思うに、日本は映像文化というものに重きを置いていないようなところがあるのでは。
作りっぱなしで、きちんと保存するということを怠ってきたような気がします。
戦前に作られた素晴らしい映画なども、フィルムが痛んでいるのに、修復されていないのが現状でしょう。
今朝の新聞に、大阪万博で上映された映画が発見された、という記事が載っていました。
日本館で上映された、市川コン監督、谷川俊太郎脚本、『日本と日本人』という20分の作品です。
私、小学生の頃、大阪万博へ行きました。
ものすごく混んでいる日で、なんとか日本館だけは入りましたが、記憶の片隅にありますけれど、この映画観ています。
世界に日本を紹介する映画で、監督、脚本家と素晴らしい人を揃えて、大げさかもしれませんが、日本の威信をかけて作った映画だと思うのですけれど。
その映画が行方不明になっていたわけです。
どういうことなんだと。
とても貴重な映画なわけですから、きちんと保管されていて当然だと思うのですが、そうではなかったようです。
大学教授が7年間にわたる調査の末に、都内の民間の倉庫から発見したそうです。
ほかりっぱなしになっていたわけですね。
問題はまだ続き、その当時の先端の技術で作られたフィルムのため、上映するためにはデジタル化する必要があり、費用は1億円ほどかかるということです。
寄付を集め、ということになるのでしょうか。
ですが、ここはぜひ税金で賄ってもらえないでしょうか。
何に税金を使うのか、という話題が最近とみに話題になっていますが、私はこういうことこそ、税金を使ってほしいと願うのです。