今日は感動的なコンサートを聴いてきましたので、そのことについて書こうと思っていたのですが・・・
帰ってきてドラゴンズの試合中継を入れたら、2-7で負けていました。
結果は、4-7での完敗です。
まさかのホーム3連敗になりました。
夏休み最後の日曜日、家族連れで賑わって・・・7割ほどの入りですが、楽しみにしていたお客さんも多かったでしょうが、とても残念な結果です。
試合終了ともに、”六甲おろし”が鳴り響き、どこの球場かと思える光景ですが、寂しい夏休みの終わりとなったわけです。
まあそこまでならなにもここに記す必要はないのですが、放送時間が30分あまり、立浪特集と、ドラゴンズの優勝特集になったのです。
ドラゴンズは過去9回シーズン優勝をしています。
そのうちの4回は落合監督の時です。
落合監督8年のうちに、4回優勝、つねにAクラスで、2位だったときに、CSのお陰で、日本一にもなっています。
実質、セリーグ、ナンバー1チームでした。
が、それは過去のことで、懐かしい話なのです。
もう二度と訪れない、輝かしい過去の歴史になったのです。
そんなことを改めて考えてしまった放送でした。
・・・
さて、今日のコンサート。
高山室内合奏団・第10回記念定期演奏会、です。
会場は飛騨センター・飛騨芸術堂で、500名はいるホールに、300名ほど入っていたでしょうか。
演奏曲は、ヘンデル組曲『水上の音楽』からの抜粋と、ベートーヴェンの『運命』です。
高山室内合奏団は結成して10年になるとのことで、年に一回、このような定期演奏会を開いています。
それが、10年目にして、『運命』を演奏するまでになったわけです。
実は私、今日の昼まで、聴きに行く予定ではありませんでした。
たまたま、ビデオを借りにいこうと、妻を待って店に立っていたら、このコンサートのチラシが目に入り、入場無料という文字に目がいき、それなら行ってみようかと、思い立ったのです。
実は、私の友人の、イタリアンレストランテ『ラ・フェニーチェ』のシェフも、この合奏団に入っていて、ヴィオラを弾いています。
毎回チラシだけはいただくのですが、彼から一度も「聴きに来てくれ」、と言われたことがないため、聴きに行きませんでした。
ミスした話はよく聞きましたし、自信もあまりないようだったので、行かずにすましていました。
それが、今回は、開演時間近くになって、チラシが目に入ったため、急遽行ったのです。
さて、演奏が始まりました。
最初は、ヘンデルの組曲です。
聴いていて、オーケストラがきちんと曲を美しく響かせているので、驚きました。
まさかこんなに上手いとは、思っていなかったのです。
シェフから色々な事情を聴いていたため、シロートに毛が生えた程度の発表会レベルだと、勝手に思っていました。
本当に、失礼しました。
これはまるで、クラッシクのコンサートだと、感じたのです。
確かに、クラッシク音楽の演奏会でした。
心改め、『運命』を拝聴いたしました。
最初の音が鳴る瞬間、とても緊張しました。
たぶん、会場の大方のお客さんも緊張したと思います、客席がしーんとしてしまいましたから。
そして、あの有名なフレーズ(?)です。
崩れることなく、当たり前ですが、しっかり鳴らしていました。
もうそれから、一気に演奏に吸い込まれてしまいました。
私の大好きな第4楽章では、感動のあまり、泣いてしまいました。
何がこんなに感動させるのだと、当惑しながら聴いたのです。
シェフがかつてこんなことを言いました。
「プロのオーケストラの洗練された演奏より、アマチュアの何が起こるか分からない演奏の方が、感動することが多い」、と。
その時は、そんなもんかな、と聞き流しましたが、なんのことない、自分がそれを味わっているのです。
演奏家たちの、なんとか演奏を成功させたい、この思いを伝えたい、といった思いが客席に伝わるのでしょうか、とてかく胸を打たれました。
そして思ったのは、作曲家である、ベートーヴェンの思いというか、テーマが確実に現れているのでは、と。
”苦悩から歓喜へ”。
第九のテーマでもありますが、その片鱗が、かいま見えるとでも言いましょうか、アマチュアであるがゆえの苦しさ、辛さは、大きなものがあると思います。
それを乗り越えての演奏会ですし、一発勝負であります。
それがゆえに、何が何でも成功させるんだという、みんなの思いが一つになって、響き渡っていたのでしょう。
第四楽章では、私はその気になりやすい性格ですので、”天かける白馬”、をイメージしてしまいました。
演奏を聴き、とてもありがたい気持ちになりました。
そして、こういうのが聴けるということはとても貴重なことなんだと、改めて思ったのです。
地元の合奏団だから、意義があるのです。
聴いているお客さんの思いが直に演奏家に伝わる、そして、その思いを受けての演奏会になると思うのです。
高山に、オーケストラがあるというのは、とても素敵なことなのです。
入場無料になっていましたが、運営は大変だろうと思います。
ですが、これからも続けていってほしいと真に願いました。
そして、聴いていて最後に感じたのは、大切なのは”精神性”だと。
いかに作品から”想い”をくみ取るか。
もちろん技術がなければ、話になりません。
だけれども、想いを伝えようとしなければ、遣る意義がない。
そういう点では、私の考えられる範囲で記しますが、シェフには申し訳ないですが、主宰者の考えは正しいのでは、と思ってしまいました。
大変素晴らしい演奏を聴かせていただき、ありがとうございました。