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第41回マイルCS回顧~名牝系、緊張→緩和で6歳に大輪

2024-11-19 13:39:36 | 血統予想

マイルCS
◎11.チャリン
○10.レイベリング
▲6.オオバンブルマイ
△4.ナミュール
×2.ブレイディヴェーグ
×13.ソウルラッシュ
×15.セリフォス
チャリンの父ダークエンジェルはマッドクールの父でもあり、欧州だけでなく日本や香港や北米でも良績がある血だ。サプレザのように京都外でしなやかに斬れるタイプではないが、いつも好位から早め先頭で押し切るさまはまさにザ・マイラー。マイルCSでもタイキシャトルのようなレースで、芝1600をこうやって勝つのがマイル王なのだというレースを見せてくれるだろう。
レイベリングは好配合のフランケル産駒で、母母がルファビュリュー3×3なので燃え上がる気性が難で1200を使ったりしていたが、前走は1400のHペースをうなりながら追走し、抜け出すときのフォームは相変わらず一級品。血統・馬体・フォーム三拍子そろった素晴らしい馬で、朝日杯でも◎にして将来が楽しみだと書いたが、そんなレイベリングが紆余曲折の末ついにG1に駒をすすめてきたのだから期待も不安もマックスの○。
そんなわけでチャリンとレイベリングを買いたい今年のマイルCSだが、オオバンブルマイはディープ×ストームキャット×アンブライドルズソングの黄金トライアングルで、京都外マイルが一番斬れるイメージがあるだけにこれを▲とした。ナミュールとソウルラッシュとセリフォスのいつもの後先、この前に◎○▲が躍り出ることを期待。

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例によってNETKEIBAの全頭解説より1~3着を

ソウルラッシュ
ディオの3/4兄で、ヒラボクディープの甥で、ヘネシー、エディターズノート、カフェブリッツなども同牝系。ディオ同様Storm Catのマイラーっぽさが強く、芝1600は[6-3-2-4]で着外はいずれもG1。今でもマイラーというよりは1800型に見えるのだが、マイルの前傾ラップにも高速決着にも対応するし何より地力がある。芝1600で勝ち時計1分33秒以上かかったときは[4-0-0-0]で、芝稍重[3-0-1-0]重[1-0-0-0]。時計がかかればついに勝ちきれるかも。(距離○スピード 底力◎コース◎)



エルトンバローズ
ドグマやカバーガールの下で、グランプリゴールドの甥でダノンプログラマーのイトコ。母母ニュースヴァリューはJRA6勝のオープン馬。さかのぼるとアドマイヤベガやハープスターなど活躍馬が多数出る牝系だ。父ディープブリランテはダービー馬でモズベッロやラプタスなどの父。ディープとSeattle Songだから斬れ味のある配合だが、母父ブライアンズタイムでパワーや機動力も兼備し弱点の少ない1800型。マイルは少し忙しいが後傾ラップなら昨年(4着)ぐらいは。(距離○スピード○底力◎コース◎)



ウインマーベル
ウインアイルビータの全弟で、母コスモマーベラスは愛知杯2着。ペプチドルビー~ペプチドヤマト親子も近親。牝祖シングルブレイドはガゼルH(米G1・ダ9F)勝ち馬。アイルハヴアナザー×フジキセキはアナザートゥルースなどと同じで高確率で成功した。父のDanzigやRobertoのパワーが強く急坂コース向き。戦績どおりベスト距離は1400で、1200だとワンポジ後ろになってしまう。阪神内1400最強だが、初めての大箱マイルで行くか差すか。(距離○スピード○底力◎コース○)



ナミュールvsソウルラッシュvsセリフォスの第○回宿命の対決に、欧州最強マイラーが断を下すと予想した今年のマイルCSですが、Mahmoud校長が「チャリンはスタートが遅いから、たぶん最初は後ろから押し上げていく形になるだろう」と言っていたとおりの出脚で(^ ^;)、私はタイキシャトルみたいなレースで勝つと思ったんですが、最強マイラーの凄みは見せてくれました

明らかに外伸び優勢なバイアスにおいて、馬場の悪いインを走ったナミュールはトモに違和感を感じセリフォスは伸びきれず、それを尻目にソウルラッシュはここでベストパフォーマンス叩き出すんかという完勝で、6歳の秋についにマイルチャンピオンの座にのぼりつめたのです

<それにしてもキングカメハメハ系種牡馬×マンハッタンカフェ牝馬の配合は、以下のように最近猛威を振るってます
この組み合わせはPasadoble≒Allegedのニアリークロス(Ribot、Princequillo、War Admiral、Flower Bowl≒Determine、Count Fleetが共通)で両者のパワーが表現されやすいのでペプチドナイルのようなダート巧者も出るのですが、キングカメハメハがNorthern Dancer4×4・6でキンカメ系種牡馬はNorthern Dancerクロスがうるさい配合が多いので、非Northern DancerのマンハッタンカフェをもってきてNorthern Dancerクロスについての緊張→緩和で爆発しているという面のほうが大きいでしょうね(ちなみにテーオーロイヤルの父リオンディーズはNureyev≒Sadler's Wells4×3とNorthern Dancer5・5・7×4・6、母メイショウオウヒはNorthern Dancerなし)>(24年天皇賞・春回顧)





