俺の明日はどっちだ

50歳を迎えてなお、クルマ、映画、小説、コンサート、酒、興味は尽きない。そんな日常をほぼ日替わりで描写

「シャネル&ストラヴィンスキー」  COCO CHANEL & IGOR STRAVINSKY

2010年02月27日 20時51分51秒 | 時系列でご覧ください

時は1913年5月29日のパリ。
シャンゼリゼ劇場でバレエ・リュス(ロシア・バレエ団)の公演としてストラヴィンスキー『春の祭典』の初演が行われる冒頭のシーンのなんと魅力的なことか!

さもありなんと思わせる見事に再現されている劇場の雰囲気、そして噂の新作に対して期待と好奇に満ちる人々の様子を丹念に細部にわたって描くその圧倒的なスケール感溢れる描写に心ワクワク。

そしてやがて始まるそのステージは不協和音に満ち、リズムも変則的で、衣装も従来のクラシックバレエとは大きくかけ離れたプリミティヴなもので、ロシアアヴァンギャルドの流れを受けた大いに刺激的なもので、見どころたっぷり。



ストラヴィンスキーとニジンスキーとのやりとりなど個人的にもっと見てみたかったけれど、まあそれはさておき、その後に続くシャネルとストラヴィンスキーの大人の恋物語もまた、お子ちゃま向けハリウッド映画とはまったく比較にならないほど凛として、心グラグラ。

そしてシャネルのファッションにはまったく興味を持っていなかったけれど、主人公ココ・シャネルに扮するアナ・ムグラリスの美しさと圧倒的な存在感で、別荘の建物そのものから調品や小物にいたるまでその世界観にすっかり魅了されてしまったのだ。



加えてさすが R18 というか、アン・リーの「ラスト・コーション」以来久々に観てしまった妙に生々しいラブシーン。
ストラヴィンスキーとシャネルがいかにして互いに向き合うようになったかといった心理描写を極力抑えている分、ことさら濃厚なリアリティを感じ、そうした男女間の融合が例えば「 No5 」の香りのきっかけとなったのではとすら思え、単なる不倫物語とは激しくかけ離れた大人のラヴストーリーに仕上がっていて、大いに堪能させられたのでありました。

ファッションを見るだけでもかなり刺激的であるし、そういった方面に興味のある人にも大いにおススメであります。



それにしてもココ・シャネル、めちゃかっこ良すぎです。



今日の1曲 “ Le Sacre du Printemps (The Rite of Spring) ” :  Berlin Philharmonic Orchestra



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