まずはステップレースの「血統クリニック」から、有力馬についての記述を再録してみます
□アニメイトバイオ
エースインザレースやセキテイリュウオーの近親。母は相似配合で遺伝力が強く、体型や走法もフレンチデピュティが出ている。パワーと斬れ味を兼備していて弱点の少ないマイラーだ。ここも大崩れはないだろう。(阪神JF)
ゼンノロブロイ産駒で牝系はセイテイリュウオーなどと同じ。母父フレンチデピュティの影響が強いマイラーで、道悪も巧そうなだけにここも好走の計算は立つ。(京王杯2歳S)
□アパパネ
母がSalt Lake産駒のスプリンターだったこともあり、「瞬発力だけの馬だ」などと書いてきたが、前走の勝ちっぷりを改めて見直すと、この馬は母父のDeputy Minister系の雑草的な強さを受け継いでおり、距離やコースや馬場や展開など、様々な条件に幅広く対応できるような強さを持ち合わせていて、私が思ったよりも奥のある馬ではないかと思い直した。キンカメ産駒は外回りのマイルは強いし、馬体に伸びが出て成長もうかがえるので、ここは◎でいいだろう。(チューリップ賞)
父中距離×母スプリンターの配合は小脚がきいて小回りの先行捲り脚質になりやすい。アパパネは体型は父キンカメ似だが、母ソルティビッドがSalt Lake産駒のスプリンターだったので俊敏なピッチ走法に出た。前2走で見せた瞬発力は圧巻で、ここも1000m通過61秒ぐらいのペースで脚を温存すれば、全馬を並ぶ間もなく交わしてしまうだろう。問題は07年や06年のような、前半58秒台の淀みない流れを追走してあの脚が使えるかどうか。根は小回り向きとも思われるだけに、瞬発力だけに飛びつけない部分はある。(阪神JF)
□アプリコットフィズ
ジャングルポケット産駒で母はマンハッタンカフェの全妹。半姉に先日OP入りしたコロンバスサークルがいる。スタミナと底力は文句なしの血統で、フェアリーSも超Hペースを引っかかり気味に追走し、一番先に動く形になったわりにはよく粘っている。まだ若さが残る現状だが、器の大きさは同世代の牝馬ではトップクラス。落ち着いて走れれば素質の違いを見せつけるだろう。(クイーンC)
母マンハッタンフィズはマンハッタンカフェの全妹で、そこにジャングルポケットだからスタミナと底力は文句なしの血統だが、それでいて動きが柔らかくて俊敏なことに驚かされる。スケールが大きすぎて中山マイルの多頭数で取りこぼさないかという心配もないことはないのだが、ブエナビスタに続く春二冠制覇も狙える器だから、ここは先々をにらんで賞金加算をしておきたい。(フェアリーS)
□エーシンリターンズ
小倉2歳Sに勝ち朝日CC2着のエイシンサンサンの娘。キンカメ産駒らしく外回りに替わって連勝してきた。ここも外回りだから近2走と同じぐらいはやれるだろう。(チューリップ賞)
□オウケンサクラ
チューリップ賞では思ったより後方になったが最後はジワジワ詰めていた。父はNashwan産駒の凱旋門賞馬で、母も朝日CCとマーメイドSに勝った中距離馬。体型や走法からも距離延長は間違いなくプラスだろう。パワー型で急坂コースも向いており、好位付けなら今度は馬券圏内。(フラワーC)
父バゴは重厚なNashwanの仔で凱旋門賞馬。母ランフォザドリームは朝日CCとマーメイドSに勝った。娘も走りに中距離馬らしい重厚さがあり、前走も弾けたというよりはしぶとく伸びたという勝ち方。地力があるので上位争いはするだろうが、マイルで勝ちきるまでのイメージは湧かない。(チューリップ賞)
朝日CCなどに勝ったランフォザドリームの仔。前走は2,3,5,6着馬がその後勝ち上がるハイレベルなメンツで、内からアッサリ抜け出した勝ちっぷりは光った。オープンでも通用しそうだが、血統や走りからマイラーではないだろう。(クイーンC)
□ギンザボナンザ
オークス馬アドラーブルの孫で、母はエモシオン(京都記念)の全妹にあたる。トニービン×ノーザンテーストとHyperionで固めたところに、米スピードで固めたゼンノロブロイをもってきたメリハリのきいたアウトブリードが好感。斬れも俊敏さもあって、ここも好走は間違いない。(クイーンC)
□コスモネモシン
ゼンノロブロイ×SingspielでHalo3×4。動きに無駄がないレース巧者で、フェアリーSは展開が上手くはまりすぎた面もあったが、相手なりに走るタイプだし中山内回り向きの器用さは買える。瞬発力はそれほど図抜けたものはないから、少し馬場が渋ったほうが狙い目はありそうだ。(フラワーC)
□サウンドバリアー
Secretariat5×3にSeattle Slewと「Bold RulerとPrincequillo」の組み合わせを重ねた。エルフィンSはスローすぎて不発に終わったが、外回り向きの斬れ味はあるので上がりがかかれば。(チューリップ賞)
□ショウリュウムーン
キンカメ×ダンスでNijinskyとRaise a NativeとGraustarkのクロス。柔らかなストライド走法はいかにも外回り向きでここでも注意。(チューリップ賞)
□ラナンキュラス
ファレノプシスはブライアンズタイム×Storm Catのパワー型で、内回りの桜花賞と秋華賞は勝ったがオークスは逃した。スペシャルウィークにStorm Catが入るとオースミダイドウやタガノエリザベートなどマイラー寄りの馬が出やすい。ラナンキュラスは小回りベターのマイラーで、ここ2走は外回りで少し詰めが甘くなったが、内回り1400mならもうワンランク上の評価でいいだろう。(フィリーズレビュー)
