俺の明日はどっちだ

50歳を迎えてなお、クルマ、映画、小説、コンサート、酒、興味は尽きない。そんな日常をほぼ日替わりで描写

四遊の夏

2007年07月15日 03時34分26秒 | 時系列でご覧ください
昨日の夜はちょっと大変だった仕事の目途もほぼついて一段落、ということでお馴染み尾山町の「四遊」さんへ。



最初に出てきたのは先日「あいじ」でも食べた『海そうめん』。
太モズク? 黒モズク? と見た目ではやっぱりわかんないなあ思いつつ、今の季節がちょうど産卵期なので一番おいしいという話を聞かされると、俄然おいしさが増してしまったりして。まっこと単純な野郎です(苦笑)。


続いて出てきたのが『岩茸の絹皮豆腐と鱧の素麺』。
写真を撮ったつもりだったのだけど探せど見つからず。うーん、残念。
とにかく標高800メートル以上の高所の石英粗面岩や硅岩など岩壁の垂直面に張り付く様に生えているという『岩茸』、成長に時間がかかり、かつ取るのも大変ということでなかなか貴重な食材なんだそう。
国産の鱧を使った鱧素麺ともども、まさに初夏の味わい。




そう、季節はもう夏なんだなあと実感させてくれたのが、この『だだちゃ豆』。
本来ならもう少し後に出回るはずなんだけど、山形の知り合いの農家の人から直接送ってもらったそうで、はしりである分、粒は小さいけれど、だだちゃ豆らしい濃厚な味がちゃんと伝わってきて、いやはや日本の夏!という感じ。
ちなみに後ろにいるのは『スライスあわび』であります。



そして夏といえばやっぱりこれでしょうとばかり椀物でも『鱧』がこれまた夏の食材である『じゅんさい』とともにベストマッチとして登場。
佐伯くんらしい薄味に梅肉の風味が泣かせます。
(ちなみに写真では分かりにくいけれど、お椀の蓋にはちゃんと霧吹きでしずる感が演出されていて、このあたりの細かい技もニクい!)



で、お次は食べ始めてから写真を撮るのを思い出し、かつ(このあたりからカメラを持つ手がいささかおぼつかなくなり)ピンボケとなってしまったお刺身三点盛り。
白カレイと赤イカと気仙沼の鰹のたたき。上にのった野菜とのバランスがお見事。



そして実はこの日一番感動してしまったのが、何を隠そうこの『鮎の塩焼き』。
森詠の小説「那珂川青春期」の舞台にもなっていた栃木県の那珂川で獲れたというこの鮎。
結構立派な大きさなんだけど、まったく大味ではなく、まさに鮎~!といった味わいで、焼き方も絶妙だから頭からもムシャムシャと。
とにかく本当に、うっ、ま~い!!
そして歳を重ねるにしたがってどんどんどんどんこういったところに向かっているんだろうなあと強く強く実感(笑)。




鮎が来たんだったらやっぱりこれもねとばかり続いて登場してきたのが、やったー! さっきまでカウンターの上で泳いでいた『どじょうのから揚げ』。
くず粉で揚げたこのどじょう、まったく臭みはないし、カレー塩が効いていてさっぱりしてつまみとしても最高。




さらに追い討ちをかけるようにして出てきたのはこれまた夏を感じさせる『冬瓜』。
夏の野菜なのに何故に冬瓜? という昔からの疑問はさておき、上にのったとろろ昆布との相性の良さもさることながら、さらにその上にのっている『鯛の唐墨』が絶妙。
最近いろんなところでいろんな唐墨を食べさせてもらっているけれど、鯛はお初。結構あっさり系でとにかく良いバランスでありました。



そして最後とどめに出てきたのが、ご存知能登の夏の風物食材、『生岩牡蠣』。
牡蠣そのものの美味しさはもちろんのこと、岩牡蠣のエキスとトマトと昆布だしを合わせたゼリー寄せが堪らん味のハーモーニーを醸し出してくれたりするんですわ、これが。
残った汁もジュルジュルと飲んで、うまーい!



ということでここまで食べてすっかり満腹状態となり、食事のほうはとりあえずはパスしたのだけど、隣の人が食べているのを見たら、もう少し日本酒を控えるべきだったかなといささか後悔。

ともあれ、季節を感じさせる料理の素晴しさに改めて感じ入り、まさに四遊的な初夏の一夜でありました。


    ちなみにこちらが佐伯くんご夫妻。
    奥さんは基本的に週末だけ登場で、
    そのほかの日は佐伯くんが一人で
    切り盛りしていているのですが、
    それぞれに楽しく食事出来るので、
    どちらの日もオススメであります。


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2 コメント

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美味しそうです。 ^-^ (はんな)
2007-09-26 13:05:34
コメント、ありがとうございました。

飲み系のお店というより、ちゃんとした和食のお店のようですね。鱧とじゅんさいのお椀などがあって・・・。
京都でもそちらでも、同じなんやなあ~、となんとなく感慨深いものがあります。

「秋山」さんはその人間性もかなり気にいっているので、また、京都のほうにもお出かけください。

私もまたいつか、そちらに行くことができたら、美味しいお店、教えてくださいね。(今は、母を一人にすることが難しく、なかなか関西を離れることができませんが・・・)
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◇はんなさん (nikidasu)
2007-09-27 13:05:12
うーん、確かにちゃんとした和食のお店なのですが、個人的には
ほとんど飲み系のお店として使わせてもらっています(苦笑)。

季節感のある素材の使い方、料理の豊富なバリエーション、
器への気配り…、金沢の和食の中でひと際好きなお店です。

ということで、機会があったら是非ご連絡ください。
京都とはまた一味違った「食」を楽しんでいただければと
思っています。
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