俺の明日はどっちだ

50歳を迎えてなお、クルマ、映画、小説、コンサート、酒、興味は尽きない。そんな日常をほぼ日替わりで描写

「ガチ☆ボーイ」

2008年03月13日 22時28分17秒 | 時系列でご覧ください
うーん、確かに泣かせるし、素直に感動したいところだったのだけど、前評判の高さから期待するところが大きかった分いささか物足りなくもあった青春ガチンコムービー。

映画「4分間のピアニスト」ならぬ「20分間の学生プロレスラー」とでも言うべきか、終盤の“ NO CG ”、“ NO WIRE ”、“ NO STUNT ”で展開される熱きガチンコバトルは、その前段の仲里依紗の自転車の疾走シーンを含めて確かに感動的で、良い意味でベタな伏線の回収も予定調和的とは言え胸に迫るものがあり、涙腺は激しく緩みっぱなしだったのは事実だ。

加えて試合前日にレッドタイフーン(向井理)が五十嵐(佐藤隆太)に湯船の中で語りかける「自分の記憶に残らなくても、みんなの記憶に刻んでやれよ」といった言葉そのものには大いに納得もした。



ただなあ、やはりそこへいたるまでの描写が粗いというか、せっかくの魅力的な素材が生かしきれてなく、すっかり見せてしまっている(どう考えても見せすぎだろ!)予告編以上のものが伝わってこなかったのだ。

主人公の五十嵐はさておき、もっと印象深くなるはずであろう他の登場人物たちがそれぞれ類型的というか、あまりに描き込まれていないため「サマータイムマシンブルース」ほどキャラも弾けていなかったし、サイドストーリー的に描かれるドロップキック佐田のエピソードもちょいと中途半端気味。

そして強引過ぎるBGMによる泣かせ演出には、わかっちゃいるけれどのせられつつも、ちょいとあざとさも同時に感じてしまったのだ。トホホホ。



決して悪い映画ではないし、それなりに楽しい映画であることに間違いはないけれど、どこかもったいない感を強く感じてしまい、同じプロレス映画なら個人的にはやはり「お父さんのバックドロップ」だなと妙に納得(苦笑)。

それにしてもおいしい役どころの泉谷しげる、そのあまりにまともな演技っぷりに今後の彼の役者としての方向性に対してちょっと不安になってしまったのだけど、これって考えすぎかなあ?


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