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「光をくれた人」ひっそりと灯台守に身を潜めていたが 2016年制作 劇場公開2017年5月

2018-02-13 20:24:54 | 映画

         
 第一次世界大戦に従軍し辛酸をなめ生きる希望をなくしたトム・シェアボーン(マイケル・ファスベンダー)は、孤島の灯台守を望んだ。「独身では寂しさに耐えられるか」と危惧されたが、前任者の病状が回復するまでの期限付きで務めることになる。

 果てしなく広がる大海原に対峙するかのように灯台は白く輝いていた。何の遮るもののない灯台は、強い風が吹き荒れ大きな波が眼下で叩きつけられる。穏やかな日は数えるほどしかない。数週間後、本土で聞かされたのは「前任者が自殺した」ことだった。長期の灯台守に決まった。

 うまいことに高校教師の娘イザベル(アリシア・ヴィカンダー)と恋に落ち結婚。外は荒れていても、このスイートホームで二人は幸せだった。ところが二度の流産という不幸に見舞われる。

 そんなある日、海岸にボートが漂着する。男が一人と赤ん坊だった。男は死んでいたが、赤ん坊は生きていた。事情を連絡しようとするトムにイザベルは、私が育てたいから報告しないでくれと懇願する。赤ん坊は女の子でルーシーと名付けられ、どんどん成長してますます可愛くなる。二人ともメロメロ。しかし、トムの中では良心の呵責が悩ましい。

 やがて生みの親が誰かが分かる。地元の裕福な家庭のアナ(レイチェル・ワイズ)だった。生みの親と育ても親のそれぞれの葛藤。一方が喜べば、片方は悲しむ。しかし、正当な権利を持つアナに渡すしかない。

 月日は流れひょっこりと訪ねてきたのは、成長して子供までもうけたルーシーだった。またの来訪を約束して帰って行ったルーシーをイザベルに見せたかったが、すでに他界していた。暮れなずむ夕日を眺めながらトムは何を思う。
 「生きる希望の光をくれたイザベル、さらにルーシー、俺の人生もまんざら悪くなかったんだ。またルーシーが来るのを楽しみにしよう」ラスト数分は涙が流れるかもしれない。

 本作は、第73回ヴェネツィア国際映画祭コンペティション部門で上映された。製作費2千万ドル。興行収入約3700万ドル。
  
監督
デレク・シアンフランス1974年1月コロラド州生まれ。

キャスト
マイケル・ファスベンダー1977年4月ドイツ、ハイデルベルク生まれ。
アリシア・ヴィカンダー1988年10月スウェーデン生まれ。2015年「リリーのすべて」でアカデミー賞助演女優賞受賞。
レイチェル・ワイズ1970年3月ロンドン生まれ。2005年「ナイロビの蜂」でアカデミー賞助演女優賞受賞。

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