栗山求/望田潤監修「パーフェクト種牡馬辞典2024-2025」

血統クリニック~日本ダービー

2012-05-28 21:34:19 | 血統予想

昨夜はイマイチ寝つけなかったので、新横浜のIKEAで枕買ってきました
で、ランチはラー博で「支那そばや」の塩ラーメン
二日酔いの体に優しく浸みわたります…

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競馬総合チャンネル「血統クリニック」ではメインレースの出走予定馬の血統解説をしています(毎週木曜更新)。ダービーはこんな感じです

◆皐月に続いて◎
 ワールドエースの母は独オークス3着で、母系はHyperionとドイツ血脈で固められており、ディープ産駒としてもスタミナや底力は最高レベルの配合だ。安定感抜群のフォームで走り続けることができるのが最大の長所で、距離延長も長い直線も歓迎。スローの上がりの競馬よりは平均ペースの持続戦のほうが信頼度は増すが、皐月賞に続いて◎としたい。

◆本質は東京向き
 ゴールドシップはオルフェーヴルと同じステイゴールド×メジロマックイーンだが、こちらはPrincely Gift5×5も持つのでよりストライドは大きくそのぶん動きは緩慢だ。スピードに乗るのに時間がかかる弱点を道悪の巧さとコーナリングでカバーした皐月賞は名騎乗だった。東京2400mなら長くいい脚を使える長所を活かしたロングスパートだろう。競馬はむしろやりやすい。

◆ナカヤマフェスタ的配合
 フェノーメノはJC2着インディジェナスの甥で、母はデインヒル産駒でRibotのクロスだからナカヤマフェスタと似た配合パターンでもある。青葉賞の勝ちっぷりは文句なしだが、ナカヤマの配合をずっと褒めてきてダービーでも◎にした筆者としては、クロスする血や経由する血など母の配合が少し落ちるぶん、ナカヤマと同列にまでは扱えない…という思いもある。

 スピルバーグはトーセンラーの全弟だが、兄よりサドラーの重厚さが出ていて距離適性は長め。いずれにしても「サンデー×Lyphard×ハイインロー」の配合形だから、前受け脚質に完成したときこそが真価発揮の血統だ。

 ディープブリランテの母はクロエ賞(仏G3・芝1800m)勝ち馬。ザッツザプレンティやバブルガムフェローでおなじみの牝系で、これも「サンデー×Lyphard×ハイインロー」だから先行馬としては満点に近い配合だが、ザッツのように掻き込んで走るので東京の高速馬場の斬れ味勝負では分が悪い。雨なら大きく浮上。

 ヒストリカルとトーセンホマレボシは父がディープで母が全姉妹という同血の間柄だがタイプはかなり異なる。母系のスピードが出てカンパニーのような俊敏さで走る前者よりも、「サンデー×ミスプロ」的ナスキロ的柔さで走る後者を東京2400mでは上位視したい。

 エタンダールは母系のスタミナだけならトップクラスで、青葉賞は少し上がりのかかる決着になったのがよかった。母父Montjeuは泥んこ馬場の凱旋門賞でエルコンドルパサーをねじ伏せた名馬で、道悪なら押さえに一考。

 グランデッツァはマルセリーナの3/4弟で母はアスタルテ賞(仏G1・芝1600m)勝ち馬。タキオンは配合に素直な種牡馬だからベストは1800mだろう。

 クラレントはリディルの3/4弟で、母はエリモシックの全妹で京都牝馬S3着。きれいな相似配合で父母の能力の高さを受け継いだが、母のマイラーっぽさも半分出ていてベストは1800mあたりか。

 シンボリクリスエス産駒は母のスピードで走るマイラーも多い。アルフレードは母母がサクラバクシンオーの全妹で、全体にグランプリボスを逆さまにしたような配合形だ。1800mぐらいなら守備範囲だが、2400mはさすがに長いだろう。

