戸惑い八景

見たり聞いたりしたモノを独自に味つけしました。
飛騨の高山から発信しています。

大霊界

2013年12月24日 | 想うこと

昨日の続きになりますが・・・

その当時、丹波哲郎さんは、ご自身の大ベストセラー本を映画化しようとなさっていて、監督してくださる方を捜していました。

それで、ドラマを制作なさっている方に、映画の監督を引き受けてくれないかと、お願いしたそうです。

ですが、引き受ける際のギャラの交渉がうまくいかず、断念なさったそうです。

聞いたところによると、丹波さんが映画用に用意した制作資金の、三分の一を請求されたとか。

まあ、監督を引き受けるとなると、NHKを退社しなければなりませんから、それ相応の金額が必要でしょうけれど。

それで依頼することを諦めた丹波さんは、ご自身が監督なさったわけです。

そして、その映画は、大ヒットしました。

監督を依頼する思惑は外れましたが、ドラマ撮影時にロケハンもなさったそうで、映画には飛騨の風景が映されています、おまけにヒットしたのですから、結果は良かったのです。

ドラマ撮影時、エキストラをした私は、丹波さんに声をかけていただきました。

撮影待ちで、ベンチに腰かけていた私の隣に、丹波さんがやってきました。

私は気を利かせ、なんせスターさんですから、席を立とうとしたのですが、その私の肩を軽く押さえ、「まあ、まあ、」と座らせました。

そして、地元でなにかなさっているのですか? とドラマに関わった訳を訊かれました。

応えた私に、なかなか良かったですよ、とお世辞をおっしゃいました。

なぜか、下を向き、はにかむんだような表情で・・・。

たぶん、わざとらしいことを言う、と自分でも思ったのではなかったでしょうか。

ですが、言われた私はとても嬉しくなりました。

感謝の心さえ持ちました。

いい方だな~、と強く印象づけられたのです。

その気持ちはいまも変わっていません。