中学時代から大好きなベン・シャーン。半世紀以上前、ビキニ環礁水爆実験で被災した第5福竜丸に題材をとり3年後に描かれた「ラッキードラゴンシリーズ」。それをもとに50年後に書かれた絵本の文。
…けれど わすれるのを じっと まっている ひとたちもいる。
ひとびとは 原水爆をなくそうと動き出した。けれど あたらしい 原水爆をつくって いつか つかおうとかんがえる ひとたちもいる。
わすれたころに またドドー--ン!みんなの家に 放射能の 雨が降る。
どうしてわすれられようか。畑はおぼえている。波も うちよせて おぼえている。 ひとびとも わすれやしない。 「ここが家だ ベン・シャーンの第五福竜丸」(絵ベン・シャーン 構成・文アーサー・ビナード:集英社)絵のもとになったのは、1954年1月22日、23人が乗る第五福竜丸が焼津出港。3月1日夜明け前被爆。広島型の千倍の爆弾。救助を求めるともっとひどい目に遭う危険性もあり独力で3月14日帰還の出来事。
ベンシャーンは1898生~1969没、20世紀米国を代表する画家。今、絵画展が国内巡回中。米国の複数の美術館が福島県立美術館の貸し出しを取りやめたの報。ひどい話だ。