俺の明日はどっちだ

50歳を迎えてなお、クルマ、映画、小説、コンサート、酒、興味は尽きない。そんな日常をほぼ日替わりで描写

「男たちの大和 / YAMATO 」

2006年01月13日 02時49分38秒 | 時系列でご覧ください
正月映画の中で「ハリー・ポッターと炎のゴブレット」に次いで第2位の興行成績を上げているという「男たちの大和」を遅ればせながら観てしまった。

角川春樹&佐藤純彌という80年代を彷彿させるタッグチームにさほど大きな望みはかけていなかったけれど、映画そのもの仕上がり具合は右とか左とかではなくただ単純に極めて口当たりの良い、どこか丸め込まれそうな雰囲気に満ちたちょっと危なさげな映画となっていて、これを良しとする人が多いことに対していささか胡散臭さを感じてしまった。

てっきりスポーツキャスターだと思っていた長島一茂扮する臼淵大尉が決戦前日、戦争に対する納得付けでもめていた若い兵士たちのあいだに入ってきて
「日本が生まれ変り目覚める為にさきがけて散る。本望じゃないか」
などのたまってくれちゃって、それに対して何となく同意してしまう(かのように見える)兵士たちの姿を見て、映画としての絵空事感をとても強く感じた。

渡哲也扮する第二艦隊司令長官が余りに無謀な作戦に関して異議を唱えた際、上官が
「・・・・は、日本にはもう軍艦はないのかと、云々・・・・」
という台詞にこそ、感じ入るところはあったけれど、全体を通して結局のところ一体何を描きたかったのか、今ひとつ理解しかねたというのが正直なところ。

だから戦争での生き残りの老人を演じる仲代達也が「何で60年も生かされてきたのか理由が判った」と言ってくれても、観ている側からすると、一体なんのこっちゃということになってしまった。

そして実はもともと野上龍雄と井上淳一の手によるオリジナル脚本( 『月刊シナリオ1月号』掲載 )があるらしく、それと決定稿はかなり違っているとのことで、映画の仕組みを改めて知るうえでも、そこに至る経緯に思わず興味を持ってしまうのだ。


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