ファレノプシスの仔で、スペシャルウィーク×Storm Catはタガノエリザベートと同じ。母似の伸びがない体型走法で外回りよりは内回り向きの差し馬だろう。(阪神JF)
中山11R ダービー卿CT
◎16.フィフスペトル
○3.サニーサンデー
▲13.ファリダット
△5.リザーブカード
×4.タケミカヅチ
×12.トライアンフマーチ
注1.セイクリッドバレー
注8.マイネルファルケ
今や芝マイルは東京も京都も阪神も新潟もコーナー2回で直線が長く、この中山だけが急坂小回りコースにおけるパワーと俊敏さと器用さが問われる舞台。◎は朝日杯2着を含め中山芝(1.1.1.1)、1600mに限れば(1.1.0.0)で、3着はスプリングS、着外は皐月賞。問題はこの大外枠だが、ダッシュはいい馬なので前走のように出していきながら内に寄せていけば、中山で蛯名がことさら外々を回らされるようなことはしないだろう。○の中山1600m(2.0.0.0)にも注目できるが、ハイペリオンとフェアトライアルの粘りで走るのでちょっと時計や上がりがかかったほうが渋いタイプ。土曜のBコースをみると軒並み速い上がりが出ているだけに◎の瞬発力をとった。
阪神10R 大阪杯
◎8.ドリームジャーニー
○3.ヤマニンキングリー
△2.サンライズベガ
×5.タスカータソルテ
◎はノーザンテースト4×3のクロスの影響で、伸びのない体型とピッチ走法を受け継いだ。基本的にマクリ脚質なので、直線の長いコースでは脚の使い所が難しい。古馬になってからは阪神と中山の内回りに限定すると(4.1.0.1)で、内回りなら現役最強と断言できる。ヤマニンメルベイユの半弟でヤマニンシュクルのイトコで、小回り(内回り)では堅実無比な○が相手本線。追い切りは動いたし、休み明けでも札幌記念ぐらいは走れそうだ。
中山11R 船橋S
◎3.リキサンファイター
○14.ショウナンカッサイ
▲8.ベイリングボーイ
△2.メイビリーヴ
△5.ツーデイズノーチス
×10.トップオブピーコイ
注4.ナンゴクプラネット
◎は休み明けの前走で荒れたインに突っ込んでコンマ2秒差。2年前はオープンでも人気になった実力馬で、アリダーとノーザンテーストのパワーで走る急坂小回り向きのスプリンター。中山1200のイン差しがオハコの馬だけに、ここは変わり身がきつそうだ。
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先週は珍しく10万馬券が当たったりもしたんですが、重賞の予想はカスリもせず…
ダービー卿はBコース1週目で60秒3のスローで、終わってみれば先行3頭の行った行った行った
とはいうものの、マイネルファルケとサニーサンデーはどちらも後続に脚を使わせて持続力で粘る脚質ですから、このスローでは決して持ち味を出し切ったとは言えないでしょう
位置取りとコース取りの利だけで好走はしましたが、東風Sで抑えたショウワモダンに突き放されてしまったことからしても、ベストパフォーマンスには程遠い内容だったというべきで、たとえばマイネルファルケは東京新聞杯4着ぐらいしか走ってないんじゃないですか
エアジハードは安田記念でグラスワンダーを競り落としたように長い直線でしなって斬れる名マイラーでしたが、ショウワモダンは中山芝(5.2.2.7)の中山巧者で、これは母系の奥にNever Bendが入って肩が立っているからで、マツリダゴッホと前駆の使い方がよく似ていて、追って重心が沈む走法ではないので東京で差すより中山で捲る脚質になるわけです
フィフスペトルは大外の不利は覚悟の上で◎にしたわけですが、まあ最小限のロスで、だいたい思った通りの競馬をして弾けなかったのですから、この競馬で勝ちきれるほど力は抜けていなかったというべきでしょうね…
大阪杯がドリームジャーニーがよもやの3着で、この平均ペースの前崩れで届かないとは…
昨年は11.9-11.2-11.7でディープスカイを捲りきった馬が、今年は11.5-11.7-12.2でゴールデンダリアを捲りきれないとは、59キロが応えているのか、それともまだ本調子にないのか
完全に後付けでいうと、この馬は430キロ台では(0.0.2.2)なんですね
「古馬になってからは阪神と中山の内回りに限定すると(4.1.0.1)」と予想コメントで書きましたが、この唯一の着外が430キロで出た08年有馬4着です
テイエムアンコールはオペラハウス×ブライアンズタイム×Nijinskyですからパワーとスタミナに偏ったイメージですが、3代母がスティールハートの全妹でこの軽さも出たようで、わりと脚捌きに軽さと柔さがあるのがいいですね
下記のエントリで書いたように、サドラー×Robertoですから急坂小回り向きなのはたしかで、一発あるとしたら春天より宝塚かなあ~とは思います
Never Bendと夏馬(2)
http://210.165.9.64/nas-quillo/e/5930f3be802b27a0c1132dba6bf183bc
急坂小回り適性を増す「サドラー×Roberto」
http://blog.goo.ne.jp/nas-quillo/e/37a469d13edcbc1cbef75fe14efe526f