土曜東京新馬はPOG推奨レイアンドキスの応援馬券(単勝)を買っていたのでガックリでしたが、でも血統表を見て選んだときに頭に描いたイメージとかなり近い走りだったので、「う~ん負けたけど思ったとおりの馬や…レッツゴードンキみたいなピッチや(・∀・)」と嬉しくなりました
レイアンドキスはキングカメハメハ×アグネスタキオン×ジェイドロバリー、レッツゴードンキはキングカメハメハ×マーベラスサンデー×ジェイドロバリー、どちらもクロスはKingmambo≒ジェイドロバリーの3/4同血クロス2×3
http://db.netkeiba.com/horse/ped/2012102095/
この3/4同血クロスは、Nashua≒Nantallah的パワー(キンカメ×ブライアンズタイムやブライアンズタイム×ジェイドロバリーでダートの鬼が出る根拠)とForli的Fair Trial的前向きピッチ走法がONになりやすいので、キンカメ産駒としてはパワー&機動力特化になりやすい
┌Mr.Prospector
││┌Nashua
│└△
Kingmambo
│ ┌Northern Dancer
│┌Nureyev
│││┌Forli
└△└Special
│┌Nantallah
└△
┌Mr.Prospector
ジェイドロバリー
│ ┌Northern Dancer
│┌○
└△
└Special
だからレイアンドキスとレッツゴードンキに共通する掻き込みの強いピッチ走法は、本来は外回りより内回りに向くというべきで、でもいつも言うように外マイルでも上がりだけの競馬になると、こういうピッチ走法で一気に加速できるほうが有利で、レイアンドキスもレッツゴードンキも、平均ペースで流れた場合は中山内1800mがベストパフォーマンスを出せる舞台でしょう
SpecialはHyperionとNasrullahとFair Trialを持つオールラウンドな名血ですが、父ForliがRiot≒Fair Trial3×3なので、たとえばHyperionが砂糖でNasrullahが醤油でFair Trialが塩だとするならば、配合的には塩味が一番勝っていて、エルコンドルパサー(Special=Lisadell4×4・3)の世界を制したピッチ走法を見てのとおり、砂糖と醤油と塩の中では塩味を主張しやすい血といえるでしょう
http://db.netkeiba.com/horse/ped/000a001d7e/
┌○
│└△┌Colorado(Phalaris×Chaucer)
│ └Riot
│ └Lady Juror
Forli
│ ┌Fairway(Phalaris×Chaucer)
│ ┌Fair Trial
│ │└Lady Juror
│┌○
└△
下図のようにNasrullahとFair Trialは父系と母系が同じですが、母母父にThe Tetrarchの柔らかさが入ってストライドで走るのがNasrullahで、Fair Trialはメインクロスが配合史でおなじみSainfoin=Sierraの全きょうだいクロス4×4で、Lady Josephine譲りの加速力、Sundridge+米血(母父AmericusがNorfork=The Nun2×2)の加速力が強く、「ストライドのNasrullah」に対し「ピッチのFair Trial」という色分けができます
┌Pharos(=Fairway)
┌○
Nasrullah
└△┌The Tetrarch
└△
└Lady Josephine
┌Fairway
Fair Trial
└Lady Juror
└Lady Josephine
それとFair Trialのほうが性格が前向きというか生真面目というか一生懸命走るところがあって、「Nasrullahはね~、道中抜いて走ってズルをするんよ」と笠シショーは言ってましたが、たとえばシンコウラブリイでおなじみハッピートレイルズの牝系なんて、特に牝馬はみんなマジメで前向きすぎるぐらいで、あの性格は間違いなくForli譲りで、藤沢和厩舎がブイブイ言わしていた頃はああいうSpecialやForliがいっぱいいて、岡部さんが乗るとみんな3番手でハミを噛んでうなってました
トゥザワールド=トゥザグローリー=トーセンビクトリー全きょうだいはキングカメハメハ産駒でNureyev4×3、母母フェアリードールはHyperion4・4×4・5・5・7・7・7とHyperionの塊で、全体としてはHyperionを増幅した配合といえますが、母系にSharpen Upを通じてTudor Minstrel(Lady Jurorの孫)の血が入るので、Hyperion的粘着力とLady Juror的ピッチで走るような脚質になりがちで、だから中山内回りでベストパフォーマンスを出しやすいのだということは長男から書いてきました
http://db.netkeiba.com/horse/ped/2012104733/
ダービーでピッチ走法で行きたがったリアルスティールのレースぶりはレッツゴードンキのオークスと通じるものがありましたが、これもSpecialのFair Trial的側面が強い走法と気性で、母母がKingmamboの全妹でそこにディープインパクトを通じてFair Trial3×3のQueen's Hussarが入るから…という説明もできます(ただしラングレーやプロヴィガルサンは、リアルほどFair Trial的ピッチの効いた走りではないですね)
他にもヴィルシーナやミッキーアイルやディープブリランテなど、母系にNureyevの血を引くディープ産駒は前向きな先行馬に出ることが多いし、デニムアンドルビー(母がNureyev4×2)の斬れ味もディープらしいしなやかさとはまた違って、もっと頑強に一気にグイグイッと加速するような差しで、だからデニムの追い込みは意外にスローのほうが決まりやすく、しなやかさで惰性で伸びつづける差しという感じでもない
母がDanzig系×Lyphard系のジェンティルドンナもこれぞFair Trialというピッチで走る馬でしたが、ハープスターも母がFairy King×トニービンですから、ナスペリオン的斬れとFair Trial的ピッチの両方で加速しているところはあります
スピルバーグはピッチ走法なのに伸び方は持続的でストレッチランナーという何ともややこしい馬ですが、これも母がSadler's WellsとLyphardですから、Fair Trial的な何かが表現された走りには違いない
3着トーセンビクトリー(武豊騎手)
「3着でしたが、トライアルとしてはいいレースができました。小回りになる方がいいと思いますし、次が楽しみになりました」
4着レッツゴードンキ(岩田康誠騎手)
「馬とケンカをしないで、ストレスのたまらないレースをしました。本番となる京都の2000mはいい条件だと思います」
これはローズS後のコメント(ラジオNIKKEI)ですが、こうしてみるとトーセンビクトリーもレッツゴードンキも、ユタカも岩田も、Fair Trialに支配されている
Fair Trialの遺伝力ってやっぱり凄いんです、Lady Josephineは偉大すぎます
今のところは、この二頭を中心に考えてます。
メイショウマンボも含めKingmambo≒ジェイドロバリーのクロスは気付いている人は気付いてた狙う価値のある配合だったんでしょうね
さすが、としか言いようがありません
能力は世代トップクラスなだけに何ともやるせない
う~ん、また水撒きしそうな予感が………
一流の血統馬だと思うのですが、
「弱点」と評されるほど底力を欠くのは
配合的な問題があるのでしょうか?
それとも単に個体の問題でしょうか?
クラシックタイプの名血というのはNearco系のA級スピードだけでなく、それを支えるGraustarkとかPrivate AccountとかHoist the Flagのような傍系異系のスタミナやパワーをも同時に取り込んでいるものなのです
ジェイドロバリーもヘクタープロテクターもオープン馬をたくさん出した優秀な種牡馬ですが、クロスが強くて遺伝力も強いので、ようするにG3上限で高値安定してしまうということですね
ベテラン俳優が引き締めるような感じでしょうか(笑)
ヘクターは気に入っていた種牡馬だったので
後継種牡馬がいないのはちょっと残念です