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ニューヨーク州知事が言った奇跡「ハドソン川の奇跡Sully」2016年制作 劇場公開2016年9月

2017-02-05 13:18:01 | 映画

               
 2009年1月15日午後3時30分、USエアウェイズ1549便にこの事故が起こった。まだ私たちの記憶に新しい事故だ。それをクリント・イーストウッドが映画化した。

 視点は事故後の国家運輸安全委員会とのやり取りが中心となっている。国家運輸安全委員会の事故調査に形式的で人間の存在を無視するかのような進め方に注目しているようにも思える。

 事故の解明にシュミレーションを行うが、カナダガンのエンジンへの突入(バードアタック)で両エンジン停止の状態になる。シュミレーションではすぐに空港に引き返し安全に着陸する。

 ここで機長チェズレイ・サインバーガー、愛称をサリーという(トム・ハンクス)がバードアタック後コックピットでは装置の点検を行った。この点検は、のちの調査で有効だったことが判明している。時間は35秒ほどだ。これは人間が介在した時間でもある。

 この時間を考慮に入れてシュミレーションすると空港には届かず墜落した。世の中あまりにも便利になりすぎて、コンピューターを異常に信頼する傾向に警鐘を鳴らしたとも言える。

 とはいってもこの事故には幸運が付き纏ったという印象もある。まず、昼間の時間帯であったこと。旅客機の着水速度が時速270キロ程度だったこと。さらにハドソン川の流れに沿ったこと。不幸だったのは氷点下6度、水温2度という気温だけ。もし、旅客機の両翼が折れていたらどうなったか。全員無事は確かに奇跡だ。

 これはやはり機長の高度な技術と副操縦士の沈着冷静な判断と行為の賜物だろう。その沈着冷静さはどこから来るのだろうか。これは非常に興味のあるところだが、映画ではいま一つはっきりしない。機長には過去に軍歴もあるということだが、今操縦しているのは戦闘機ではない。乗客155人の命がかかっている。そこで冷静になるには……胆力か。

 この機長と副操縦士の飛行機に乗り合わせた乗客は、一生に一度の幸運であった。国家運輸安全委員会の公聴会で「もし、またこのような事態になれば、同じことをするか?」という質問に「やりますよ。ただし7月に」と副操縦士のジェフ(アーロン・エッカート)が答える。全員爆笑のうちに映画は終わる。
 
 さて、クリント・イーストウッドといえば、ジャズ通でも有名。監督・出演した1999年の「トゥルー・クライム」でもダイアナ・クラールの「Why should I care」を、この映画ではティアニー・サットンの「Flying Home」をエンド・ロールに重ねて流している。

 ダイアナ・クラールは、1996年に「All For You」で、ティアニー・サットンは、2015年に「Paris Session」でグラミー賞にノミネートさているという共通点がある。

 ダイアナ・クラールはいまやスーパー・スターといってもいい。このティアニー・サットンも少しお年を召しているように見受けるが、ハスキーな声で歌う「Flying Home」もなかなかいい。その曲をどうぞ!

監督
クリント・イーストウッド1930年5月サンフランシスコ生まれ。

キャスト
トム・ハンクス1956年7月カリフォルニア州コンコード生まれ。
アーロン・エッカート1968年3月カリフォルニア州サンタ・クララ生まれ。
ローラ・リニー1964年2月ニューヨーク州ニューヨーク生まれ。

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