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新幹線が金沢にやってくる遥か前から、鮨を食べることだけを目的にこの街にやってくる人は数多くいた。
そしてそんな人たちにとって、ある意味最終的なディスティネーションとなっている店の一つが(もちろん個人差はあるけれど)高谷さんの店「 太平寿し 」のような気がする。
その枠に捉われない自由奔放な発想の鮨の数々は、見ても楽しく、食べてすこぶる美味しく、とにかく素晴らしいの一言に尽きるのだ。
ということで、先日ちょっと久しぶり ( 前回の様子は → コチラ ) にお邪魔し、相変わらず工夫を凝らした鮨の数々を存分に堪能させてもらったのでありました。
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何気なく食べ始めた付き出しは「のど黒の卵」だそうで、淡い味わいで次への期待感が募ります。
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そして、酒を楽しんでもらうために揃えたかのように思える? 昆布を敷いて蒸した「蒸しウニ」に、新子に近い「コハダ」、そして何故にここで食べると、かくも旨いのか「赤西貝」という魅惑の3点セットで、心は早くもググッと鷲掴まれ状態(笑)
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実はこの日の太平さん、握りと造りをセットで供するスタイルが中心となっていたけれど、最初に登場した「なめら」は、造りには紅葉おろしが、握りには英国の塩がちょこっと添えられていて、これがどちらも旨いのなんのって…。
熟成感たっぷりで、訊くとちょうど食べ頃の4日目だというこの なめら、とにかく今まで食べた「なめら」の中で、多分一番の美味しさだったのであります。
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そして続いて登場してきたのが、見た目にも美味しさ伝わる三陸沖で獲れた鰹と、ハートのシャリでお馴染みの鯖の棒寿し。
どちらも口の中に入れた途端、普段食べているカツオは何? サバはどないねん? と思わせてくれるまったく別物の旨さで、うひゃ~、堪りません。
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こちらも今やお馴染みとなった小さな小さな「イクラ丼」だけど、イクラ = 軍艦巻きではなく、こういった発想も高谷さんらしいなと改めて思ってしまうし、シーズン始めということでいつもよりさらに旨く感じるイクラをこんな風にちょこっと食べると、なお旨し! なのであります。。
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そしてカウンター越しで見ていたのでよくわかるけど、本当に軽く軽く漬けこんだ「マグロのづけ」。
決して薀蓄をあれこれ語るわけではなく、手間をさりげなくかけ、赤身の旨さを際立たせてくれるその味わいに、思わず唸ってしまうのであります。
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唸ってしまうと言えば、やっぱりこれぞ本家本元の「 のど黒の蒸し寿司 」。
のど黒を味わう術は数あれど、やはり極めつけはこれだなと、食べるたびに思ってしまうのであります。
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あぶらがのってぷっくりしたイワシは、例によって合わせ技によって鉄火より旨さ感じてしまう巻物となり、高谷さん曰く名付けて「イワシのCTスキャン鮨」(苦笑)
冗談とは言え、何ともそそられないネーミングだけど、こうした会話のやり取りもご馳走のひとつなんだなぁ、これが。
※ちなみにこの写真だけは、前回行ったときのものです。
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アワビと聞くとその高級食材ぶりに、つい身構えてしまうけれど、良い意味でさりげなく出してもらうと、あらよっと食べてしまう高谷マジック(笑)
それにしてもこの日はちょうど適したアワビがなくて出来なかったとのことだけど、まっこと美味しそうに語ってくれた「鮑のすり流し」、次回は是非とも食べてみたいものです。
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そしてこれが出るとそろそろというサインとなる「アナゴ」は、今回はツメで…。
ふっくら焼かれた穴子はやっぱりたまらん美味しさ。
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さらに夏の名残の能登岩牡蠣を追加で食べたあと、
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この日のスペシャリテとばかり、とっておき感たっぷりに冷蔵庫から出してくれたのが、夏のトリュフ、夏のサマーポルチーニならぬ、晩夏のズワイガニ。
実は鰻を買いにとある鰻屋さんに行ったところ、こんなのもあるんやけどと渡されたのがこの季節外れのズワイガニ。
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太い脚の部分を丸ごと1本使い、さらに味噌をのせ、一気に口の中に放り込むと、気持ちは、気持ちは、はひふへほ~!
今思い出してもよだれが出てくるとんでもない旨さに思わず悶絶だったのでありました。
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加えて、今回改めて思ったのが、器と鮨との一体性。
写真を撮るとき、どうしても鮨を中心に撮ってしまうけれど、今回いつもより引き気味で写真を撮ることによって、高谷さんが意図するものを少しは理解できたような気がする、そんなひと時でもあったもあったのでした。
どうもご馳走様でした。
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今日の1曲 “ Desperados Waiting For A Train ” : Jerry Jeff Walker
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