波風立男氏の生活と意見

老人暮らしのトキドキ絵日記

『開高健』(かいこうけん)を読む。

2018年07月07日 | 読書

編『ロビンソンの末裔』(60年) 、短編『裸の王様』(57年)、『巨人と玩具』(57年)、『パニック』(57年)を続けて読む。大学時代(72年頃)に読み、ずうっと気になっていた作家。晩年の言動に疑問感じて遠のきやっと再読。
 
出するイメージを豊穣な言葉で掴まえる饒舌な文体が懐かしい。そして、詩的なのに物語性が強烈、雰囲気でなく膨大な取材に裏打ちされた説得力が今も新鮮。ムラカミハルキは分からなくてもカイコウケンはわかる(笑)。開拓農民の極限の悲惨さが、人間の強さの記憶に変わった『ロビンソンの…』。文末3行に出会い、再読してよかった
 
世紀前に読んだ『裸の王様』は、教師の指導性や大人の利害関係が強く記憶に。今回、子どもの発達と適応に目が。波風氏の教師前と教師後の教育観の関心の違いだろう。『パニック』は公務員、『巨人と玩具』は宣伝業界が舞台だが、「小説」はこんなに面白い娯楽だった。同時に、昔も今も何かが足りない感じがやっぱりする。上手過ぎるからかなあ。波風立男氏のヒトと社会に対する問題意のせいかなあ。カイコウケンっていう作家をどれだけの人が知っているのかな。


 
公式裏ブログ「波風食堂、準備中です」に「『珈琲教室』のご案内」をUP。楽しいイベントになりますように 『ロビンソンの末裔』(舞台は富良野)読後、思い立って『北の国から』(倉本聰著:評論社 前編・後編)注文する『開高健全作品』(73~74年 新潮社版:小説2、小説4)古い本なのに活字が読める大きさでラッキー 「言葉」が気になるのは老人のせいだが気にならなくなったら終わり。そんな気持ちで前回ブログ「『大丈夫ですか?』の無礼」書いた。このブログ、頭のストレッチ。

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