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映画 ケヴィン・スペイシーの「ライフ・オブ・デヴィド・ゲイル(03年)」

2005-02-22 13:47:24 | 映画
 テレビ画面では、レポーターがハーバード卒哲学部の人気教授デヴィド・ゲイルの死刑延期申請が却下され、死刑が確定し執行は金曜日であると報じている。デヴィド・ゲイルは同僚教授のコンスタンスをレイプし殺したとして収監されていた。デヴィドとコンスタンスは死刑反対運動活動家で、二人で運動を支えてきた。あらゆる証拠がデヴィドを指していた。

  ニューヨークの雑誌社にビッツイを名指しで50万ドルの独占インタビューが持ち込まれる。ビッツイは見習い助手とテキサス州エリス刑務所に向かう。そこで火、水、木曜日各2時間のインタビューを行う。次第にビッツイはデヴィドの無実を確信していく。喜びの笑顔とともに釈放と行かないのが、この映画のクセのあるところ。最後のどんでん返しが待ち受けている。

  共演のビッツイに「タイタニック」のケイト・ウィンスレット、コンスタンスにローラ・リニー。ローラ・リニーは、「ミスティック・リバー」にも出ていたが、こちらのほうが断然気に入ってしまった。それにうれしいことに、今年のアカデミー賞は「キンゼイ」という作品で、助演女優賞にノミネートされている。

  この映画の脚本を発掘したのは、アラン・パーカー監督で、長い間見向きもされなかったそうだ。脚本を書いたのは、映画の主人公と同じ元哲学の教授でチャールズ・ランドルフ。今この人もハリウッドでは注目されているとか。

  フラッシュバックで出てくる印象的な場面。コンスタンスが白血病(血液のがん)と分かったあと、デヴィドと自然な流れでセックスを交わす。始まりは庭での会話。わずかな残り時間のコンスタンスに、デヴィド「悔いはない?」コンスタンス「ないわ」といったあと、「セックスが足りなかった」と述懐する。そして学生時代からこれまでボーイフレンドは四人だったという。デヴィッドは彼女の心情を察し、五人目のボーイフレンドになろうという。合意が成立する。セックスの時、コンスタンスは哀願する。「とても疲れたわ。怯えることに疲れたわ。お願い、助けて。私を助けて、お願い。恐れを追い払って、追い払って」デヴィド「分かった。僕がいる。君のそばにいる」この場面は重要で、ラストに向かって伏線になっているように思う。人間的な面がこういう形で出てきて、コンスタンスの心情を思うと可哀想になる。

  このようなサスペンス映画は、この俳優たちであれば、それぞれ持っている力量でカバーできる。と思うが、ケヴィン・スペイシーは次のように語っている。「ケイトの演技で特にすばらしいのは、フラッシュバックの部分は、彼女は体験していないわけだ。だから彼(デヴィド)の話を聞く際に想像力を総動員しないと感情移入できないはずだ。デヴィド・ゲイルが自らの過去を語るのに対し、想像力を頼りにあそこまで共感するのは大変なことだ。彼女とローラ・リニーとのシーンはないのに二人は会っているような気がしてくる。三人はある絆でつながれているのが観客に伝わる。ケイトはその機微を見事に表したと思う」演じる人の言葉は参考になる。
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