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第157回天皇賞回顧~今年もPrincely Gift!横綱相撲をナデ斬る

2018-04-30 14:20:01 | 血統予想

京都11R 天皇賞
◎6.ガンコ
○11.シュヴァルグラン
▲12.レインボーライン
△16.スマートレイアー
×8.クリンチャー
×14.アルバート
ガンコはダーレー自慢の筋のとおった牝系で、独オークス馬アンナパオラにミルリーフ、ポリッシュプレシデント、シングスピールとA級種牡馬が代々配されてきた。そこにナカヤマフェスタが配されてデインヒル≒ポリッシュプレシデントのニアリークロス4×3とヘイロー4×4としたのもいい。血統のイメージどおりナカヤマフェスタ(宝塚記念、凱旋門賞2着)とシングスピール(ジャパンC,ドバイワールドC)を足して割ったような馬で、スタミナ豊富で燃費のいい走り、折り合いがつく穏やかな性格はステイヤーと言ってもいいだろう。日経新春杯から◎を打ちつづけてきたがここも◎。淀の長丁場ではハーツクライ(トニービン)よりステイゴールド(プリンスリーギフト)の血を重視したい。

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「横綱、今日は胸借ります!がっぷり四つでいかせてもらいます」
「面白いやないか、併せ馬でSingspielごっこやろうや」

藤岡祐介になだめられながら3番手をとったガンコと、その外にピタッと付けたボウマンのシュヴァルグラン、そこからSingspielごっこは3分以上もつづき、横綱の寄り身にジワジワ削られつづけた上がり馬は、直線ではもう余力が残っていませんでした

でもこのSingspielらしい競馬でのし上がってきた馬ですから、今日はこれでよかったと思うし、横綱の分厚い胸を借りたことを糧にして、まだまだ強くなっていける馬やと思うのでね

レースはチームガンコといっしょに観戦したので、直線半ばではみんな声を失ってしまい、(なあガンコ、これが横綱なんやな…やっぱり凄いな…)と敗戦を噛みしめたそのとき、岩田のアクションに導かれて内に切れ込みながら差し切ったのがレインボーライン

JCでレイデオロとキタサンブラックを降し、有馬でスワーヴリチャードと叩き合った横綱が、最大の武器である“Singspielの好位差し”を繰り出して堂々と勝ちきったかに見えたのに、一つ年下のステイゴールド産駒がそれを差し切り、今年もやっぱり「Princely Giftがトニービンを封じた」春天だったのです(ちなみに今年の出走馬なかでPrincely Giftの血を引くのは、ステイゴールド経由のガンコとレインボーラインの2頭だけ)

<トニービン譲りのスタミナで好走するけれど、トニービン譲りの後輪駆動ゆえに2着まで、というシーンが繰り広げられてきたのが春の天皇賞>(春天とトニービン)

18年←NEW!
1着レインボーライン(父ステイゴールド)
2着シュヴァルグラン(父ハーツクライ)

17年
1着キタサンブラック(母父サクラバクシンオー)
2着シュヴァルグラン(父ハーツクライ)

16年
1着キタサンブラック(母父サクラバクシンオー)
2着カレンミロティック(父ハーツクライ)

15年
1着ゴールドシップ(父ステイゴールド)
2着フェイムゲーム(父ハーツクライ)

14年
1着フェノーメノ(父ステイゴールド)
2着ウインバリアシオン(父ハーツクライ)
https://blog.goo.ne.jp/nas-quillo/e/51fe2cd538af61dc3ca03263665af4d6

ハーツクライ産駒がこれだけ東京の大レースを勝ちまくっているのに京都の大レースを勝てないのは、毎年毎年同じような2着が重なるというのは、同じような血統にやられつづけるというのは、やっぱり東京はのぼってから差すコースであり京都は下りながら惰性をつけて差すコースであり、トニービンが伝えるナスペリオン的斬れ味は、後駆の良さ、言うならば後輪駆動から生み出される斬れで、それとは対照的に後駆はやや非力だけど前の駆動の良さで走るのがPrincely Giftで、この違いでしか血統屋には説明できない





