、童謡の「うぐいす」という歌を歌ったことを思い出した。♪ 梅の小枝でウグイスは 春が来たよと歌います ホウホウホケキョ ホウホケキョ ♪というものであった。童謡でも「梅にウグイス」である。

 「梅にメジロ」ではなく「梅にウグイス」の訳をネットで調べてみた。「取り合わせのよいもの、よく似合って調和しているもののたとえとして使う言葉で、梅にウグイスが来ると言う意味ではない。二つのものが調和したり似合ったりすることのたとえであり、日本人の早春のイメージであり理想であり文化である」という。

  ウグイスは灰色がかった緑褐色で、見た目はメジロの方が何故かウグイス色をしていてかわいらしい。実際、この季節、梅の花に寄って来るのはメジロである。「梅にメジロ」という方が正しいように思うが、メジロは小鳥の格としては、ウグイスに負けているのであろうか。

 そんなことを思いながら、昼前にまた庭に出てみたが、メジロはもういない。朝食だけが梅の蜜なのかもしれない。呼び寄せるために置いたミカンではなく、自然の姿で梅の蜜を吸うメジロをばっちりと連写で撮ってみた。