これは英断でしょう。
よくぞ決心してくださいました。
その勇気に称賛を送ります。
春の高山祭り、日枝神社の例祭ですね、今年は祭礼を通常通り行うと決断されました。
熟慮の末の、大変悩まれたと思いますが、よくぞ開催に舵を切ってくださったと感謝いたします。
理由のひとつに、伝統の継承が危ぶまれる、というのがありました。
まったくその通りで、三年も中止なら、子どもたちに技を継承させるのは無理になってしまいます。
簡単な話で……
小学6年生の子が3年生の子に技を伝えます。
その伝えられた子が、3年間伝えることが出来なかったら、卒業してしまいます。
結果、子どもたち同士の継承ができなくなったということです。
大人だって、三年遣らなかったら、何から初めていいか分らなくなると思います。
私も、3年前まで屋台組に属していましたから、実感としてわかります。
というのは……
カラクリを担当していましたが、毎年、祭り前の二週間くらい前から準備をしますけれど、からくり実演のために行うことを一から始めます。
その時に、あれ、これはどうするんだったかな、という問題がいくつも出てきます。
毎年行っているはずなのに、段取り、感覚を思い出しつつ、練習に励むのです。
もし、三年も祭りが行われなかったのなら、思い出すことも、いや、感覚さえなくなっているでしょう。
練習だけ毎年すればいいか、という問題でもないのです。
祭りの準備は大変で、個人の負担は大きいのです。
だけど、祭りがあるから頑張るのであって、無いのだったら頑張りません。
遣らなくていいなら遣りません。
伝統文化を守らなければならない、という使命があるから、多少仕事を犠牲にしても祭りの準備に勤しむのです。
だけど、最初から祭りが無いのだったら、無理する必要ないですよね。
この2年間、通常通りの祭礼は行われませんでした。
危機感を抱いていた人達は多かったと思います。
私も、3年行われなかったのなら、祭りというものは、遣っても遣らなくてもいいんじゃないか、という雰囲気が出るかもしれないと、危惧していました。
今年が正念場だったのです。
よくぞ、開催に踏み切ってくださいました。
コロナの状況では中止もあるかも、ということですが、この時点で遣ると決めたことは、とても意義があることなのです。
ぜひ、開催されることを、切に願います。