ついにG1の勲章を手にしたレインボーラインは、ステイゴールド産駒でノーザンテーストのクロスはオルフェーヴル=ドリームジャーニーなどと同じ

そしてレインボーアンバーの母父マッチウォンの母父がAlycidonなのもポイントで、ノーザンテーストをクロスするだけでなく、ノーザンテーストが3×2で持つLady AngelaとAlycidonを「HyperionとSwynfordとPretty Polly」で脈絡させている点もオルフェきょうだいと同じ

ステイゴールド系の配合において、ノーザンテーストのLady Angela3×2をどう活かしどう増幅するか、というのが最大の命題で、ひとまずこれが満点回答なんでしょうね

だから皐月賞の回顧で書いたように、エポカドーロとラッキーライラックの母系に「HyperionとDonatello」の組み合わせのクロスが存在するのは、たまたまではないと思うのです





クリンチャーはKey to the Mint(ダンスインザダークのスタミナの源)とブライアンズタイムを通じるGraustark5×4のスタミナ自慢で、Singspielごっこの直後から三浦皇成が叩き出して、スタミナではヒケをとらないことをまた証明しました

これもまだまだ伸びしろのある4歳で、今後は凱旋門賞が目標ということですが、馬場が渋るようなら大駆けがあっても驚けないかと

ガンコの父ナカヤマフェスタが2着した凱旋門賞は重のロンシャンで、勝ったワークフォースはPassadoble≒Allegedのニアリークロス4×3でナカヤマフェスタの母ディアウィンクはGraustarkの全兄His Majestyの4×2ですから、Ribotの血をクロスで持つ両雄が重馬場で叩き合ったレースでもありました

クリンチャーには、ガンコと藤岡祐介のぶんまで頑張ってもらいたいです

第78回皐月賞回顧~4角5番手のオルフェ(2)
https://blog.goo.ne.jp/nas-quillo/e/4563346d86c0ba96d32ecbbcc9ca24de


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7 コメント

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更新ありがとうございます。 (yowknowmame)
2018-04-30 15:27:18
ストーリー仕立ての見事な文章、読み易くわかり易いです^ ^
フランス遠征が発表されたクリンチャーは母系からDanzigが増強されていますが、Danzigはディープスカイのタフネス、パワーの源だと思っています。と同時にスピードのキレやしなやかさは失われてしまうのかも。でもそれは海外のレースを走る上では大きな不利にはならないのでしょうか。
もしもになってしまいますが、キタサンブラックが凱旋門賞を走っていたら、どうだったでしょう?
宜しければ望田さんの見解をお聞かせください。
僕はフランスの平坦な馬場なら好走していたのではないか、但しオルフェやナカヤマフェスタのレース迄は肉薄できなかったと思います。
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Unknown (Unknown)
2018-04-30 23:16:11
望田さんのブログを読むようになって何年経つかわかりませんが、血統が受け継ぐ癖とか走法とか知ることで本当に競馬がより楽しくなりました。ありがとうございます。オリオール魂なんて知らないままだと何でこの馬は伸びなかったんだ?という疑問が謎のままになるところです。
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Unknown (MJ)
2018-05-01 07:41:13
極端にタフな馬場やトリッキーなコースでなければ、キタサンブラックは世界のどこでも好走したと思いますけどね

競馬は「不思議の勝ち」は滅多にないですが「不思議の負け」はよくあるのでね
長く競馬を楽しんでる人は、「不思議の負け」と上手に付き合ってるもんです
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Unknown (雨霰)
2018-05-01 08:43:55
万葉Sで解説されてたカーリアンに注目して
◎サトノクロニクル、距離的にキンカメじゃ
厳しいと思いながら△ミッキーロケットに。
さすがにトミケンは無いな、と。
ステイの二騎は自信満々に消して 苦笑
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Unknown (MJ)
2018-05-01 09:20:05
逆にいうと、万葉SはCaerleonの下る力だけで好走できるレースだったというね
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Unknown (Unknown)
2018-05-01 14:51:26
今から宝塚記念の盛り上がりが心配になってしまいますね
サトノダイヤモンドの復活以外に注目する事があるのかどうか…
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宝塚 (Unknown)
2018-05-01 15:03:18
ダノンプレミアムでも出てこないかな?(^_^;)
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