波風立男氏の生活と意見

老人暮らしのトキドキ絵日記

第18回『ほんのおつきあい』全記録【その1】

2020年06月25日 | 読書

3月と4月の読書交流中止し、その分を『デジタル投稿版』としてブログ交流。5月31日に久しぶりのリアル交流実現。やっぱり、話ができるというのが嬉しい。では、いつものように読書感想の記録紹介。

ママヨ(女) 『ベルリンは晴れているか』(深緑野分著:筑摩書房)、敗戦で米ソ英仏の4カ国統治下の17歳の少女、優生思想等の現在の課題を前に「人間は生きるためにどうしたらよいのか」をミステリー仕掛けで読ませる。縁遠い現代史だがドイツのリアルな姿も凄い取材力により門外漢でも面白く読める小説★5。『ぼくはイエローでホワイトで、ちょっとブルー』(プレディみかこ著:新潮社)、人種問題、経済格差を注意深く見てはっきりと物言う母親であり、底辺保育所で働く作者。自分とは違う環境や暮らしだが、普遍的な価値観を考えさせてくれる★5。

 

KK(女) 『幸田文しつけ帖』(幸田文著、青木玉編集:平凡社)、生きていく暮らしの技を父から教わる娘(著者)、互いにわかりあえないが嫉妬や憎しみの無い淡い悲しみの関係。「人間がぬるい奴に『水』は使えない」はその通りだと思う★5。『殺人出産』(村田沙耶香著:講談社)、「産み人」となり、10人産めば1人殺してもいい「殺人出産制度」の世界、異様なドラマの中で普遍的な価値観を感じさせてくれる★5。『丸の内魔法少女ミラクリーナ』(村田沙耶香著: KADOKAWA)、男とか女とかは生きていくのに必要なことなのか、女が男をセックスのない監禁に導く理由は、「これはいったい何なのか?」で嫌な感じをえぐっていく上手く説明できない小説世界(笑)の面白み★5。


今月の読書交流会『ほんのおつきあい』を、6月28日(日)14:00~波風本宅(暖かければ波風食堂)で開催します。交流は3冊まで、参加費200円(100円は珈琲代+100円は子ども食堂支援)。準備の都合もあり参加希望の方は前日までにご連絡ください(→ namikazetateo@gmail.com)

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