<ペプチドナイルの配合のポイントは主に二つ、一つは母父マンハッタンカフェが非Northern Dancerなので、絵に描いたような「3/4Northern Dancerクロス」になっていること
土曜のダイヤモンドSはリオンディーズ×マンハッタンカフェのテーオーロイヤルが勝ちましたが、Northern Dancer血脈が強いキンカメ系種牡馬×マンハッタンカフェ肌が成功しているのは、緊張と緩和という配合史的概念でみても順当といえます
ちなみにキンカメ系でもドゥラメンテ、ホッコータルマエ、ラブリーデイ、レイデオロなどは上記種牡馬ほどNorthern Dancerが濃くないので、マンカフェ肌との配合は上記種牡馬ほど成功していません>(24年フェブラリーS回顧)

「Northern Dancerクロスが強いキンカメ系種牡馬×非Northern Dancerのマンハッタンカフェ肌」が猛威をふるう今年ですが、ソウルラッシュもテーオーロイヤルもペプチドナイルも6歳にしてのG1初制覇で、この晩成は緊張→緩和のたまものともいえるでしょう(あとロードカナロア×マンハッタンカフェの7歳クロミナンスも今が一番強い)



ソウルラッシュは母母キャットアリもなかなか有能な繁殖で、上のようにヘネシーと3/4同血になり、産駒に青葉賞のヒラボクディープ、孫にソウルラッシュとディオの兄弟と早くも3頭のオープン馬が出ています

T.C.Kittenは平出さんの「覚えておきたい世界の牝系100」にも収録されているように子孫が大繁栄した名繁殖ですが、02年カルティエ賞最優秀2歳牡馬Hold That TigerもStorm Cat×T.C.Kittenですね

T.C.Kitten(Tom Cat)
├Island Kitty(Hawaii)
│└ヘネシー(Storm Cat) ホープフルS-米G1
├Careless Kitten(Caro)
│└キャットアリ(Storm Cat) 北米1勝
└Beware of the Cat(Caveat)
 └Hold That Tiger(Storm Cat) カルティエ賞最優秀2歳牡馬



T.C.Kittenの父Tom CatはEquipoise4×3をもち、母NeedlebugはJohn P.Grier=Miss Whiskの全きょうだいクロス4×4

このEquipoiseとJohn P.Grierは以下のようにニアリーな関係なので、T.C.KittenはEquipoise≒John P.Grier=Miss Whisk4・5×5・5をもつことになります





またStorm Catの4代母First RoseとTom Foolがニアリーで、これがヘネシーの配合のポイントだろうという話は何度か書いてますが、First Roseの母母Rowes BudとEquipoiseも以下のようにニアリーで、こうしてみるとT.C.Kittenが子孫を繁栄させた理由や、特にStorm Cat系との配合で成功した理由が何となくわかりますよね



2018年最初は、Storm CatとFirst Rose≒Tom Fool≒Spring Runの話
https://blog.goo.ne.jp/nas-quillo/e/4e1a38d2a4a084fe02894360523af490

ヘネシー~ヨハネスブルグ親子はともに日本に導入されて手堅い成功をおさめましたが、ヨハネスブルグ産駒Scat DaddyはJustify、No Nay Never、Sioux Nation、カラヴァッジオ、ミスターメロディなどを出し、種牡馬として以上に種牡馬の父として成功しStorm Cat系の一大勢力になりました(そういやカラヴァッジオは今年受胎率が70%超えたそうで、畳二枚作戦すばらしい)

これらは特に欧州芝マイルで成功しているのが特徴で、たとえばモズアスコットの芝ダ兼用の活躍ぶりなんかも、Frankelというよりヘネシーのイメージのほうが強いです

前にも書きましたが、モズアスコットの配合はMiswaki4×3がやはりキーで、これとBlushing GroomによってヘネシーのTom Fool的な良さが活きているように思いますね



というわけでヘネシーはStorm Cat系屈指の日本向きマイラー血脈なので(ダート向きのパワーに振ったヘニーヒューズも大成功)、キャットアリ≒ヘネシーの3/4同血クロスを狙えるのが種牡馬ソウルラッシュの一番の魅力といえるかもですね


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4 コメント

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Unknown (Unknown)
2024-11-19 16:04:59
ナミュールはCデムーロが「おかしいと思って」レベルでやめて、「レース後異常なし」なので、故障って書いちゃうのは大丈夫でしょうか……?
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Unknown (MJ)
2024-11-19 16:38:51
そうですね、表現なおしました
返信する
Unknown (Unknown)
2024-11-19 16:57:22
カラヴァッジオが受胎率回復した話は聞いたことありましたが、対策が畳二枚敷いたのは初めて知りました…
返信する
Unknown (MJ)
2024-11-19 19:02:41
ドリームジャーニーも畳二枚マンでしたね
返信する

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