俺の明日はどっちだ

50歳を迎えてなお、クルマ、映画、小説、コンサート、酒、興味は尽きない。そんな日常をほぼ日替わりで描写

「恋するベーカリー」  It's Complicated

2010年03月03日 12時37分31秒 | 時系列でご覧ください

「年齢も君の魅力さ」 か・・・。

1949年生まれのナンシー・マイヤーズ監督が、メリル・ストリープ、スティーヴ・マーティン、アレック・ボールドウィンといったほぼ同世代である連中を主演に迎えて贈る団塊の世代による団塊の世代のための団塊の世代らしい大人のロマンティック・コメディ。



10年前に離婚を経験したのちベーカリーを経営しながら3人の子供を育てあげたメリル・ストリープ演じるジェーン。
生活には何も不自由は感じてはいない彼女なのだけれど、末っ子の娘も独立して家を出ることとなり、一人暮らしの寂しさをかみ締めはじめたときにたまたま弁護士として成功しているかつての夫ジェイク(アレック・ボールドウィン)と再会し、焼けぼっくいに火がつき、さらには離婚経験がある建築家のアダム(スティーヴ・マーティン)に対しても淡い恋が芽生えるといった具合に彼女の事情はいささか Complicate (「こみいっている」=原題)・・・。



実はこうしたいつもながらの能天気な展開そのものは何だかくすぐったく、勝手にしておくれと思わないこともないけれど、そこはそれ、さすがナンシー・マイヤーズ、つぼを押さえた演出で決してウェルメイドな作りでお茶を濁すことなくそれなりに楽しませてくれるのだ。

思えば、かつて離婚をテーマとしたハリウッド映画が多く作られ、そのときも数で常に主流派だったベビーブーマー世代が子育て時期を過ぎた今、改めてこうして彼らをターゲッティングにしたと思わしき映画が家族への回帰へと向かうのは何だか興味深かった。

加えてビデオチャットを楽しんだり、27年ぶりだと言って、70年代を引きずってマリファナを吸ってぶっ飛んではしゃぐ初老のおじちゃんおばちゃんの可笑しさは、いつまでも青春したがる彼の地のワスプ( White Anglo-Saxon Protestant )の今ある願望の具現化としてかなり納得させられもしたのであります。



ちなみに映画の中で出てくる3人の子供が、昔からの知り合い家族の子供たちと年齢こそ若干違えど男女分け、キャラクター設定など激しく酷似していてびっくり。
映画だけ見る分にはどこかある得ない設定ながら、そんな家族も実際にいたりするんだなこれが。



まあそれはともかく、面白く感じるかどうか人によって大きく違う気がするけれど、無邪気な大人のちょいと生々しいロマンチックコメディとしてまずまずおススメであります。
機会があれば是非。



今日の1曲 “ Wouldn't it be nice ” :  The Beach Boys

~ もっと歳をとったら素敵だろうな。
そうすりゃこんなに待たなくて済むよ。
一緒に暮らせたら素敵だろうな。
2人だけのものだよと言える世界でね ♪


いろんな曲が流れていた中、心にグッと来たのはやはりこの曲。
1966年にリリースされたビーチボーイズ永遠の名盤「 Pet Sounds 」に収録されちょります。
キュートな歌詞が出ている映像とともにどうぞ!



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