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俺の明日はどっちだ

50歳を迎えてなお、クルマ、映画、小説、コンサート、酒、興味は尽きない。そんな日常をほぼ日替わりで描写

「ジャーヘッド」 Jarhead

2006年02月13日 02時16分57秒 | 時系列でご覧ください
"Four days, four hours, one minute. That was my war,"
the Marine sniper Tony Swofford tells us.
"I never shot my rifle."
実際に海兵隊の狙撃手として湾岸戦争に従事したアンソニー・スオフォードのベストセラーとなった回顧録「ジャーヘッド~アメリカ海兵隊員の告白~」を題材としたサム・メンデス監督作品。

たいした理由もなく人生のひとつのチョイスとしてアメリカ海兵隊に普通に入隊したジェイク・ギレンズホール扮する主人公(愛読書がカミュの「異邦人」!)がS・キューブリックの「フルメタル・ジャケット」を思い出させる過酷な訓練の後、行った先は敵の姿などどこにもない砂漠。
そしてそこに待ち受けていたのは思い描いていたのとははるかに違った、ただただひたすら「開戦」を待ち続ける退屈な日々。

そうした戦闘のない戦争映画としてこの映画は基本的に成り立っているのだけど、途中に描かれる「地獄の黙示録」の上映会でのワグナーの「ワルキューレの騎行」が流れるシーンでの兵士たちの高揚感、タイトルだけ「ディア・ハンター」のビデオエピソードなど、ハイテク戦争とかTVゲームバトルとか言われていたあの戦争で「底辺」にいた兵士たちの等身大の姿を、ある意味真面目な「M★A★S★H」的とでも言うべきアプローチで描かれていて、とても興味深かった。

終盤、人を撃ち殺そうとすることに対して何の倫理観も持ち合わせず、ただひたすらそれまでの成果としての結果を求める姿に、人間のはかなさが強く描かれていて印象的。

そしてさっき、たまたまテレビで英国軍兵士がイラクの子供に暴行を加える様子が流れていたけれど、映画でも描かれていたようにあそこまで追い詰められた状況において理性など機能しないだろうと、(決して容認はしないにせよ)改めて思い知らされた。



今日の1曲 “ Break On Through ” : The Doors

予告編でボビー・マクファーリンの「Dont't Worry Be Happy」を聴いたときはもっとお気軽な脱力系ムービーだと思っていたのですが・・・・・。
それはさておき音楽的にはこの映画、ずいぶんベトナム世代を意識していたような気がします。
そんな中1967年にリリースされたドアーズのデビューアルバム“ The Doors ”に収録されているドアーズのこの曲「ブレーク・オン・スルー」が流れたときには、実はT-Rexの「Get It On」のとき以上に笑ってしまった。





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1 コメント

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こんにちは♪ (ミチ)
2006-02-15 20:03:12
「ディアハンター」にはじまりいろんな戦争映画を見てきました。

15年前の湾岸戦争はすでにベトナム戦争とはずいぶん違うなというふうに思いました。

軍隊は男の世界で、女性にはなかなか分からない部分も多いのですが、とにかく異常な精神状態に持っていかないと戦場へは行けないということですね。
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