波風立男氏の生活と意見

老人暮らしのトキドキ絵日記

感情を言葉にする読書

2022年02月25日 | 読書


シアのウクライナに対する明白な侵略戦争。国連の常任安保理事国による世界平和への攻撃。我が人生で予想もしなかった疫病蔓延の今だが、第3次世界大戦(「大惨事世界大戦」と出た)も無いとは言えない、隣国が当事者だけの理由で簡単に侵略できるなら。我が国だって隣国。確かな言葉でニュースによる感情を整理したいと思ったら2冊の本が浮かんだ。

冊目は、半藤一利著『昭和史(戦前編)』で、満州事変の部分を読む。「中国が統一に向かっているのを恐れると同時に、日本が最大の敵国とみていたロシアも新しい国づくりはじめる・・・・・日本を保持し発展させるためには朝鮮半島と満州(ソ連の南下に対する防衛線、生命線)を抑えておかなければならない・・・・ここから昭和が始まった」わけだが、各国をロシア、ウクライナ、欧米諸国に置き換えると100年後の今に非常に似てくる。「まさか」と思うことが次々、なのだ。戦争が起きるのも起こさないのも必然と偶然の組み合わせだが、国家間の「あなたはあなた、わたしはわたし」(裏ブログ『愛の誤解』参照)を間違うと・・・・。

冊目は、加藤周一著『言葉と戦車を見すえて』。ソ連が「自由化」を求めるチェコスロバキアに軍事的介入した部分を読む。プーチンが侵略理由にウクライナとロシアの歴史的関係を述べているが、チェコスロバキア侵略と同じ理屈だ。加藤氏の言葉「1968年の夏、小雨に濡れたプラハの街角に相対していたのは、圧倒的で無力な戦車と、無力で圧倒的な言葉であった。その場で勝負のつくはずはなかった」は、ウクライナの場合にはあてはまらず死者が続々と増えている。今回、50年前と違い軍事同盟の有無が決定的で、『言葉』が全く無力化し経済制裁から軍事対決に加速していく不安が募る。


「功績が顕著な芸術家を優遇する」芸術院新会員に、マンガ家(マンガ部門は新設)のちばてつや氏(83)、つげ義春氏(84)。つげ氏は寡作で眼の病気でここ10年は全く描いていないはず。それを選んだ芸術院が立派。画像は自伝的作品『義男の青春』から。既に神格化された希有の芸術家だが、報われたというか、とにかく嬉しい 午前は活字、午後は漫画を読む晴れの日。コロナは減ったり増えたり。

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