コメント (8)
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第79回日本ダービー回顧~“教育”に足りなかった最後のワンピースとは

2012-05-28 11:10:23 | 血統予想

東京10R 東京優駿
◎8.ワールドエース
○6.ゴールドシップ
▲11.フェノーメノ
ステイゴールド産駒は大一番での底力があるのでここでも怖いが、○はオルフェーヴルとの、▲はナカヤマフェスタとの比較においてベターな配合とまではいえない。 ◎は皐月賞に続いてワールドエース。母は独オークス3着でドイツ血脈とハイインロー的スタミナで固められており、ディープ産駒としても持続力や底力は最高レベルの配合で、この母系ならばステイゴールド産駒に叩き合いで劣ることはないはずだ。

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ダービー後は競馬通信社OBたちと痛飲(栗山ブログ参照)、さすがに残ってます…

今年のクラシック路線はオルフェーヴルのような距離馬場コース不問でオールラウンドに強い傑出馬が見当たらないので、こういう年はいかに次につながる良い負け方をするかというのも大きなポイントになるのではないか…と書いてきましたが、ディープブリランテは共同通信もスプリングも皐月も折り合いに関しては決して満点とはいえず、しかしその失敗が中間のつきっきり調教も含め大一番で活かされたわけで、それも見込んで3番人気に支持したファンはさすがでした

ゴールドシップもラジオNIKKEIでは早めに捲りあげる競馬で2着、共同通信では好位をとりにいってディープブリランテだけを競り落とすレースで快勝と、勝つにしても負けるにしてもいろいろな競馬を試されてきたことが、皐月の歴史に残るイン捲りにつながった…という面は少なからずあったでしょう

フェノーメノだって中山では不器用さを露呈して辛酸をなめつづけ、皐月には駒を進められませんでした

ワールドエースは折り合いに関してはキャリアを積むごとに“教育”の成果はみられ、今回はゲートもふつうに出て10番手からのふつうの追い込みで、ゴールまでシッカリ伸び続けてはいました

しかしダービーを余力十分に勝つなんてことはそれこそディープインパクト級でないと難しいわけで、実際今日もゴール前はハナ・3/4・クビ・クビの接戦

潜在的なスタミナや底力はワールドエースがナンバーワンだと言い続けて◎を打ち続けてきましたが、その潜在しているスタミナや底力を本番で初めて最後の一滴まで振り絞る…というのは考えてみれば無理な注文で、“教育”に欠けていた最後のワンピースとは、勝っても負けてもいつも余力があったこと、キツい辛い競馬をあまり経験してこなかったことにあるのかもしれないですね…

ディープブリランテについては“俊敏前向き短めザッツザプレンティ”と評してきたように、掻き込みの強い走りは東京の高速馬場の斬れ勝負向きではない…とみての無印でしたが、Hペースできれいに折り合ったことに加えて上がりのかかる粘着力決着になったことが勝因でしょう

「血統屋」の「ディープインパクト好配合リスト」で◎評価にしたほどで配合そのものはずっとほめてきましたが、これまで書いてきたことをザッと下に抜粋しておきました

見にいってよかった…と心から思えるダービーでした、関係者の皆様おめでとうございます

ディープのLyphardクロスにおいて暗躍する「Northern Dancer+Fair Trial+Never Bend」
http://blog.goo.ne.jp/nas-quillo/e/e39b87d84d22fa9a751400148d2a07a0

皐月賞でも大威張りのBurghclereのニアリークロス
http://blog.goo.ne.jp/nas-quillo/e/08464f0c05e105e5bf092343503ee31c

日曜の重賞回顧~“柔俊敏ザッツ”良のスローでナデ斬られる
http://blog.goo.ne.jp/nas-quillo/e/de1105b1f40e19a35829ea3ac679f1c6

ディープブリランテ
http://blog.goo.ne.jp/nas-quillo/e/e67ce7377d64ea3edc7b28f971bd08b4

コメント (3)
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