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「筋肉にしておかないと、切腹してさ、脂身が出ると嫌だろう」三島由紀夫のボディービルをする理由

2015-06-29 17:05:36 | 雑記

 「作家なのにどうしてボディービルをしているんですか?」と聞くと、三島さんは衝撃的な発言をしました。「僕は死ぬときに切腹するんだ」と。「筋肉にしておかないと、切腹してさ、脂身が出ると嫌だろう」そのときは冗談だと思って聞いていました。

 これは今日の読売新聞朝刊の「時代の証言者」というコラムで、1932年生まれで戦後の日本を代表する俳優の一人の仲代達也の証言だ。

 映画「人斬り」(1969年)で三島由紀夫が薩摩藩士・田中新兵衛の役で共演したとき、大阪行きの飛行機の中での会話だそうだ。

 読んで一瞬驚いた。私はてっきり見栄っ張りでカッコウをつけたがったのかもしれないと思っていた。夏になるとぴっちりとしたポロシャツで、胸板や腕の太さをことさら露出している写真を見ていたし、三島由紀夫が自衛隊に体験入隊した様子を本で読み、その中で上半身は鍛えてあるがランニングは皆目ダメだったとあった。それで上記のカッコウつけと思ったわけ。

 意外な理由でそれを証明するように、1970年11月25日東京・市ヶ谷の陸上自衛隊駐屯地でクーデターを呼びかける演説をしたあと割腹自殺した。

 ついでながら、仲代達也の映画で私の印象に残っているのは「椿三十郎」で、椿三十郎役の三船敏郎と室戸半兵衛役の仲代達也の決闘場面だ。
 三船敏郎の斬殺の刃が、仲代達也の胸から激烈な血しぶきを吹き上げる。「あんなに血しぶきが上がるものなのか?」と思った人も多かったようで、私も同様の感想だった。

 この血しぶきをはじめ、刀で肉体を切る音や刀と刀が討ちあう音なども今までにないリアルなものだった。黒澤明監督の、この斬新な手法はあとあと日本映画の時代劇に少なからず影響を与えた。

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