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映画「午後の曳航The Sail Who Fell From Grace with Sea’76」劇場公開1976年8月

2011-03-09 11:33:38 | 映画

              
 いわずと知れた三島由紀夫の原作。思春期の少年たちの反逆と断罪。それに母の姿を通して見るセックス。

 この13歳の少年は、屈折した見方をするリーダーのもとにグループを作っていた。そのグループは、名前で呼ばず番号に替えていた。秘密のグループというわけだった。
 13歳の少年の母は未亡人で、アンティーク・ショップを経営していた。少年は夜毎夜半に家を出て秘密のグループの会合に出ていた。

 その会合にはリーダーの少年が持ってきた性交体位の図鑑を見せられて仲間と嬉々とし騒いだ。リーダーが言う。「お前たち、馬鹿か? ただ喜んでいるだけか? 知的好奇心はないのか? こっちが恥かしくなる。性的好奇心は満足させたろ。お前たちは、まだ早い」

 そして帰宅したが出歩いていることに母(サラ・マイルズ)から咎められ、翌朝外出禁止を言い渡される。かんしゃくを起こした少年ジョナサンは、自分の部屋にあるそこらじゅうのものを投げ捨てていると、母の寝室を隔てる壁に穴があいているのを発見する。
 その穴からは母のベッドが眺められた。夜な夜なその覗き穴から母を見ていると、ある晩母の異様な行為を見てしまう。

 むき出しの乳房、股間に伸びる手、喘ぐ母。まさに一人身の寂しさを癒す自慰行為だった。それを見たジョナサンの額は汗にまみれていた。
 しかも、寄航した大型船ベル号を見学して知り合った二等航海士ジム(クリス・クリストファーソン)と母のセックスまで見てしまう。それに結婚までするという。

 もともとジョナサンたちには「生殖は虚構であり、したがって社会も虚構。父親や教師であると言うだけで大罪を犯している」ことになりそれを確信していた。
 リーダーは、猫を眠らせてその心臓を取り出して「素晴らしい」「ファンタスティック」などという少年たちだった。したがってジムの存在を否定しなければならない。この猫のように。
           
           
           
           
           
 未亡人をイギリス出身のサラ・マイルズ。二等航海士ジムをカントリー・ミュージックのシンガソングライター、クリス・クリストファーソンが演じているのが面白い。ついでながら、この人が歌う「Help Me Make It Through The Night」も聴いて欲しい。いい曲だよ。

監督
ルイス・ジョン・カリーノ1932年1月ニューヨーク生まれ。

キャスト
サラ・マイルズ1941年12月イギリス、エセックス生まれ。
クリス・クリストファーソン1936年6月テキサス州ブラウンズヴィル生まれ。

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