波風立男氏の生活と意見

老人暮らしのトキドキ絵日記

定点観測【映画】

2012年07月25日 | 読書

Photo   「殺人以外は何でもある。刑務所の方がましだ、規律がある」と言われた学校の教員だった昔。警察に頼る意外、解決の道は無いと考えた時があった。30歳のころだ。「教師としてのあなたは根本が間違っている。そう簡単にその根性は治らない」とはっきり言われた。「先生たちでだめなら、親全部に来てもらえ、それでもだめなら地域住民みんなに来てもらえ。それでだめなら警察も考えろ」と言われた。この先輩からは、「暴力を根絶するために、教師は暴力で死ぬことも恐れてはならない」とも教えられた。

  さて、「あの子を探して」(1999年の中国映画。 監督:張芸謀【 チャン・イーモウ】)あの時の衝撃的反省に続く今の自分、教員としての覚悟を検分する映画だ。「ここまでやったのだから(自分の責任は果たした)、私以外(その筋の専門家)がやってくれ」という、自分の奢り、弱さ、依存心…自立できない自分を自己点検する座標軸が…立男には、何年経ってもわからない教育とは何か、教員とは何か、授業とは何かを考える。教職をめざす学生と一緒にこれを見て、前期授業を終える予定だ。指導力とか、指導技術とか、方針とか計画とか、管理職が、行政がどうしたこうしたとか…どうでもいいとは言わないが、根本的な問題は教員の「子どもを守る姿勢」だ。どんなに深刻で、どんなに解決の糸口が見つからなくとも、だ。この地も、奈良、埼玉、滋賀も…そこに教員がいる限り。

「あの子を探して」登場の子役は、すべてが舞台になっている貧しい農村の子どもたち。電気もない村だ。この映画で、中国へき地の教育条件が大きく改善されたらしい。13歳の先生役のその後は…驚く。立男は同監督の「初恋の来た道」も好きだ。これを好きだと思える人も好きだ(笑)

コメント    この記事についてブログを書く
« 定点観測【絵本】 | トップ | 【その70】 ダイエッター »

読書」カテゴリの最新記事