俺の明日はどっちだ

50歳を迎えてなお、クルマ、映画、小説、コンサート、酒、興味は尽きない。そんな日常をほぼ日替わりで描写

「バニシング・ポイント」 VANISHING POINT

2007年06月04日 01時53分14秒 | 時系列でご覧ください
テレビ放映では何度か観たような気がするけれど、しっかり観るのは多分1971年の公開当時に『香林坊小劇場』( ← 今思えばあの時代らしい良い館名だなあ)でスピルバーグの「激突!」と前後して観て以来ということとなる「バニシング・ポイント」。

ストーリーそのものは、元海兵隊員でかつ元警察官、そして元オートレースのドライバーで、今は車の陸送をやっている主人公コワルスキー(バリー・ニューマン)が、デンバーからサンフランシスコまでの陸送を引受け、15時間で行くという賭けをし、ただただひたすら突っ走り、そこに暴走を阻止しようとする警察権力や、サポートするファナティックな黒人DJが登場してきて、当時のアメリカの姿を投影させようとしているもの。



そしてこうして今改めて観てみると、劇場のスクリーンではなく自宅のテレビでということも少なからず影響しているとは言え、公開当時に感じた衝撃というか感慨は遥か消えうせてしまっていて、ある意味とても時代性の強い映画だったんだなあと再認識。

とは言え、広大な西部を舞台としたロードムーヴィーとして、変な言い方だけど正統派アメリカ映画でもあったこの作品、その風景の捉え方とか見るべきところも随所にあり、決して見飽きることはなかった。

そして見飽きることのないと言う意味では、中でも怪しいカルト集団みたいな面々が歌い踊るシーンが個人的には最高。
当時日本ではほとんど無名だった知る人ぞ知るスワンプロック界のおしどり夫婦デラニー&ボニーが登場していて、その隣にはリタ・クーリッジも!



ともあれ、オープニングのすぐあとのシーンで対向車とのすれ違いざまに一瞬にして車が消滅する( = VANISHING )鮮やかな演出と、不敵な笑みを浮かべながらブルドーザーに向かうエンディングは、やはり心打ってしまうかな。

まさに遠くなりけり70年代であります(苦笑)。



今日の1曲 “ Poor Elijah ” :  Delaney, Bonnie & Friends

1969年、イギリスのスーパー・グループ、ブラインド・フェイスのアメリカ公演の前座に抜てきされた時、エリック・クラプトンがその演奏にノック・アウトされ、以降ともにツアーにまで同行してしまったという逸話の残るデラニー&ボニー。
レオン・ラッセル、マーク・ベノ、リタ・クーリッジ、デュアン・オールマンといったロサンゼルス中心のミュージシャンに加え、デイヴ・メイスンやジョー・コッカーらイギリスのミュージシャンとも親交の深かった彼らの音楽は是非一度聴いて欲しいものです。
特にボニー・ブラムレットのシャウトする白人離れしたヴォーカルが堪りません。
ちなみにかの名作『 Layla And Other Assorted Love Songs (いとしのレイラ)』で有名なデレク&ドミノスはそんな彼らのバック・バンドのメンバー3人とクラプトンがを結成したグループだったりします。
クラプトンが好きなら絶対気に入ってしまう超おすすめなライヴアルバムの名盤『 Delaney & Bonnie On Tour With Eric Clapton 』の試聴はこちら
当時の動画はコチラ から


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